主演 吉川薫

4日間の展示会が終了

今回も沢山のご来場に感謝

写真は最終日の風景

展示会の風景には到底見えない

それは下記の理由故


今回

会場がレンタルレストランだったので

それを活かさない手は無いと

初日の9日はベトナム料理店フォーンヴィエットが

わざわざ京都からカセットコンロと専用鍋を持って

大人気のかに味噌トマトホルモン鍋を披露

洋服の並ぶ会場に立ち籠める異国のスープの香り

今回初参戦の吉川も昼間の仕事の質の悪さを忘れ

まるで大活躍したかの様な顔で鍋を食っていた

少し腹が立ったので
吉川に長い髪をトイレで結んで来いと指示し

同テーブルの卸先様と友人を口止めした上

激辛唐辛子ペーストをスプーン3杯投入

リアクションは10点中マイナス3万点だった

2日目は卸先様と

わたくしがイタリアンを製作し

あらゆる角度から共同で吉川を説教

猫背で話を聞く彼を何度も注意したが

12秒猫背をただすもののすぐに元通り

何度注意しても知らぬ間に元通り

さすが『低反発素材』の異名を持つ男

ちなみに

20数回あったワインを注ぐチャンスの内

彼がものにしたのは2回だった


3日目

最終の新幹線で帰る吉川に最後の活躍を期待するも

お客さんに頭を下げさせてマフラーの試着をさせるなど

暴挙を連発

始発で帰らせるべきだった

ただ

ようやくお荷物から解放されたこの日

始めて東京の友人の店で夕食を楽しめた


4日目

朝から会場が清々しいと思ったら

そう言えば吉川がいなかった

この日は金曜日と言う事もあり

来場者は友人ばかり

差し入れがどんどん届く会場に

響き渡る包丁の音と出汁の香り

この日は福松が一日限りの福松東京を開店

その風景が冒頭の写真

洋服の展示会に料理人を連れて来る新しい協業

これ気に入った

でも

会場が限られるし今回の様な特別な場所がまた見つかるとも限らない

それに体力は相当必要

1人ではしんどい

吉川君のほぼ垂直な急成長を期待する


実は今回

渋谷でも有名な幽霊が出るといわれるホテルに吉川を泊めた

わたくしが以前泊まった時も

夜中に勝手にトイレが流れた超一流の怪奇ホテル

しかし

そこはさすがに吉川薫

『良く眠れました!素敵なホテルですね!』

おそらく幽霊が今頃こう言っている

『2〜3日酷い人間に憑かれて大変だったわ』

新手の霊媒師 吉川薫

あなたの後の憑き物に取り憑きます


今回の展示会

終わってみれば吉川の独壇場だった

悪い意味のみで

ただ

それを温かく見守ってくれる卸先さんと友人に感謝しなくちゃいけない

そう思った

そしてあのデストロイヤーに日々懲りずにcassowaryに通って頂く顧客様に

一度面と向って謝罪と感謝を伝えないといけない

今年の内覧会はしっかりとそれをする時間を取ろうと思う

どうぞ

これからも懲りずに我々を宜しくお願いします


ちなみに


吉川から寝坊したとメールが来た

cassowaryの出勤時間は11:30

11:30に目が覚めた彼に

誰か量子テレポーテーション装置を貸してやってください








初陣

明日から東京で展示会

卸先殿

ならびに

関係各位

ご来場お待ち申し上げます


期間中

北山はお休みさせて頂きます

cassowaryはもちろん休み無く

新人

といえどもう半年以上経ちますが

千葉亜希子が皆様のご来店をお待ちしております

そう

今回始めて吉川を展示会に連れて行きます

引越

撮影

周年祭

さまざまな大舞台で大遅刻や大失態を披露した彼

今回は一体なにをしでかすか

卸先様の中にも彼を知る方々がいらっしゃいますし

ご期待頂いて結構です

もちろん

わたくしも皆様に楽しんで頂ける様

しっかり小ネタを仕込んで参ります


そして

今回の秋冬

新型も数多く

merph_animaもしっかりと創り込んでおります

スタイリング写真を撮る時間こそ無くなってしまいましたが

サンプルもしっかり間に合いました

今日はこれから出荷やスワッチ作りに精を出します

良い展示会になる様に

うまい酒が飲める様に

最後の準備に取りかかります

なじみの皆様

どうぞお時間ございましたら

初陣前の吉川店長に励ましのお言葉をお願いします

『だめでももともと』

これが枕詞です

よろしくどうぞ

北山スタジオ

赤いギター

Epiphoneのカジノ

試し撮りしてみた

北山の事務所は緑の絨毯に白い壁

赤いギターは良く映える


24歳の春

東京での生活が始まり

最初の休日だったかな

南青山で大学の同級生達と待ち合わせをしていた時の事

背の高いお姉様が膝丈のプリーツスカートに

トラディショナルなモータージャケットを纏い

颯爽と246を右折して行った

釘付けになった

animaを始めてからずっとあのお姉さんの再現を夢見て来た

まだプリーツスカートはトライできていないが

遂にこのモータージャケットは完成した

僕なりのアレンジはスタンドカラーではなく

ステンカラーにしてみたところ

生地は麻のシャンブレー

爽やかな春のジャケット完成

嫉妬嵐

嫉妬深い春の嵐が浮ついたうす桃色の花びらをちらしにやって来た

ただヤフーの天気予報が騒ぐ程のものでは

いまのところない

その花吹雪の中を車を飛ばし

2013autumn&winterのサンプルを

写真家吉川先生の待つcassowaryへ配送して来た

昨夜運んでおいた分と今朝運んだ分を

自慢の右腕でシャッターを切りまくっている頃だと思う

桜と新緑の主役交代のまっただ中に

僕らも次の主役のプレゼンの準備を進めている


展示会が終わって京都に戻る頃

この毛細血管の様な不気味な枝にも奇麗な若葉が鬱蒼と繁るはず

僕らのオーダーシートもそうである様に

まだまだやる事があるから後4日しっかりと眉間に皺を寄せて暮らす


配送を終えて事務所に帰って来たと同時に

また新たにサンプルが届いた

タイミングが良いのか悪いのか良く分からない黒猫さん

確かに午前中着だが10:30に持って来てくれれば

一緒に吉川先生に渡せたのに

そんな愚痴を心の中でつぶやきながら

大きな段ボール箱を開けてみた

!!!

いいぞ

いいじゃないか

素晴らしいコートが出来てるじゃないか

まさに僕のコート

僕が創ったとすぐに分かるコートが出来上がった

思わず昼飯時にパターンナーに電話をしてしまった

カラーバリエーションではなく

2種類の生地で製作した新型フィールドコート

大正解

大成功

大満足

卸先様展示会ご期待あれ

cassowaryのお客様今月末に企画する内覧会にご期待あれ

やっぱり僕はコートが得意だ

今年は新型沢山創ったし

皆さんに見てもらうのが今から楽しみだ


桜から若葉に変わり

若葉が真緑になる頃

生地が工場に届けられ

山が黄色くなる頃に

自慢のコートが店に並ぶ

いいぞ

いいぞ


朝日のちから

北山に引っ越してから朝が早くなった

だいたい7時には目が覚める

極寒だった北山の冬

さすがに動き出しが鈍かったが

春の到来とともに虫の様に活発に動いている

朝日の力は凄い

理由もなくやる気が出る

だから多少二日酔いがきつくとも

睡眠時間が3時間以下であろうとも

何とか午前10時までの朝日を浴びる用にし始めた

まだ静かな北山で

用水路のせせらぎとpolarisの『檸檬』をききながら飲む珈琲は旨い

4月5日

今日もそんなスタートを切った


ところで

最近

吉川の撮る写真がずいぶん奇麗になったと

うかつにもそう思ってしまった

このところ秋冬のサンプルの撮影に苦労していて

ちらっとwebshopの写真を見てみたら

断然僕の写真より奇麗だった

悔しいが認めるしかない

『大器晩成』

その言葉を信じて毎日様々な指示をして来たが

褒めてやれる場所が見つかった

3年経って3日分の進歩

多分うちの吉川君は金星出身だ

(金星の自転=243日)


お時間ございましたら巨匠の写真をご覧くださいませ

赤い双星

福松でゆっくり赤星を飲みたい気分だ

ひっきりなしに押し寄せるあれやこれや

展示会前の鳴門の中に深く深く吸い込まれている
サンプルの上がりもギリギリいっぱい

今回着工が早かったのにいつも以上に危うかった

その分よい物が上がってくれると良いのだが


追われているのは展示会の仕事だけじゃない

毎日の様に新作が袖を半分にしてやって来る

検品して伝票作って出荷して

cassowaryの分仕分けして

気が付くと夕方

デザインして生産して展示会して納品して販売して

頭の中まで糸くずだらけ
ビール飲みながら弱い中日を応援するのが最近の息抜きだ

今宵も老人が暴走してベンチ入りした投手全員使って

左ピッチャーに左バッター代打に送り

絶好調の谷繁にチャンスで送りバントさせるんだ

なんだか今年は辛い一年になりそうだ

せめて展示会が大盛況に終わる事を祈る

取引先様

新しくお声掛けした皆様

どうか宮益坂の上までのぼって来てくださいませ

merphの新作をずらりと並べ

厨房から皆様のお越しをお待ちしております

(今回の展示会場はレンタルレストランです)


桜と事故

いつも息子の滑り台の練習をする公園の桜も

ようやく満開を迎えた

東京は既に散り絶えたようだし

今年の展示会中は目黒川に行く事はないだろうか

いや

一軒どうしても行かなきゃいけない焼き鳥屋がある

だからやっぱり行く


事務所にはいよいよサンプルの山脈が隆々とそびえ立ち

今日は朝から商品撮影をしている

なかなか思う様に撮れやしない

やっぱりプロってのは凄いんだな

同級生のやたらとうるさい中学生みたいなあいつの事を

少しだけ尊敬した


かなり集中していたんだろうと思う

そのせいで気が付かなかった

この事務所の一つ南の交差点で

バイクと乗用車の衝突事故があった様だ

車検をお願いする整備士のお姉さんが16時に来てくれて

『凄い事故だったんですね』

と教えてくれて初めて知った

15時30分頃だったみたいだけど

それからずっと交通規制がひかれ

交差点の真ん中には大量の出血を砂で掃除されていた

救急隊員が10人くらい来ていたそうで

バイクの男性はかなり危険な状態の様子
相手は子供を2人乗せた近所のご夫人

見覚えのあるシャンパンゴールドのSUV

子供達はショックを受けた様子も無く

車の外ではしゃいでいたのが見ていいて辛かった


うちの事務所の前の通り

のどかな雰囲気とは反して

結構皆さん飛ばして走る

路上駐車も多くイライラしている人が多い

それから運転があまりお上手じゃない主婦も多い

僕も気をつけないと

まだそれほど運転歴が長く無いからな


昔から

桜の季節に身近で事故が良く起きる

華やかな物はなんでこうも代償が付き物なんだろうね

気味が悪い


ベージュのバルマカーン


コーマギャバジンのバルマカーン

マルチボーダーツイルのシャツと白いチノクロスのスラックス

今年の春はこういうコーディネートが出来る

長らく春になってもカーキとグレートとブラックの服ばかり創っていたから

皆さんから今年は明るいと言われる

特に理由もないのだが

今年はこういう服を創りたかった


バルマカーン

聞きなじみのある言い方で言えばステンカラー

このデザインフォーマットは東京にいる頃に好きになった

どうしておっさん臭いイメージがあったので

若い頃はちっとも好きにはなれなかった

そこに衝撃を与えられたのが

前に勤めていたレーベルのステンカラーコート

何事もない

実にシンプルなそのコートにぞっこんになった

ステンカラーコートに期待した事のなかったスタイリッシュなフォルム

ライナーに使われたハリスツイード

そのコートを黒い細めのスラックスと

UKアディダスの黄色と黒と赤のスニーカーでいつも出歩いた


そんなステンカラーコートを僕もいつか創ろう

そう思ってようやく出来上がったのが去年の事

たった3つのパターンパーツで出来ている手品の様な作品

言葉で書いてしまうとあっけないけど

3つのパーツでこのコートが出来ているのはもの凄い事

それなのに

着用してしまえばただのステンカラーコート

この粋な結末

もの凄く気に入っている


春の桜の木の下で

ベージュのこのコートはきっと絵になると思う

牡蠣納め

日曜日いつもの店に行くと

久美浜出身の友人が大量の牡蠣を手に入れて

牡蠣パーティーが開催されていた

ありがたく仲間に入れてもらって

火を通しても縮まらないとんでもない弾力の牡蠣たらふく頂いた
最高に旨かった

最後は厨房に入り

牡蠣とネギのオイルパスタを製作

ニンニクとオリーブオイル

少しだけ隠し味に南国の醤油を入れて

大量製作だったがまずまずの出来だった


ふらりと立ち寄ったいつもの店で

すっかりご馳走になった上

ストレス解消も出来た

有り難う剛

洗濯日和

絶好の洗濯日和

朝からAWのサンプルを事務所で手洗い

まだ水は冷たい

それを慎重に絞って干して

手がぷるぷる震えている

まだ7割

まだこれから続々とサンプルがやって来る

新潟からは黒猫がコートが運び

京都の山の向こうからは飛脚がワンピースが運ぶ

桜も咲いて春がようやく加速した北山

真冬の準備を進める昼下がり
不安と期待がワンプレートのセットになって乗っている
さて13時

KAMMER

開始