lumberjack

“lumberjack shirt”

そう名付けた
“work shirt”

ってのは少し味気なくて

樵のシャツと名付けてみた

ポケットを配するために大きく裁断した前身頃

以前からずっとパーカで行なっているこの方法をシャツに移植しようと思っていた

当初それが全然しっくり来なくて

8年経ってようやく上手く出来たと思う

最初に思い描いたのはもっと無機質なデザインだったが

それとは異なり

作業服としての発想を盛り込んで創ってみてようやくこの曲線に納得出来た

最も悩んだのはこの曲線の始まりの位置

アームホールから始めるか

肩のヨークのから始めるか

結果ヨークの中央から始めて頷いた


そこからはいつもの僕なりのバランス崩し

作業服だけどクルミボタン

選んだ生地はロンドンストライプ

ブルーはストライプが5mm幅ほど

ブラックは2.5mm幅

共にその逆は全然気にいらなかった

パターンも改善した

シャツは表現する要素が限られる

だから着心地だったり生地だったり

物理的なスペックに重きを置く必要があると考えている

それが今までなかなか出来なくて悩んでいたが

これも8年かけてようやく出来る様になった


一年で最もシャツが輝く季節がもうすぐやって来る

今年はその季節にようやくmerphもとけ込めそうだ

すでにMR2016はサイズ切れが発生している

なので大急ぎで工場でシーリングを押してもらって

3月の中旬目処で追加を創っている

シャツを創るのがこんなに楽しいのは僕の洋服製作の歴史で初めての事

ちょっと試してみてほしい




ゴーストタウンに帰還

自分が黄色い星になったのかと思う程
体中に染み渡ったサッポロ黒ラベルは
ようやく昨夜3時に抜けた
ひさしぶりに二日酔いじゃない朝を迎えて
今日から事務所に籠り
再び4月の展示会に向けて岩山をよじ登る
素晴らしい成果の代償は予想通り腰回りの筋肉の崩壊と
予想以上に貯まりまくった事務仕事の処理
2月が28日しか無い事が憎らしい
恨み節をつぶやいても何も変わらない
だから良い事を考えようと思う
今回の合同展示会参加は正直打つ手が無くて
兎に角出てみようと思ったのが期待以上の成果につながった
何もやらずに文句を言っても
神様はもうすぐその存在を科学的に否定される時代が来てしまう様な危うい存在
祈って願っているだけではやはり自分の世界は変わらない
欲しかったら願うんじゃなくて動かなきゃいけない
信じるなら自分の想像を信じなきゃいけない
だから信じてみようと思う
8年かけて積み上げて来た自分の洋服創りと僕を取り巻く環境
いつか何かに追われる様な日々から脱して
助けてくれている人に恩を返せる日が来ると信じてみる
ビルが建つ様な成功は想像がつかないが
今僕が創っている洋服はもう少しだけ世の中に旅立って良いんじゃないかと
そう思う
それを邪魔していたのは世の中だの大きな力だの言う言い訳
実際のところそれだけの事を僕がやっていないだけの事
8年前
目玉に可燃性の体液をたぎらせて
何かあればすぐに目玉に火をつけて
そのギラギラした眼で毎日誰かを睨みつけ
まわりをずたぼろにして自分も血だらけになっていた
そこからちょっと疲れて自分の殻に閉じこもり
狭い世界で傷つかない様に生きて来た
でもちょっと懐かしくなって外の世界を覗きに行ったら
案外僕が思っていたほど辛い世界じゃなかったみたい
もう少し信じる人を増やしてみよう
そして今の自分に出来る新しい立ち振る舞いをしてみよう
間違ってなかった事はそのままで良いと思う
ただ最初から正解の無い事に白黒つけるのはやめてしまおう
4月
また知らぬ間に桜が咲いてすぐに散る
今年も花見などする暇も無く
東京のどこかで10日間
必死に自分の洋服の居場所を探してる

道玄坂

東京から戻った
3日間の合同展示会
代々木第一体育館で腰崩壊の立ち仕事

初日が沈黙に終わったが

2日目からは怒濤の名刺交換ラッシュ
merph_animaだけの発表だったにもかかわらず
merphにも取扱オファーをもらった
新規の取引オファーを沢山もらった事も嬉しかったけど
ちょっと嬉しい事があった
中日ファンの後輩武井咲を間近で見た
それも嬉しかったが僕をもっと喜ばしてくれたのは
品の良い白髪の男性
『間違いなく君がこの体育館で一番だ』
その人の正体は言えないが僕が浮かれるのに十分な人
それから次々と取引のオファーが舞い込んだ
自信がついたせいだろうか
ちゃんと創って来て
良かった
武井咲
可愛かった
それからもう一つ嬉しい事があった
僕の洋服創りの歴史に
ずっと関わり続けてる青年がまた1人新しく物語を始めた
渋谷のパルコの直ぐ近く
4階建てのビルを丸ごと自分たちの遊び場に仕立て上げた
南米の血を引くいつも陽気な彼がある夜酒を飲みながら
真剣に将来について話してくれたあの日から4年かな
本当に彼は約束通りの将来を現実にして
既に過去にし始めている
素敵な仲間に囲まれて大きな声で笑いながら生きていた
おめでとうDavid
僕も頑張るぞ
東京で手に入れたエネルギーを早速燃やして
次は4月の展示会に向けて走り出す
繰り返すこの大仕事がやがて新しいエネルギーの源になる
また4月東京で強者達とうまい酒が飲める様に
全力で洋服を創ろうと思う
関係各位
宜しくどうぞ

東京に行く前に
卸先で好調な作品を紹介
マーシャルパンツ
サイロスパンというストレッチの非常に効く生地を使い
パターンパーツが2つで構成されている設計図をアレンジして創ってみた
フロントの生地の目の方向がバイアスになるので
ストレッチがXの字方向に伸びる
これが想像以上にストレスを解消して
なんとも軽い着心地と動きやすさを手に入れた

バックサイド
裁断が無いために面構えも独特になる
シルウェットをお見せできる写真が手元に無いのが残念だ
なので
是非店頭でお試し頂きたい
屈伸運動も試してほしい
卸先からすぐに追加オーダーが来たのはこの品番だった
cassowaryはボトムの販売が弱い
はおそらく吉川の手抜きだと思う
試着に一番労力を費やすボトムの販売は難しい
今日も美しいチノスラックスとデニムのスラックスを納品して来た
そのスラックスは穿けばほとんどの人が購入する魔法のシルウェットをもっているのに
僕を信じてお試し頂きたい
宜しくどうぞ
それでは東京
行ってきます

日付が変わった
まだ
事務所にいる
週明けから参加する大きな合同展示会に向けて
資料の制作とどういうプレゼンをするか
ずっと机に向って考えている
今回はwomen’sだけなのだが
通常の展示会より2ヶ月早いこのタイミングの発表は
一工夫必要だと思う
ただ
サンプルは凄く良い
メルトンの3型はどれだけでも見つめていられる
ビールを飲んでやろうか
そう思う程だ
短い時間でよく出来た
工場に感謝だ
もうすぐ1時になる
そろそろ帰ろうかとさっき外を見て驚いた
雪が積もっているじゃない
金曜日の夜
北山とはいえ少しは人の声が聞こえるものだが
やけに静かだと思ったらそういことだった
明日は展示会に向けて荷物を出して
今日届いたカーディガンをcassowaryに納品しに行かなきゃ
人手が足りないけど
やるしかない

入荷前から問い合わせが多かったこのシャツ

やはり店頭在庫が早くも乾き始めた

size1と3が強風前の灯火

今日明日にも消えてしまいそうだ

美しくなったパターンにちょっとしたアクセント

それだけでシャツは劇的に変わるんだなあ

今まで苦手にして来た理由はやはりその基本的な技術の問題だったと思う

シャツが良くなった事で春のコーディネート組みが俄然楽になって来た

ストライプやボーダーを多用した2013年春夏

2月に入ってまた少し冷え込んで来てしまったが

この寒波の向こうに待ち構える春の陽気に

今からしっかりと準備をして待ち構える

そう言う話をしながらも

昨日は事務所に大量の秋冬サンプルが届いた

今回は突然大きな国際展示会にwomen’sのみで参加する事になったので

年末から怒濤のサンプル制作作業に入っていた

2013年秋冬のmerph_animaの2/3を完成させて

来週の火曜日からその展示会に参加する

実に7年ぶりの大きな展示会参加

merphは今後大きく卸を拡大する作業はせず

小売をしっかりやって行く予定でいるが

merph_animaに関しては卸先が3軒なので

ここは頑張って開拓しないといけない

そのための良いきっかけが見つかる事を期待して

来週3日間の立ち仕事をこなして来る



気持ちの良いロングパイルで真っ赤なパーカを創った

なかなか

不評

一部で

好評

そうは受け入れられる物じゃないのはわかっていた

オーダーなんか普通ならVOID(生産中止)させる量しかついていない

だけど

絶対に創ると最初から決めていたので創ってやった

見事にまだ1着も売れない

それでも胸を張ってこいつを店頭に飾ってやる


この形のパーカをずっとリリースしているのにはいくつもの理由がある

一番の理由は

僕が創り出した洋服の中で最も完成したと思える一つだから

それから

やはり便利でお客さんからの支持も高いから

そして

これが僕にとって最も大事にしている小さな理由

このデザインに僕の8年が支えられて来たから

当初年間に1,000着近くリリースしていた時もある

今はせいぜい年間2〜300着

一線で活躍していたスポーツ選手に例えれば

もう潮時だろう

そう言われる事も多くなって来た

でも僕はこの品番をやめる事は無い

一時はこれにしかオーダーをつけない卸先に苛立ち

創るのやめてやろうかと思った事もある

今は逆にやめる気がまったくない

メンテナンスをして少しでも昨シーズンより技術的な進歩をさせて

晴れの舞台にメンバー入りさせていく

この辺も長く続けているスポーツ選手に似ている

いわば

我が社の山本昌

まだまだ今年もローテーションを守り続ける


数年前に

爆発的にショートトレンチが売れた事があった

当時の力で最大限やったそのコートも

8年やって来た今

それを見直すと荒削りで理屈が追いついていないものだった

もちろんあの当時はそれが限界だったし

今とは思考も嗜好も志向も違う

それをふまえて

同じ登場人物で新しいストーリーを描き上げてみた


仕上がりは僕の思い描いていた通りになった

購入するつもりだったが

既にsize3の在庫が2着となったのでやめておく


merphの開始とともに

これまでの製作の『後悔』に立ち向かってみた

あのときのあの品番

今ならもっと思い通りに出来る

そう思って挑戦した品番がいくつかある

このMR1031はその筆頭

8年間に払って来た代償に見合う表現力はついたかな


思う
no:MR1031
C/# beige
size:1,2,3
price:¥40,950(inc.TAX)

2月2日
ご来場頂いた皆様
そして
この日を作り上げてくれた音楽家と料理人
本当に有り難う
東京 金沢 名古屋 
そして韓国
遠くからも祝いに駆けつけてくれた
本当に有り難う
8年
そりゃそれだけ続ければ
色んな人と関わり
色んな出来事が起きる
良い出会いばかりじゃないし
良い出来事ばかりじゃない
でも
こんな集いを開けば
あれだけの人が集まってくれる
辛い事や敵を睨みつけるんじゃなくて
味方がいる事に誇りを持とう
そう
思う
次はとりあえず10年をしっかり迎える事を考える
1年はあっという間に過ぎて行く
大事にしっかりはっきりくっきりと
毎日を踏みしめて
2015年2月2日
また
一日中会場を走り回り
汗をかきながら
旨い物と音楽と
大量の酒と素晴らしい仲間に囲まれながら
次の日に二日酔いと筋肉痛で廃人になる覚悟を決めて
今日から再び前に進む
改めて8年間の好意に感謝
そして9年目からの“いよいよ”の発展を約束して
もう一度
有り難う
そして
宜しくどうぞ

さて
いよいよ明日は僕自身が一番待っていた大宴会
8周年の記念祭
準備は万端
明日
足りないオレンジジュースやホワイトラムを買い込めば
思い描いた材料は全てそろう
急遽製作した記念Tシャツ
“octo”
こちらも大好評
明日会場で販売開始
明日だけ特別価格
ちなみにこちらがDARK GREEN
カーキとは言えない深いグリーン
気に入っている
沢山のご予約に感謝
一応
当日枠を20名程持てそうなので
急遽都合が付いた方もお気軽にご参加頂きたい
ライブも料理もいろいろ考えてくれているみたいだし
もの凄く楽しい宴になりそう
9年目の始まりを素晴らしい一日にしたいと
そう思っている
皆様のご来場を心より歓迎致します
それでは明日
彼の地でお会いしましょう