弱点は最大の伸び代

急激に暖かくになりました
このところぐずぐずした天候が続きましたが
本日は快晴
ただし
比叡山は花粉で霞んでいます

merphの春は順調に店頭に届き
どのデザインも足並みを揃えるように売れています
珍しくかなり着丈の短いジャケットも
オフホワイトの葛城と
葉っぱのカモフラージュともに好評です

ショート丈はmerphの弱点
長いコートばかり創っていました
たくさんの方が待っていてくれたのを日々実感しています

上半期7月までの納品に関しては
ほぼ工場への発注、資材手配まで完了
残すところはあと1品番
これは今までにないペースと生産量です

決算に伴い
昨年度の売り上げをあらゆる要素で分解し
まずは期間を3つに分けて
序盤(2〜5月)
中盤(6〜9月)
終盤(10〜1月)
それぞれの製作物と売り上げと睨み合いました
ショート丈同様
そこには明らかに私の性格と好き嫌いが現れます

年度はじめ
新たな期間に意気揚々とイベントを仕込んだり
得意な冬のなごりにも助けられスタートダッシュを決め込みます
しかし嫌いな夏が近づくにつれ息切れします
あからさまに夏の仕込みを怠り
冬の製作に追われます
どれだけやる気がなかったかというと
6〜9月の合計売り上げが
やる気満々の11月ひと月分の売り上げを下回ります
確かに11月は鬼神の如く売りました
とはいえこの中盤4ヶ月がひどすぎました
今年度この4ヶ月の売り上げを倍まで持っていくことは
昨年度11月のレコードを塗り替えるより用意です
それができれば
昨年のペースで行くと1年を16ヶ月営業することと同じ
今年度はそれくらいしっかり準備したということです
『弱点は最大の伸び代』とまじないを掛けて
今年度も歴代最高の成果を狙います

 

ミレニアムな亡霊

どこかしらで
我々2000年代にデビューしたレーベルは
『ミレニアム世代』と呼ばれるとか呼ばれないとか
私は2000年に先輩のレーベルの立ち上げに参加し
2005年に自身のレーベルを立ち上げまして
つまり2回ミレニアムなわけです

2000年の東京は
今よりもっと物質的で
主観ですけど
野望の始発駅だったと思います
主観ですけど
そんな東京の
さらに原宿というカオスタウンの
私の働く事務所兼ショールームから一つ角を曲がると
そこにはデニムのフルカウントがありました
そこで偶然大学の先輩のとある野心家が務めてまして
記憶は曖昧ですが
挨拶をしたのかされたのか
そこからその後24年続く呪いのような腐れ縁が始まりました

ある日
『わしらフルカウントから独立して自分の服始めるし』

展示会のインビテーションを渡されました
今思い返せば
『自分の服を創る』ということを最初に意識するきっかけは
この時だったのかもしれません
会場は確か、、、
代官山の路地裏の2階の小さなレンタルスペース
もちろんそれまでに展示会という場には足を運んでいました
でも自分と同じ年代の
さらに自分と同じ大学に通った人間が
自分の服を創り始めたことは
強く私に突き刺さりました
よく賢い人たちからこんなことを聞きます
『将来を見据えて計画的に目標を設定してそれを実現していきなさい』
私の人生はそうはいきませんでした
21歳で踏み入れたこの世界で
想像以上に重要な仕事に携わり
そのまま日々の成果を必死に積み重ねて生きていました
そう言う中でこういう何人かの先人が見せつける”刺激”に
焦りのようなものを感じ
やがてそれが自分の中にある野望だと気がついて
私も走り出し
そして今に至ります
偉そうなことを言う立場ではないですが
計画に振り回されるより
人に振り回される方が私の性分には合っていると思っています

この秋冬に
TALKING ABOUT THE ABSTRACTION が復活します
私を振り回したミレニアムな亡霊が蘇ります
仕入れはしませんが
2000年代に覚悟を決めて走り続けた仲間の帰還を
心から祝福したく思います
代官山の小さなレンタルスペースで初めてみた
TALKING ABOUT THE ABSTRACTIONの服
その後少しの”いとま”を挟んでまた走り出しました
時代に合わない燃費の悪い車に乗って
排気ガスをばら撒きながら
我々はやはり
洋服を作って進んでいきます

19周年

本日2月2日は有限会社Sanctumの創立記念日です
例年お休みをいただいておりますが
営業はしておりませんが明日の準備で店におります

昨年度
コロナの影響も消え去り
19年間で最高の売上高を記録しました
ご購入いただいたすべての方に感謝を申し上げます

それでもまだなお
サイズやカラーの在庫不足で多くの方に
ご希望のmerphを手渡せなかったことが悔やまれます
本年度は昨年手に入れた在庫を持つ勇気をもう少し強く絞り出して
さらに多くの方に作品を届けられるようにと
考えております

その一方
これえだけ売り上げが伸びても
まだまだ会社は余裕がなく。。。
相変わらず経営者としての才覚のなさは認めざるを得ず
今更ですが財務管理の勉強を少しずつ進めています

勉強しながらもできることからと思い
まず今年はとにかくお金を無駄に使わないように
そういう禁止事項を掲げて1年運営していきたいと
まるで子供のようなことを考えています

現在の有限会社Sanctumの倉庫は
まさに『余分なもの』で溢れています
探せばあるのに
時間がないと言いながら
すぐにAmazonやアスクルで買ってしまったエトセトラ
まずはこれらの整理整頓を徹底して
何を持っているか把握します
たとえ持っていなくて工夫するか我慢!
早速先ほど延長コードを探す前に買おうとした自分がいましたが
なんとかブレーキをかけ
溢れる荷物の中から探し出しました
この小さな積み重ねを来年の1月31日に喜べるますように

年度の初めに少し地味な話をしましたが
ここからは楽しい話を

まずは明日2月3日からは
昨年も同じく2月に開催したバッグの受注会
3日、4日、12日とデザイナーも店頭におります
正確な情報を直接お聞きください

続いて2月21日
お店はお休みいただきますが
我々merph部隊はリキッドルームへ向かいます
ドラマーあらきゆうこの生誕50周年記念のビッグイベント
Cornelius x くるりのライブで
記念Tシャツを製作しまして
直接販売に駆けつることになりました
こちらのTシャツについてはまたゆっくりと

そしてそして
3月2日
久しぶりのmerphoniaを改装した旗艦店で開催します
オオヤユウスケ(Polaris)・anzu・山本啓の3人のアーティスト迎え
お酒とお食事をしていただきながら
素晴らしい演奏を楽しんでいただきます
お酒とお食事は
昨年7月にオープンしたミカヅキヘイムが担当いたします
ぜひ皆様ご参加ください
詳細に関してはすでにブログにて詳細計指しております
50名限定ですのでお早めにご予約ください

4月以降も色々な企画を用意して
merphをしっかり作りながら
1年間駆け抜けていきます
本年度もどうぞよろしくお願いいたします

春のmerphの云々

現在
日本のあちこちでmerphの新作にミシンが走っています
東北で進んでいるのはデッドのイタリアンリネンのチェックのコート
こちらは12着しかありません

背中は大きく開いています
中には赤いパイピングが走ります
比翼の内側も同じ赤をさしています

背中は中に着る服をコーディネートして楽しんでください
ちなみに
これまで販売してきたロングシャツローブの全てが
こちらのコートのライナーとしてお使いいただけます
カモフラージュやグレンチェックそれにボーダーや無地もありますね

もちろん
コートの方は無地も作っています
青だったりベージュだったり

コーディネートはそのシャツローブシリーズがなくったて
楽しんでいただけるはずです
どんどん面白いアイデア教えてください

そのほか
デニムのフードジャケットや
和紙とコットンの葛城を使ったドライブジャケット
スコットランドの友人の手織りのウールをポケットに使った半袖シャツ
リクエストにお答えして復活のドルマンニットシャツ
パンツも2型
Tシャツも仕込んでいますよ

さらに
リニューアル直後のバッグ受注会につづき
ミュージシャンとコラボレーショングッズや
ライブイベントの開催と春に向けて賑やかになっていきます
どうぞ皆様
一緒に楽しんでください

 

いとま

明日からしばらく京都堺町六角merph旗艦店は
2月2日までいとまをいただきます
改装をしながら2024年度のスタートの準備をいたします

今日もたくさんのお客さんにお越しいただき
明日からしばらく休むのが惜しいのですが
ストックスペースを増やすために12日間営業を止めます

2月3日
美しく整うはずの新生旗艦店と
バッグの受注会を持って
有限会社Sanctumの第20期がスタートします
3日と4日は賑やかにいきたいと考えています

本年度を少し振り返ってみます
まだコロナの名残が強かった2月
同じくバッグの受注会から始まり
苦労して作ったダブルフェイスの生地を使った
一枚仕立てのリバーシブルコートが好調で
上場の滑り出しをしました
そのまま3月も新たに届いたナイロンフードJKTが後押しして
4月に入っても順調に売り上げを伸ばしていきました

しかし
5月に入ると雲行きが変わります
コロナ恐怖症は根深く
在庫を積む勇気を奪い取られていました
まだまだ需要があるのに
好評のコートとJKTの在庫は途切れ
それに加えて
夏に向けて完全に私の製作に対するモチベーションの低下
さらに
8月には連日の40度の猛暑
いくつもの条件が売上止めてしまいました
そしてこのスランプは5ヶ月間続きます

ようやく悪夢がさったのが10月
前半在庫を積む勇気を持てなかったことを悔やみ
後半はISS(国際宇宙センター)から飛び降りる勇気を持って
コートを例年の2倍以上の在庫を生産し
アタッキングサード(10月〜1月)に突入しました
そして始まったのが救世主MR1171とMR1172の大ブレイク
11月の東京pop-upも大成功
強気の在庫は12月末までほぼサイズ切れカラー切れを起こさず
1月もしぶとく売り上げを伸ばして
ついに完全に卸をやっていた時の売り上げを抜き去りました

これにあの暗黒の5ヶ月間の体たらくを克服し
それでもまだ在庫が足りなかった冬の真実を踏まえ
2024年度は更なる飛躍を目指します

春の新作
リニューアル
ポップアップにイベント参加
皆様に楽しんでいただけるよう
がんばります

1月の営業は21日まで

2024年が始まって
あっという間に2月の尻尾が見えてきました
毎年こういうことを書いている気がします

さて
告知しております通り
1月22日から2月2日まで
堺町六角の旗艦店は改装のため休業いたします
店の一角に事務所スペースとストックが出来上がります
これまでみっともなく積んでいた記事の見本やさまざまな備品
それと入りきらないストックをしまう白い部屋
中にはミニキッチン(IKEA製)も作ります
夏場は蕎麦を茹でてランチにします

明けて2月3日には
merphが愛してやまないキャンバスバッグの受注会を開催します
デザイナーの平松氏も今回は期間中数日来店してくれます
ぜひじっくり話を聞きながら吟味してください

洋服やバッグ、靴、身につける物に関して
良し悪しを無責任に押し付ける立場ではないし
それを忌み嫌っておりますが
好き嫌いははっきり発言しております
このバッグは本当に好きなんです
生地や縫製が良いとかそんなことは当たり前のことで
それより何よりこの佇まいです
どんなに最高級の生地や縫製や仕様を持ってしても
全く魅力を感じないこともあります
言葉で説明したくないほど
このバッグの姿は私にとって美しく見えます
そしてやはりこれを持っていると多くの人に尋ねられます
大量の情報を発しないと人に魅力を説明できないものは
私の関わるところではありません
洋服が洋服として
バッグがバッグとして
シンプルに魅力が伝わるものを
皆様に提供していきたいと思っています

もちろん
merphの新作も仕込んでいます
昨年の春はまだコロナで鈍っていましたが
この冬でリハビリは完全に終えました
春からしっかり数量仕込んでおります
夏にやる気をなくす悪い癖も今年は克服して見せます
バッグ受注会の他にもまだ公表できませんが
色々と仕込んでおります
そちらもどうぞご期待ください

 

よろしく2024年

新年あけましておめでとうございます
2023年はmerph史上最も多くの服をご購入いただきました
そのほとんどの方に私から直接お渡しできたことが何より嬉しく
続けられ限り
このスタイルでmerphをお届けしたいと思います

2024年
昨日から販売をスタートしましたが
早速たくさんの方にご来店いただき
本日もお茶を飲む時間もなくお話しさせていただいております

というわけで
新年の挨拶にしては横着な文章ですが
早速店頭の業務に戻らせていただきます

本年もよろしくお願いいたします

merph

2023年ありがとう

今年は久しぶりに31日まで店を開けました
恒例のおせちの受け取りや大晦日に必ずきてくれる方もいらっしゃるので
よく売れた年こそしっかり開けられる時に開けて
merphをご覧いただこうという考えです

本年度
1月決算なのでまだあとひと月ありますが
すでに旗艦店の売り上げは過去最高売り上げを超えています
今年もたくさんの方に
日本中、世界中の方にmerphをご購入いただきました
今日はそんな一年を
おせちを置いてつから暖房をつけるわけにはいかない
コンクリートばりの冷たい店の中で
友人たちの奏でる音楽を聴きながら振り返って
4時間過ごします

年が明けて2月になると
弊社はいよいよ第20期に突入します
20年目の最初の月から
色々とイベントを用意しております
その辺りも新年早々にお知らせしていきます

新年は2日から
勇気を持って積んだ在庫はかろうじて各品番各色各サイズを
ほぼ全てご覧いただける状況をキープしています
新年のスケジュールはこちらにまとめてありますのでご覧ください

それでは
皆様
良いお年を

2023年12月31日
坂井

秋雷

今日で今週2度目
京都は秋の雷が轟いています
雨はさほど降らず
大きな音だけが賑やかに鳴り響いています

気温が今ひとつ気持ちよく下がらずに
海外の人たちはいまだにノースリーブです
今年はスペインやイタリアそれにブラジルやメキシコの人が多く
merphの服はラテンにまったく受けません
これは新発見でした
やはり北欧〜中央ヨーロッパ
そしてアメリカとアジアに受け入れてもらっています
ぴちぴちのシャツを着た方がには独特のフォルムをプレゼンしても
それより自分の肉体を際立たせたいと言う考えがあるようです

その昔
お師匠様が言うてました
『イタリアは肉体が美しいと考えるので体に沿った線を引く
フランスはとにかく飾り付け原型を無くしてくる
イギリスすなわちアングロサクソン
それにゲルマンは人間の体は醜いと考えるから
服のフォルムで格好をつける』

決めつけてはいけませんが
やはり日本人の感性はアングロサクソンやゲルマン系に通ずるかと
憧れではなく共感が得られる気がします

merphの洋服作りにも
やはりイギリスやドイツのエレメントが強く入っています
若い頃ドイツのトレンチコートで心をくすぐられ
1990年代のロンドンのデザイナーたちの服を道標に
2000年代の先輩デザイナーの生き血をすすって

merphの服を作っています

10月もあと少し
ここ数日静かな日が続きました
例年ここから忙しくなります
11月には初の繁忙期に東京POP-UPを開催します
今回はmerphの主人が全日程働きます
しっかり体調整えて東京へ参じますので
よろしくお願いいたします

 

美保詣

8月が終わりました
暑かった
忙しかった

緊急事態宣言が出なくても
人は街からいなくなることがあるのを忘れていました
京都の夏は質が悪い

文句は言えど
仕事はしっかりしました
ここ数年では全くなかったスピードです
今日から始まる九月に備えて
あとは売るだけです

仕事をするだけじゃなく
我が社の守り神
美保神社へもお参りに行ってまいりました

わたくし
そんなに信心深いわけではないですが
こちらでいただいたお札のご利益があまりにも凄まじく
この数年
半年ごとに家族旅行を兼ねて詣でております
そう
毎年ではなく
半年毎に
おそらく瀕死の我が社を救うのに
通常の出力では無理だったのでしょう
半年でご利益は絞っても出なくなるんです
出涸らしになったお札(バチが当たるかも)を持って
お礼に伺いお焚き上げお願いして新しいお札をいただきます
というわけで
今年も8月の末
新しいお札をいただいてまいりました
準備は万端です

お参りと言いつつも
それだけではやはりここまで通わないわけで
そこには当然
半年に一度行きたくなるなにがしが待っております

ガツンと焼かれた野生味のある鰻だったり
日本海の海の幸
道中に立ち寄る蒜山では
遠くで油断してる牛を見ながらステーキやハンバーグを嗜みます

そしてこれです
神様に会いに行く前に妖怪たちと戯れるのです
イカ焼きを齧り生ビールを飲みながら
のどかな街を歩きます

九月から全力でmerphを皆様にお届けして
また半年後
満面の笑みでお礼参り行けるように
がんばります

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