直線rainbow

3時過ぎあたりからうっすらと床に刺しす直線rainbow
やがて角度が深くなり
色もはっきりとしてきて
四時半に最も美しくなる
これはcassowaryの内装の一部

先週
ハンガーラックのレイアウトを変えて
部屋のようになった現在
無関係なふりしてお向かいのビルの前で
通り過ぎる人々の会話を盗み聞きすると
性別年齢問わずcassowaryを褒めてくれる
やたらと服がたくさん飾ってない
過剰なディスプレイをしていない
バーカウンターまである街角の洋服店
この店は洋服を売る場所だけにするのはもったいない
欲張りかなと思うが
ここはもっといろんな価値を持てると思う

 

 

 

狭間の東の突き当たり

平安神宮とその大鳥居の狭間
二条通りはやがて東の白川通で突き当たる
そこが僕の帰り道
一年を通して
黄昏時
日が沈まない方の東の空がなんとも美しい

今年
そこにかつての京都会館がロームシアターとして生まれ変わり
ツタヤとスターバックスができた
忙しくなければ車ではなく
徒歩で会社まで向かい
夕暮れ前に家路について
途中ここで珈琲でも飲めたらいいのにと
毎日思う

20160326

この週末と来週は色々な方が店に来てくれるので
車は車庫に置いて出勤
店でゆっくり珈琲(時々アルコール)を飲みながら
楽しく過ごそうと思う
ので
覗いていただきたい

creatures

毎シーズン
HPやDM等に動物の印象的な写真を使用している
以前も紹介したが
写真家の伊藤公一君にお願いしている
最近はあまり動物は撮らなくなったのに
merphのために半年に一度撮影に行ってくれている

今シーズンはシロクマ
北極のハンターも
こうやってみると綺麗な目をしていて凶暴さの微塵も感じない
でもそんな油断して近づいたら
えげつない爪で一撃であの世行き間違いなし

これまでに使った写真を少し紹介
まずは記念すべきファーストシーズンの写真
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歴代唯一の植物
大好きなフィボナッチ数列の代名詞
原始のまま
地球上いたるところに生息するシダ類の生命力を
merphにもそんな願いで最初はシダにした
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これは今までで一番気に入っている写真
未だにパソコンのスクリーンに使っている
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苦しんだシーズンを思い出すのはこのシマウマ
こいつに責任はないが
なんだかこれをみると気持ちがどんよりしてしまう
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この七面鳥はすごかった
まるで鱗のような羽
生き物の造形の素晴らしさに感動した

他にもいろいろ
それは弊社オフィシャルfacebookページにまとめてあるので
ご興味があれば是非

さて
霞む空を見上げるとくしゃみが出る京都の昼下がり
目をこすりながら山積みの作業を一つずつ片付けていく
今夜はプロ野球開幕
忙しくなる

GOOD STRIPES

ドビー織機で織り上げたストライプ生地
ベースとなるオックスに等間隔で横糸を飛ばして
別の組織を織り込んでいる
その飛ばした横糸を後からカットして
別の組織自体をストライプに見せる
うまく伝えられない
もっとうまくわかりやすく説明したいが
わかってもらえただろうか
とにかく
見ていただきたい

MR2048

形はfellowsと呼んでいるロングシャツのパターン
もともと春のコートの代わりになるように
前身頃を大きく切り替えてポケットを配したデザイン
当初は厚手の生地を使用していたが
薄手のシャツ生地でインナー用に作ってみたところ
大好評
それから春は薄手の生地を選ぶよう荷している

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短めのジャケットの下にこんな風に着るのが気に入っている
このジャケットを手に入れたお客様には強くお勧めしたい
もうすぐ下のセットアップパンツも届く

今回ちょっとmerphは出遅れたけど
ここに来て入荷ラッシュ
お待たせしました
週末
お待ちしております

 

満月の夜の狼中年

とりあえずメンズのサンプルが仕上がって
昨日から東京で展示会が始まった
肩の荷が6割降りてほっとした帰り道
東に向かう道路の先に霞む満月
音楽のボリュームを上げて
二条通りへ一本降りて
平安神宮の方から自宅へ向かった
次の満月は歩いて帰ろう
エレファントカシマシのアレを聴きながら

さあそしてまたしてもの展示会
こないだやったばかりじゃないの
心の中で愚痴を言いながらも
24型35着のサンプルを製作した
デザインを描いてパターンを上げて
トワルを組んでサンプルがやって来て
喜んだりうなだれたり
焦って走って修正加えてなんとか東京へ送り込んだ
ここから1ヶ月の間バイヤーとの交渉に入る
みなさまよろしくどうぞ

まだanimaのサンプルあげなきゃいけないけど
もうデザインも職出しもほぼ終わっているので
今度こその今度こそ
直ちに2017年の春の衣に取り掛かる
関係者は誰も信じないだろう
狼少年は声をあげても信じてはもらえない
だから事実を作っていくしかない

狼中年
満月に誓う

 

 

いつもの峠で午後三時

土曜日だというのに
カットソーの工場さんは朝からサンプルを縫ってくれた
09:19
縫製の最終確認の打ち合わせをして
連絡が来るまで待機
昼飯を済ませ珈琲を飲んでいるところに入電
13:36
急いでエンジンをかけていつもの峠に向かう
15:03
サンプルを受け取る
四着のパーツの多い作品をあっという間に
それもとても美しく縫い上げてくれた
今回のカットソーの中で一番不安だった品番が
今回のカットソーの中で一番の作品になった
パターンナーと工場さんにただただ感謝
また今回も変わりなくドタバタで申し訳ない
次回こそは次回こそは……

 

 

 

死神の情(なさけ)

merph_animaのトレンチコートが評判良し

くどくどとなんども言い続けている洋服の”つら”について
それがこのコートではかなり納得のいく出来栄え
ベースパターンや生地や縫製仕様やディテール
それだけじゃなくボタンの間隔や配置
ポケットの角度と大きさ
着丈に対するカッティングや様々なポイントの設定
絵を描くとこから始まり
数字を決めて生地を決めてボタンを決めて…
出来上がったのがこの納得の新作

今年は秋冬へのエネルギー温存のため
春夏の生産を去年に比べて大幅に減らしているので
在庫が十分じゃない
そんな時に渾身の出来栄えを叩くあたり
商売の神様に愛されていないのだと
つくづく心が腐りそうになるけれども
背中に乗ってる死神だか貧乏神だかも
長く付き合うと意外と情が湧いてくるのか
それとももっと足掻く僕を見ていたいからなのか
一向にトドメを刺さない
そんな甘いところに漬け込んで
隙をついて大儲けをする夢を見る

来週からショールームの展示会に合流
merph 2016 autumn and winter
相変わらずのコートだらけのコレクション
懲りずにさらりと公開開始

春待ち

春らしくはなった
でもまだ”春”とは言えない3月17日
桜も準備段階で停滞中
去年は3月28日に我が家の前の桜はアウトブレイクした
今年も開花は3月28日の予報
その頃僕はきっと酒にまみれている

京都の東山に引っ越して1年半
出勤途中は桜で溢れている
岡崎から冷泉通を抜けて川端通りへ
残念なのは丸太町河原町の角にあった
小学校の大きな桜が切られてしまったことだ
そこから地方裁判所の横にはしだれ桜?ってのかな
ちょっと赤みの強いつがずらりと並んでいる
春は好きではないけど
桜はさすがにぐっとくる

今年も相変わらず花見の時期に大忙しの稼業ゆえ
花見の予定はない
自宅の二階の窓を開けると目の前は大きな桜の木
それを聞いてこの家に決めたのに
よく考えてみればその桜が満開の時に
僕は東京ホテル住まい
花見の計画で盛り上がる友人たちが羨ましい

安心

トレンチコート
このコートでいかにmerphと成すか
悩んだ
結果大きく割れたウイングベントを採用して
胸のあたりだけにしかボタンを配さず
ポケットは軍用のフラップポケットにした

IMG_0795

merph_animaのトレンチはこれ
入荷日にすぐに売れるのは何よりも分かりやすい評価
ハンガーにかかっていても
着用している姿も
見ていて穏やかな気分になる
サンプルの製作時に起きる苦難を乗り越えた作品は
デザイナーを安心させてくれる

さあ
今日もサンプルが届く
どうか騒つかないように

三月中頃、日常

毎日
このライトの下で
問題を解決していくだけで日が暮れる
展示会サンプルは
いつもそうだけども
一筋縄じゃいかない

今日も朝からあっち行ってこっち行ってからcassowary
そのついでに昼メシは王将で酢豚定食
酢豚にジャガイモが入っていた
これは王将のスタンダードなのか
それとも北白川店のひらめきなのか
どちらでもいいが
個人的感想を言うと
パイナップルには勝っているが
できれば入れないでいただきたい

王将を食べた午後は眠気との戦い
カウンターで珈琲を飲み
時々白目をむきながら
どれだけ見直してもミスが見つかる書類とにらみ合う

午前中に届いていたサンプルは又してもICUへ緊急搬送
戦線に復帰できるか
それとも一度も試合に出ず引退するか
洋服の世界は厳しい
そんな中午前中指定の荷物が午後に届く
佐◯急便の午前中指定は努力目標
本部の偉い人がそう言った
しかしその遅れてやってきた新人が
暗く重たい空気を切り裂いた
品川の新幹線ロビーで打ち合わせしたスニーカー
まるでブーツみたいなスニーカー
これはいける

16時を過ぎた頃から
眠気には打ち勝つ
なぜなら寒気が襲ってくるからだ
3月とはいえ
コンクリートに囲まれたここは
日が傾くと冬の気温になる
仕方なく17時20分暖房起動
すると眠気が蘇る

忙しいふりしているが
結局のところmerphのデザイナーは
毎日
眠気と戦っているだけ