奇麗にあがった
MR1019にMR3015を合わせてみた
パンツは細いMR3014と太いワンタックのMR3015
2種類から選んでもらえる
直営店があるからこういう事も出来る
好き勝手出来る場所があるってのはいいもんだ
 
北山に越して
殺人現場に遭遇する危険は回避できた物の
葵橋の夕焼けを見れなくなったのは残念だ
事務所から自宅までは自転車で3分
猛暑の中30分かけて自転車で通っていて
遂に越えられなかった壁を越えそうになった体重が
たった半月で戻ったようだ
田和から
『また大きくなりました?』
先日頂いた
展示会のたびに
『次回は見違えるくらい痩せて来るからね』
と言っていたが
ここ2年
それさえ言わなくなった
まずい
非常に
まずい
このMR1019を着るには後5kgの減量が必要
やがて来る洋服を着るのが楽しくてしょうがないシーズンに向け
ことしこそ
やるしかない

MR4026
圧縮ウールクレーターのざっくりとした感じに満足している
この品番
制作時にまったく期待していなかった
ところがサンプルの上がりに驚いた
自分用をキープした
昨年ニットのコートやカットソーのロング丈物が
11月の末まで活躍した記憶を無駄にしなかった
ツイードパンツに合わせたこのコーディネートは僕の理想だ
今季の店番はこの感じでいきたいと思う
話しは変わって殺人事件
昨夜やたらとパトカーが騒いでいると思ったら
近所で殺人事件があったそうだ
それも先日まで毎日通勤で通っていた辺り
僕がよくここで『金持ち通り』と書いていた辺り
もし引越が1ヶ月遅かったら
展示会準備を終えてようやく家路につくのは
まさに犯行時刻の午前0時
おそろしい
犯人はまだ捕まっていないそうだ
今夜は家中の鍵を確かめてから眠る
殺人事件と言えば
高校生の時に学校の近くで猟奇殺人事件があった
妊婦の腹を裂き
赤ん坊を取り出して
そこに黒電話を入れたという事件
帰り道に聞き込みをされた同級生が沢山いた
あの赤ちゃん助かっていたという噂を聞いた
それにしても
親になり思う
この国も十分に危なっかしい

多郎吉は本名
それも一つ飛びの世襲制
だから爺さんも多郎吉
このコーディネート
今回の完成体
すごく気に入っている
多郎吉が着ると更にうっとりする
MR1018は今までやって来た事に今の力を発揮した自信作
安定して出来上がるものも既にあるが
新しく挑戦する要素がある物が
思っていた通り出来上がると
そりゃ嬉しい
さらに思った以上なら
そりゃもう
たまらない
このMR1018はそれになった
下に合わせたMR3017も相当気に入っている
なにせ2色買いしたから
このパンツにジャケットを会わせたいのだが
少々事情があってジャケットを着るには時間が必要である
事情が無い方にはぜひ挑戦してもらいたい
今夜は急に涼しくなった
タイミングよく風邪をひいた息子から
くしゃみ経由でばっちり風邪を頂いた
喉が痛い
皆様も風邪ひかない様に

ずっと横向きの写真に拘って来たが
さすがにもう無理だ
わたくしの友人
小川多郎吉君にお願いしてスタイルショットを撮らせてもらった
僕のまわりにはべっぴんさんが多いと男性陣からうらやましがられるが
そのべっぴんさん達からたまには男前を紹介しろと怒られる
数少ない男前の友達
そのなかでピカイチの男前の彼に僕と吉川は惚れ込んでいる
忙しい中
いつも無理矢理撮影にお付き合い頂いて申し訳ない
今度旨いものおごるよタロキチ
さて
写真のコート
愛知県は尾州の特級別注大柄ヘリンボーン
8着を次から次へと引き取り手が決まっていたが
残すところあとsize1が1着
size2に3人
size3に2人
お問い合わせを頂いたが
申し訳ない
わたくしにもう少し財力と心臓の体積があれば倍創っていたのだが
なにせミジンコの財布とノミの心臓
¥3,000/mの生地で用尺3mのコートは思い切れなかった
それにしても
早かった
あっという間に7着に印がついた
そしてそのすべての人が
もの凄い熱意でこれを欲しいと言ってくれた
古い付き合いになった顧客さん
僕の母親くらいの年齢の貴婦人
福松のカウンター仲間のやたらと飲む学生さん
別注を持ちかけなかった事を文句言いながらも
うちの在庫を買い取ってくれた勝手に可愛がっている卸先の大男
そして
うぬぼれ屋さんのデザイナー
洋服はカテゴライズしたりおまじないをかけなければ
いろんな人がそれを手に取って着てくれる
20歳そこそこのかつての僕のような後輩から
悠々自適にご褒美の余生を謳歌する大先輩まで
洋服を創って来て良かった
そう
この仕事
辛い事も多いけど
こう言う出来事に目を向けて
僕は洋服を創って行かなくちゃいけない
便所蜂呼ばわりされようが
ケツの誇り高き毒針でグリズリーだって倒してやろう

MR4019
今年のパーカは絶好調だ
プルオーバーもジップアップも
merphもmerph_animaも
一日に何枚も売れたりする
おかげさまで在庫が冬まで届きそうにない
追加したいが
もう春夏の生産が間近に迫っているし
迷ってしまう
このMR4019
昨年よりフードを乗せているネックの部分が長い
それと生地がもの凄く
もの凄く
気持ちいい
ここまでしっかりボリュームを出しているのに
ふわふわしている
最近見つけた旨い豆腐屋の絹ごしもこいつには勝てない
良い生地に巡り会い
形がマッチしたおかげで久しぶりに気持ちよく売れて行く
洋服のデザインとは
単に形を創るだけではなく
それに素材や付属にアイデアを盛り込んで行く事である
総合力で洋服は売れるか売れないかが決まる
ただ形がいいだけじゃ駄目だし
高い生地使えば良いってもんでもない
だから一度否定された形を簡単に諦めずに
生地や付属を再検討して
ほんの少し様子を変えてみるのも
このところトライしている重要な製作の一つである
9月18日
京都は雨
今日も頭痛と肩こりを抱えながら春を睨んでいる
六角に納品に行かなくちゃ行けないが
もうすぐ先輩が
『冬の中央市場に行くのにちょうどいい』
と気に入ってくれているMR3017を買いに来てくれるから
納品は明日にしようと思う

MR4026
僕がコートを創るとどうしても分厚くがっしりとしてしまう
さらりとしたコートを創ったとしても
それはもう僕の創る意味が無い様な気がしてしまう
今回の秋冬もどこにも軽い物が無かった
そこで
シャツ同様にカットソーのカテゴリーで少し気軽な物を創る事にした
圧縮ウールにガッシとしたテレコをぐるりと回して襟と前立てにした
去年12月まで温かい日はニットやカットソーの分厚い羽織物を多用した
それがなかなか楽しかったから
merphでも創ってみた
merphに関して
大義名分振りかざすのは止めている
出来あがる洋服は仰々しい物が多いけど
創る姿勢はゆるやかで居たい
北山の畑の真ん中で
そう思いながら鉛筆を握っている
先程
casswaoryに新作を投入して来た
今日は台風の影響で賀茂川の並木は大きく揺れている
強風でまるで逆流している様に
南から北へ波が立っていた
明日は雨とさっき田和が言っていた
雨が降ると昔から仕事が進む
だから
今夜はデザインをスワッチ用に正書しようと思う
今日でちょうど展示会まであとひと月
これから暫く殺気立つ日々が続くが
時々賀茂川に出向いて心を鎮めながら
もみじが色づく頃まで突っ走る

MR3017
初代はずいぶん前に創ったのだが
昨年それを我々が着用していたら沢山のリクエストを頂いたので
更に防寒性をまして2012年再リリース
上の生地は圧縮されたウール
下はしっかりと目の詰まったスパンフライス
生地自体のボリューム感を考慮し
旧作品より上のパンツを細くした
大成功
既に2色とも自宅に持ち帰った
cassowaryへは週明けに投入する予定
もうすぐ同じ圧縮ウールを使用したカーディガンが到着する
ほとんどコートの重厚なカーディガン
それからフリースのパーカもあがって来る
今年も温暖化など気にせずしっかり冬の服を創りきった
2012年秋冬の生産も最後の大物コート2つを残し
ほぼ完了
今日も北山で2013年のサンプルに追われている
昨夜からうちの嫡男殿が咳が止まらなくなり
何度も起きて泣きわめいたので
かなりの寝不足
それでもそんな事を考慮して
10月16日が待ってくれる訳ではない
だから
3連休
工場が止まっている間にしっかりと詰めておく

気に入っていたんだけど
MR1020
生産が出来なかった
豊かなファーをつけたタンカース
シングルライダースから発展させたパターンは
美しい腰のウエストラインが売り物だったのだが
残念だ
展示会にサンプルを出した時点で
それらは創った本人としては上出来だと思っているということだ
でもそれをすべて生産できる訳じゃない
オーダーがつかない場合もあれば
生産背景にトラブルが起きる場合もある
merphの場合は直営店というバックアップがあるから
オーダーがつかなくてもほとんど生産しているが
MR1020は生地にトラブルが起きた
仕方が無い
来年また少し来年の要素を加えて創り直してみる
ご期待頂きたい
とは言えども
このMR1020のサンプル
非常に出来映えに自信がある
そこで
どなたか気に入ってくれるなら譲ろうと思う
khakiとgrayの2色
サイズは2に相当
価格は北山KAMMERまで

anm4011
merphのパーカと違いラグランのラインが滑らか
肩が張って見えない様に
重要な事
簡単にグレードだけで女性の服を作る人
多いけど
そんなに面倒ならやらない方が良いと思う
女性の体と男性の体ではまるで違う
それなら縮小では
美しくはならない
明日から3連休なんでしょ?
うらやましい
皆さんどこかへ出かけるんだろうな
わたくしは北山の事務所で遅れた仕事を取り戻す
秋の香りが濃くなって来て
来客も増えて来たし
店もしっかり営業しながら
春の服を描く
カットソーの工場からサンプルの納期について
『非常に 厳しい』
とのご返答
詰められるならどこかを詰めて
なんとか10月16日に笑っていたい
明日からの3連休
北山はわたくしと田和
六角は吉川と千葉
2店舗に分かれ全員で秋冬の自信作をご紹介させて頂く
もし京都で休日を過ごすご予定なら
ぜひ

自分で洋服のレーベルを立ち上げて
一番苦労しているのがシャツだ

自分で創りたいものがわからなかった

大学の頃

シャツが大好きでいろいろなシャツを着まくった

古着から強烈なデザインの物まで

その反動だろうか

以後まったく興味がなくなってしまった

洋服を創る様になってから

それは加速した

やりたい放題できるコートやジャケット

自分のやりたい事がばっちりはまったカットソー

シルウェットをとことん奇麗にしたパンツ

それぞれはっきりと目標にする着地点があったから創りやすかった

ところがシャツは飛ぶ事すら出来ないままでいた

僕にとってはシャツは既になぶる事の出来ない物で

誰が創っても面構えは変わらないと感じていた

故に僕の鉛筆はなかなか滑らなくなってしまった

ところがこのところ

少しシャツに対する身構えがかわってきた

僕の見つけた構え方は

『merphの隙間を埋める』

これだ

普通の事かもしれないし

今さらの事かもしれないが

今までの僕の洋服の創り方からは生まれて来なかった発想だった

これに気が付く原因もやはり店でのコミュニケーション

店頭でお客さんからリクエストされ続けた薄手の羽織り物

コートやジャケットで創るには少し僕にとって味気ない物

そこでふと

シャツをその立場まで持ち上げるのは面白いと気が付いた

それから創り始めたのは所謂CPOジャケットの様なシャツ

顔立ちがジャケットに近く

ただし資材とベースパターンはシャツ

今シーズン創った4型は春になればジャケットやコートの替わりになる

製作にしっかりした着地点が示されたおかげで

出来上がったものの売れ行きも激変した

洋服の制作者として最後まで苦しめられたシャツという難関に

8年かかったがようやく希望の光がさした

来年の春夏のシャツは更にグレードアップする

気付いたやり方を技術的に更に昇華させる

パターンとディテールを詰め直し

しっかりとした型数をリリースする予定だ

生地もなかなか面白い物が揃ったし

刺繍やプリントも施す

かつて無い型数のシャツをスワッチに載せる

展示会ごとに何かしら変化を付けていかなくちゃいけない

ただ新しい『merph』を出すだけではなく

新しい価値を示さなくちゃいけない