merph season10 制作開始

2015AWの作品もほぼ入荷完了
あとはスヌードだけ
昨年末制作を開始した渾身のコレクション
気合は作品に乗り移ってくれたと思う
何しろ
自分自身の購入品番の多さにそれを感じる
今シーズン
コートは2つ
シャツは2つ
パンツは4本
次から次へと自宅のクローゼットへ在庫をさらって帰った
良いシーズンになったと思う

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そうなると否応なしに
来年の秋冬の制作に自ずとプレッシャーがかかる
新型を含め
現在机の上ではすでにコートが12型も企画されている
それを基準に
シャツやパンツにカットソーを考える
とにかくかっこいい洋服を創りたい
着て街を歩くだけで気分が良くなるような
何か高揚感が得られる服
よくできたシーズンの作品に囲まれて
気分が良くなっているうちに
熱い鉄を打って鍛える
良いシーズンとは言え
不満もある
そこを解決して自分の力にして
さらに新しいmerphの制作にも反映させる
現状に満足したらそこが終着駅
まだまだ延々と曲がりくねった線路を走っていく予定

京都会議

毎日ただ会社へ向かうだけで
これだけ良い風景を拝める
京都には苦しめられもしたが
悪い奴はどこにでもいるんだし
別に京都のせいじゃない
この美しい風景と
そのおかげで穏やかな気分が手に入ることに
素直に感謝しなくちゃいけない

今宵はmerph京都会議
京都神戸両店舗のスタッフで
春夏の新作に関するミーティングと
秋冬の前半戦の課題を報告し今後の対策を練る
笑いが止まらないスタートとは言えないが
これまで色々と試みた協業に比べたら
初めての成功と言っていい結果
これからの発展も望める状況
ここで気を抜かず
さらに都合の悪いことに蓋をせず
しっかりと現実を見つめながら野望を貫きたい
ので
本日は7時に店を閉めて
旨い料理と酒とともに会議
ご来店予定の方
ご容赦を

そうだ、京都に住んでいた

全国の皆さんが
『そうだ、京都へ行こう!』
そう言って目指す名所の真ん中に僕は住んでいます
自慢です
我が家から北へ行けば銀閣寺
哲学の道を下れば法然院に安楽寺
見上げれば大文字山
永観堂は徒歩3分
南禅寺も10分
もうすぐ紅葉の極楽と化す真如堂へは信号を一つ渡るだけ
西へ15分歩けば岡崎
平安神宮に京都美術館

恵まれた場所なのにほぼ全部行ったことがないんです
昨日から来年の秋冬の制作を始めたので
この深まりゆく秋を全身で感じてみようと思います
とは言ったものの
あまりそれを制作につなげる器用な脳みそではないのですが
心の衛生管理には重要な行動にはなると思うので
平日の昼下がり
しばらくは近所の散策をしてみます

秋の深まる京都
我らmerphのカタパルト
cassowaryにはようやくパンツ群が届きました
遅れてもうしわけありません
ただ
時期としてはグッドタイミング
僕も早速2本ワードローブへ
いよいよ
全身が秋冬装備。
さあ
もうすぐコートの出番
楽しくなってきました
皆さんはどれを着ますか?

秋天の『光と影』

展示会にやってきたその友人は
しばらく会わないうちに随分髪の毛が伸びていた
少し野性味が増したような気もしたが
相変わらず穏やかな優しい声でいつものように再会を喜んでくれた
洋服を見ながら彼が言い出したのは
翌週末に迫った豊洲での野外ライブ出演の件
藤井フミヤに佐野元春
そんな大御所と同じステージに立つことになったし
久しぶりにmerphを着てライブをしたいと
これまでも幾度となく様々なライブで衣装を担当してきた
久しぶりにいっちょ決めてやろう
そう思い
早速京都にコーディネートに必要なアイテムの確保を伝えた

そして昨日
いよいよその本番
素晴らしき秋天
海風がそよぐ絶好のPolaris日和
SEが鳴り響いて彼がステージに登場した
ベージュのグラデーションで決めた彼がギターを担ぎ
弾き始めたのは『光と影』
乾いたDM7のアルペジオが空を突き抜けていく
思わずにやついてしまった

今から15年ほど前
ラジオのプロデューサーやってた友人に教えて貰ったバンド
CD聴いて一発で虜になったその彼と
縁あって10年前から酒を飲むようになり
昨日素晴らしいライブに僕も衣装として参加できた

展示会を終えて
疲れがたまり
何年ぶりかに10時間も眠り込んでいたけど
40分間浮かんでるようなPolarisのライブのおかげで
今日から新しい仕事を始められそうだ
展示会はやはりそう甘くはなかった
おかげでこれからやるべきことに迷いがなくなった
今日から次のデザインを描き始める
行き詰まったら『光と影』を聴いて空を見る
それできっと筆は走り出す
さあ
リフレッシュ完了
merphのdesignerエンジン起動

伏兵の一撃

オリジナルカモフラージュを製作し
その生地のためにデザインしたフィールフドコート
“fixerhunter”
納得の面構えで仕上がった
でもこの迷彩だけでは満足できないので
無地も製作しようと思ったが
ちょっとその無地を吉川に企画させてみようと
秋冬の尾州の生地スワッチを全て渡して
アドバイスもなく選ばせてみた
どうせカーキの無地や黒を選択すると思っていた
しかし
あいつの頭の中は当たり前が通用しない
それは仕事においても
私生活においても
それを忘れていた
選んだのまさかの冷たい杢グレイ
バカにする準備しかしていなかった僕は黙り込んだ
文句無しの一発採用
そしてその売り上げは
僕のオリジナルカモフラージュと肩を並べている
どころか
ちょっとリードしている

よくなぜあれだけ遅刻をし続け
前代未聞の大失態を乱発し
会社に泥を塗るやつをそばに置き続けている理由を聞かれるが
正直僕にもはっきりは言えない
でも
この得体の知れない生き物は
時々
2、3年に一度だけ
僕の大脳新皮質をスルーして海馬に衝撃を走らせる
もしかすると普段の悪行悪態はその衝撃のための布石なのかもしれない
穏やかで刺激の少ない京都の生活に
案外スパイスとして僕は彼に価値を見出しているのだろうか

長く吉川を知る方々
彼が企画した今年のフィールドコートβ
一度ご賞味あれ
これは悪くないそう思います
僕からもおすすめします

予約の返事

京都に帰ってきた
しかしまたすぐに東京に戻らないといけない
今週は中目黒に一泊の予定だったけど
ちょっと大事な友人が衣装の依頼をくれたので
仕事がてらにその晴れ舞台を拝見してこようと思う

しかし久しぶりの京都
寒い
東京が昼間夏のようだったから
そのままの格好で戻ってホームを降りたらぞくっと震えがきた
品川で今夜は早く眠ろうと誓ったのに
乗り込んだタクシーの運転手に思わず
『六角衣棚』(ろっかくころものたな)と伝えてしまった
タクシーから福松に予約のメールを送ったら
『今宵マサキ(店主)、乱れます』と返信が来た
答えは店の暖簾をくぐればわかる

いつもと変わらず賑わう福松のカウンター
僕が通された席は
右に店主の古い友人とその友人の酒豪の九州美女
左に僕の留守中cassowaryで大量にmerphをご購入いただいた
イギリス人のご家族4人
これを店主は必然と言いほくそ笑む

右の二人相当の手練れ
特に宮崎生まれの美女のビールの飲みっぷり
惚れ惚れするハイペース
黒ラベルのケルベロスとして隣のヴァルキューレに負けまいと
いつものストロングスタイル(泡なし)の生ビールを流し込むも
その向こうの店主の旧友から援護射撃
差し出される山廃仕込の不老泉を乾杯とともに一息に飲み干す
おかげさまで到着15分にして
核融合が始まり体の中に太陽が出来上がった
寂しい京都駅のホームで感じた木枯らし一号と
東京ホテル生活の疲れを
あっという間に忘れさせてくれる楽しい夕食が始まった

右にいたイギリス人ご一家の奥様ジュリアさん
僕のことをMr.merphと呼び
二日にわたりご来店いただき
9着もご家族でご購入
そのお礼に吉川君が夕食の予約を手配したらしい
幸いものすごく福松の料理が気にいったようで
旦那様と息子さん二人であらゆる料理を頼み
全て綺麗に平らげていた
旦那様にもお褒めのお言葉を頂戴してご満悦のMr.merph
順調に京都の夜も飲みすぎた

さて京都に帰っても遊んでいるわけにはいかない
今回は京都滞在2日間
この間にさまざまな事務作業を整えて
再び水曜日のぞみに乗り込んで東京に向かう
最後の商談をこなしたら
僕の帰還を待たず先にmerphのサンプルがcassowaryへたどり着く
京都のmerphmaniaの皆様
cassowaryに巣食うあの男からのお誘いが届くかと思うので
お時間の許す方はちょっと新作ご覧くださいませ
久しぶりに色々な人にmerphを見てもらって
少し自分のことがわかってきた
ようやくうまくmerphと僕のことを説明できるかもしれない
それはまたもう少しあとで
ここに書こうと思うので
今宵はこの辺で
良い十末を

 

 

鮫鮫鮫

東京にいる間
先日の書いたナーダともう一軒必ず行く店がある
前に勤めていた事務所の近くの焼き鳥屋
焼き鳥ももちろんうまいが
この店のサイドメニューはどれもめちゃくちゃうまい

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しかし
実はメニューブックとその日のおすすめボード以外に
常連しか知らない秘密のメニューがある
それはいくつもあるそうだが
僕が知る中で最もうまいのは
『サメのステーキ』
カジキに似ているがもっとしっとり柔らかく味もコクがある
それにたっぷりとおろしポン酢をかけていただく
サメは足が速い
だからなかなか仕入れのリスクが伴いメニューには載せられない
今週は僕が一週間近くのホテルに滞在し
一日置きに来店しているので
大将が仕入れていてくれた
10年ぶりに食した海のハンター
やはりうまかった

東京はなれて12年
今でも覚えていてくれる店があって
そこに苦しかったことや楽しかったことを思い出すうまいものがあって
お前は何しに東京に行ってんだと言われそうだけど
毎度
やはり酒飲んでうまいもの食って
じっくり話をしたい仲間がいて
これも自分自身に取って大事な出張の目的
しかし仕事もちゃんとしてこそ
今日と明日は関係者の内覧会
今週は後二日
バッチリ仕事してまた一旦京都で一休み
外は快晴
今夜もうまいもの食って気持ち良く酔えるように
18時までは鮫(ハンター)になる

青葉台で見る夢

東京より
体力が限界に達し
昨夜は恒例の道玄坂『麗郷』で名物フルオーダーにて英気を養った
腸詰、しじみの酒蒸し、焼きビーフンが有名で毎回食べているけど
前回発見したこの細切り豚肉のあんかけ焼きそばが
最近のBest
たらふく食して早々にホテルで奈落に堕ちた

今回宿泊が運良く非常に広い部屋となり
洗濯機もあるし快適に過ごしている
場所も我がルーツ中目黒の青葉台
会場の並木橋や渋谷で飲んだ後
懐かしい街並みを散歩しながらホテルに戻っている
楽しさと若い頃へのちょっとした嫉妬
じわりと心にしみる寂しい気持ち
こういう場所があるのはなかなか良い

展示会の首尾はといえば
非常に良い
もちろん僕自身もエージェントももっともっと目指すところは上にあるが
これまでの暗黒時代を思えば
雲泥の差がある
言い換えれば
これまでいかに手を抜いてきたかということだ
長年営業のプロとしてやってきたエージェントKにとってみれば
このくらいの結果は当たり前だと言われる始末
ならば
僕はこれからやっていくことは明らかで
すぐさまそれに取りかかるべきだということ
休んだりサボったり
忙しいふりしてきたけど
実は随分僕はのんびりやってきたんだと反省した

昨夜の早寝のおかげで日の出前に目が覚めた
一階まで無料のコーヒーを取りに行って
展示会までに一仕事
先ずは春夏の修正点のまとめ
その後発注の準備
オーダーが集結したら数だして
即刻関係各所に通達
11月の2週目には2016年の秋冬のデザインを全て描き上げる
11月下旬にはパターンの製作に入る
やる気は熱いうちに行動へと変換しないといけない
merphの黄金期はこれからきっとやってくる
『想像できることは全て実現可能である』by モーガンフリーマン先生

ナーダとダーナ

明日から再び東京
今週は非常に忙しくなる
平日のバイヤー様のご来場から
週末はSanctum関係者や僕の古い友人の来訪がある
毎度、ちょっとした同窓会になる

そんな東京生活中
いつもお世話になっているのが
親戚の姉ちゃんみたいに面倒見てくれる先輩
陽子さん和食ラウンジ『ナーダ』
板さんは弟のてっちゃん
写真の名物メンチカツで飲む黒ラベルは絶品
お造りもうまいし焼き魚も最高
そして先日いただいた
豚肉の煮込み(写真はピンボケのため割愛)
塩で煮込まれた豚肉はトロトロ
そしてスープはそのままラーメンスープになるほど旨みたっぷり

たらふくうまいものを食わせてもらってる
長丁場が続く東京出張
気心知れてうまいものが食える店があるのはなんとも心強い

陽子さんとは京都の友人のホームパーティーで出会ったのだが
実は洋服業界でずっと働いていて
それも僕が東京で師匠と仰いぎ夜な夜な酒場のお供をしたあの先輩の元部下
つまり
姉弟子ということになる
世界はどんなに広かろうとも
波長は縁を引き寄せるもの
そのおかげで離れて10数年経つ東京に
全くアウェイ感を感じない

というわけで
今週も行ってまいります

品川発15:27

今週も週末だけ京都に帰還
さすがに疲れが溜まり始めている
今日は事務仕事を終えてからソファで果てた
しっかり疲れを取って
来週も三度東京へ
次は5泊6日の長丁場
この時期の東京は展示会でホテルを取るのも一苦労
結果、毎日違うホテルに宿泊する羽目になった
交通費もばかにならない
これだけの投資をしっかり取り返せる結果を
なんとか手にして帰りたい

きつい東京京都の往復生活の中で
楽しみにしているのが夕焼けだ
日が短くなってきたことが頭に入っていなかったから
先週は品川出たらすぐ落日
今週はしっかり計算し
三河の平原で夕日を見れるように
15:27品川発ののぞみに乗車
一時間ほどの日が暮れ行く風景を見ながら
好きな曲をひたすら聴きながら
余分なことを考えずに名古屋までの絶景を楽しいんだ

さあ
来週は最多アポイントの週だとエージェントから聞いている
宿泊は中目黒
僕のルーツの街
毎朝
昔働いていた事務所の前を通り
代官山へ坂を上り
八幡通を並木橋へ向かう
来週は酒を控えて毎朝歩いてみようと思う