鹿ヶ谷Sanctum

スワッチ製作中

三連休最後の昼下がり

昼食はタンドリーチキンサンド

音楽を聴きながら目をしぼしぼさせてモニターを覗き込んでます

『若者のすべて』がかかったとき

仕事を放り出してどこかへいきたくなりましたが

不惑の私は我慢を覚えたところです

なんとかアーロンチェアから腰を上げずに解像度の調整を続けています



新事務所に越して一ヶ月

まだまだ未開の地鹿ヶ谷

不思議な左折禁止や侵入禁止のオンパレード

なので

昼飯を食う店を探しがてら少し散歩してみた

いつも車で行けない道をまっすぐ行ってみると

なんと

永観堂発見

言わずと知れた紅葉の名所

そこへなんと我が家から徒歩3分

『そうだ、京都へ行こう』と思っている方々

すみません

そのほかにも

法然院

南禅寺

銀閣寺

歩いているうちになんと平安神宮

今更ながら何ともすばらしい場所に引っ越したものです

交通の便が多少悪いものの

街から隔離され仕事に集中するしかない環境であります

おかげでスワッチは既に完成し

ただいま素材の紺率が100%を超えていないかをチェックしています

この調子で展示会の資料制作を早々とすませて

営業活動に専念しようと思います





代償

そうですか

三連休ですか

月曜日に工場に直接持ち込もうと思っていたのに

これでまた日程がのびる



焦りとは裏腹に

気候は何とも穏やかで清々しい

大嫌いな夏が終わってくれた安心感と

秋への漠然とした期待感で

なんとか展示会への絶望感をごまかしている


店頭のお話をすこし

先日レイアウトをかえて

ゆったりとした美しい空間が少しだけ復活

しかし

工夫をして作り出したストック置き場を

新たな入荷があっという間に消していきます

これからコートやジャケットがあがってくる

店を広く美しく保ちたい

だからストックを広げたくない

かといってストックをケチると店が汚くなる

頭が痛い




興奮afternoon

届きました

merph 2015 spring & summer のサンプルたち

すばらしいと思います

2104 spring & summer がパーソナルレコードだったのですが

このコレクションはそれを超えます

あくまでも

自身の感覚的な評価ですが

時々あるサンプルを見たとたんに血の気がサッと引くあの感覚が

今の所どのサンプルからも感じません

これは良い兆し

どなたかの意向に添って作るのではなく

己の欲望のままに創る制作において

まず創っている本人が自分の創った物に興奮出来なきゃだめです

今回のサンプルはつま先から脳天までゆっくりと

鳥肌がドミノ倒しのようにかけあがりました

11月の連休あたり

またここを語らにただいている顧客様にもご覧いただく機会を設けます

ご期待ください



ようやくエンジン点火

微動だにしなかった筆が

一気に滑らかになった

1時間で12型を清書

このペースでいけば計算上あと三時間ですべての得型が書き上がる

ところがそうはいかないのが人生

こんな日に限って

福松に続き

もう一つ大事な店の大将が大きな病に打ち勝ち

新しく

その上スケールアップした素敵な店舗を創り上げ

今宵から営業再開したり

自宅にはここ最近の周年などのおかげで

お祝いやらお祝い返しやらで

冷蔵庫に史上最多本数の黒ラベルが冷えていたり

なにより

完全に夏という精神を蝕むウイルスが

秋というなのワクチンに完全に駆逐され

地球レベルで酒場へと誘う9月12日

さあどうするか

さあどうしたものか

悩ましい昼下がり


先ほど所用で車を走らせ西へ向かったが

もう女性はブーツを装備していらっしゃった

素材も色目も秋

男性はやはりまだTシャツの人が多いか

かく言う私自身がサンダルで出かけていた

職業上これはまずいので明日からはちゃんとする



昨日

この世の物質の中で一番質量が多いと言われる

吉川の腰がようやくあがり

新作にあふれる店頭のレイアウトを変更

148%僕の指示によるものだが

言われてもやらない男が動いただけでも

奇跡と喜ぶしかない


9月

いろいろなエンジンがようやくかかり始めた

ここからギアを最短であげて

最高速にてホームストレートを走り抜ける

多方面からのプレッシャーにも負けない

部下のテロ攻撃にも負けない

二日酔いのバイオテロにも負けない

全力中年

ここにあり



911

あの日は予定も無く

原宿のショールームからまっすぐ家路についた

冷蔵庫の食材も豊富だったので

甲州街道のやまやにも

不動商店街のスーパーにもよらず

マンションの一階のローソンで明日の朝食のパンだけかって8階の部屋へ上がった

冷蔵庫の中にあったビールをグラスにそそいで

晩飯を作りながらテレビを見ていた

たしか

中井貴一主演のドラマだった

やんちゃな人気カメラマン役が違和感満点で良く覚えている

出来上がった夕食をダイニングテーブルに置いて

二本目のビールを開けて飲みだした時だったと思う

ドラマが突如切り替わった

一瞬煙突かと思ったが

すぐに双頭のビルだと脳味噌が認識を修正した

暫く声も無く映像だけだったところにアナウンスがようやく入る

『ワールドトレードセンターに旅客機が衝突した模様です』

弟の誕生日を岐阜の爺さんの家で祝っていたあの8月12日を思い出した

すぐに当時一番一緒にいたスタイリストへ電話

彼女もテレビを見ていた

『次は都庁じゃないの?あんたんちかするんじゃない?』
冗談ではなく本気で心配になった

などと話しているところに

二機目の衝突

その瞬間を生で観てしまった

テロなんて想像もできない事

でもこれがそうだと学習した

僕の人生においてのテロの基準となった

それからずっとテレビを見続けた

救助の状況

ビルを見上げる人々

アラブ人に声を荒げる人

舞い散る書類

そのなかに紙とはまったく違うスピードで落ちる黒い影

最初分からなかった

それが人間だって事気がついて震えた

不謹慎だが

最初とんでもない事故に心がざわついた

でも次第にその浮ついた反応を反省した


事務所で昼食をとりながらオリヴァー・ストーン監督が描いた

『ワールド・トレード・センター』

を観ている

それであの日の事をちょっと思い出した




お手上げ

展示会が迫り来る

ほんとに

何度やっても学習せず

準備がギリギリまでかかる

デザインも出そろい

そろそろパターンも全て仕上るが

バイヤー様方にお渡しするスワッチに載せるデザイン画の清書がまるではかどらない

どなたかに助けて頂きたいが

こればかりは自分でやるしかない

今時パソコンでちょちょいとできるらしいが

どうしてもここは手描きに拘っている

だがしかし

今夜はなかなか乗って来ない
気が付けば観ようと思っていた

ワールドトレードセンターの映画が終わってしまっていた


外では秋の虫の鳴き声

先程まで遠い雷鳴を伴う雨が降っていた

濃いめに入れた珈琲のにおいがデスクに立ち籠めて

これ以上無い環境で取りかかったのだが

まったく駄目だった

こんな時は潔く諦めて黒ラベル

そしてさっさと眠って明日のアップデートを待つべし


エンジンのかからない僕とは逆に

我がcassowaryのギアはいよいよ3速に入った

現在のトップスコアラーは


あっという間に店頭在庫は後1各サイズ1着のみ

追加したいけど工場がパンク寸前との事

気になっている方々

お早めに








『中日ドラゴンズの選手になる』

小学三年の5月5日

明け方に亡くなったじいちゃんに誓った少年坂井の夢

人生で僕が抱いた夢は

後にも先にもそれだけだ
残念ながらその夢は

中学に進学し

野球部の部室をノックして

中でシンナー吸っているアホどもの所為ではかなく消えた

まあ

その程度のものだった


中学を卒業する頃にはもう夢などと言うものは抱かなくなった

夢に似てはいるが違うものだった

バンド

高校合格

京都での大学生活

そして

洋服の製作者

小学生の頃に抱いたものと何が違うのか

それは

全てが手段だって事

その行動によって得るものがあると言う事

中日ドラゴンズの選手になりたいと思ったあの気持とはまったく違う

これを世の中では成長という

…..

のでしょうか


僕は今なお

比較的子供の様な人生を生きている方だと思うけれども

自身の中で比較すると

やはり

ずいぶん大人のやり方に落ち着いてしまった

そんな夢を

僕らはかったながら

夢を諦めなかった青年達に委託する

酒を飲みながらテレビにかじりつく

仕事に遅刻する寝坊助が

朝六時に起きて試合を観戦する

緊張し震え上がり

一打に歓喜し一撃にうなだれる

拝啓

錦織圭様

素晴らしい興奮を有り難うございました

そして

更にこれからもっと贅沢な期待を抱かせてくれて

ありがとう

僕らは幸せです


サッカーだって

一昔前までワールドカップに出る事も出来なかった国

日本

ところが今日

世界中の有名クラブで日本人の青年達がレギュラーとして活躍する時代

誇らしい

夢を諦めたおじさんは

彼らのおかげで次の日の仕事に彼らの活躍を同期して

ちょっとだけ昨日までより誇りを持って汗をかける

さあ

頭の中でテーマ曲を流して

彼らの攻撃のモーションの様に美しく地味な仕事を決めてやりましょう

新しいステージ

山本昌の最年長勝利記録

山井が13年目にして始めての二桁勝利

そして

今朝

錦織圭

世界ランク1位のジョコビッチを圧倒して

日本人初のグランドスラム決勝進出

毎日興奮が続く

それにしても

みんなしぶとい

とっくに諦めて引退してる歳だし

中継ぎに回されてやがてトレードに出される状況だっただろうし

毎日5時間試合して

人間業じゃないパフォーマンスを続けたり

見ていて興奮すると同時に

あまりにもなにもかも簡単に値を上げている己を恥じた

諦める人間は新しいステージには行けない

今日から心を入れ替えて仕事をする


まずは未だに片付かない引越の遺産に別れを告げる

ねじり鉢巻とテニス用のオースティンをはいて

陽が落ちるまでに美しい事務所を掘り起こす

日曜日だけど

日曜日だからこそ

やる


人間国宝

今からはるばる22年前

高校の帰り道のコンビニエンスストア

雑誌コーナーで成人向けの雑誌を立ち読みする白いジャージの大男

背中はまさに壁

5センチ程しか慎重はかわらないのに

まるで違う生き物のようだった


その大男

今年49歳

なんと

まだ現役プロ野球選手

その上

先発投手

投げる度に伝説成立

そして

遂に一昨日

勝利投手となった

史上最年長勝利投手

その名を山本昌

低迷する中日ドラゴンズに差し込んだ光

優勝争いどころか

最下位すらあり得る中

ひさしぶりにテレビの前で手に汗を握って試合を観戦した

お祝いの黒ラベルは格別だった


この快挙を成し遂げた大男

入団当時使い物にならんと見捨てられていたそうだ

でかい体から投げ下ろすストレートは130キロ代

がに股の不格好なフォームはコーチ陣を悩ませた

アメリカ修行に行った際も

トラックの運転手になれと馬鹿にされたらしい

ルーキーイヤーから活躍する天才達が

15年で得る勝ち星を

倍の年数かけて積み上げてみせた

人より時間がかかるなら

人の倍長く働いてみせる

渋い


僕も天才肌ではないし
こういう男になりたいものです







毎日雷雨

雨音で目が覚めた

昼当たりに晴れたと思ったら

また雨が降り出す

そのうち雷がなり

雨音がドタバタと音量を上げ

日暮れ前に真っ暗になった


一昨日もそんな感じだったし

その前もそうだった様な

八月の半ばから

毎日そんな感じではないか?


秋の歩みが早まったのも

この連日の雨の所為だと思うが

少し不気味である

夏のノイズが冷えきったら

さらりと晴れて頂きたい



もうそう言っていいと思う

今日この頃

私は朝起きて寝るまで

ずっと春夏の展示会に向けてのあれやこれやに縛られて

一歩も事務所を出る事が出来ない

仕込んでおいた生地をどれに使うか

昨日の決断は一晩眠って勇み足に変わっている

そんな繰り返しをずっとこの2ヶ月繰り返して

ようやく先程何とか納得のいくフォーメーションに落ちついた

それにしても

何度もやってるのに

学習もなく改善もない制作活動

誰かの助けがいる


春満開の事務所

それに対して

cassowaryは秋が深まっている

どんどん届く新作のニット&カットソー達

順調

既にカットソーのあがりは後数型残すのみ

もうすぐいよいよコート類の納品が始まる

やはり

秋冬のmerphである