真夏の魔術

大都会には何でもあるようで意外と沢山手に入らない物がある

京都は有名で伝統のある街だけど

正直都会ではない

だから

東京や名古屋に行くといろいろとうらやましい事があるが

洋服の制作などと言う特殊な仕事をしながら暮らせる田舎町は京都以外にない

我が儘を言わせてもらえば

あと旨い焼き鳥屋があればここは完璧だ

洋服で成功したら

焼き鳥と手羽先とカレーうどんが旨い店を次の目標にしたい


ただ

京都の八月は堪え難い

昨夜も

少し涼しいな

そう思いながら歩いた帰り道

なぜか次第に朝がにじみ出て来る

湿気という真夏の魔術

じっとりと身体にまとわりつき

不快感から自律神経でも狂わせるからだろうか

汗が身体から吹き出して来る

そこに37℃とかいう気温が重なれば

ここはもう熱帯盆地

憶測だが

クラー病の発症率日本一なのではないか

それでも僕らの商売の主戦力は既に秋冬の新作

怒濤の入荷にストックルームは洋服の壁になっている

まだ夏のピークは少し先だろうけど

魔京へお越しの際はどうぞ我々の新作をご覧頂きたい

コンクリートの箱をキンキンに冷やして

お待ち申し上げる


仁王立ち

春夏の生地を探す作業がようやく一段落

主役の生地はさっさと決まっているのだが

その付属的に使う生地の捜索に実に2週間を費やした

問い合わせのメールの返答は

『廃番』

『在庫切れ』

ようやくサンプル着分が見つかっても

『継続の予定ないし』
夏の暑さも手伝って

全てを放り出したくなったが

そんな度胸も無くねちねちと探し続けた

そして

ようやく全てのデザインに何とか納得のいく生地を差し込めた

さあ

後はサンプルが上がるのを待つだけ

ここからはただワクワクする日々が続く

悩み苦しんだ北山の二週間

その間

cassowaryには秋冬の新作が並び

ひさしぶりの立ち上げフィーバーに湧いた

その立役者

merphではこのロングシャツ

軽い羽織り物経のリクエストはずっと聞こえていたんだけど

コートを創るとどうしてもどれもガッツリ重厚になってしまっていた

そこでこのところシャツを重くする方法でそのポディションを制作して来た

それが今年

どうやら皆様の合格を頂ける出来上がりになった様だ


全てを創るつもりは無い

ただ

弱点と割り切るつもりも無い

苦手だったシャツの制作に

merphなりの仁王立ちの仕方を手に入れたと

そう

思う




継承と変化と向上

9年目も創り続けるパーカ

首元のボリュームは昨年より更に増した

生地は好評を受けて昨年と同じスウェードタッチの微起毛裏毛

4色の展開
上記2色の他にasholiveを創った

そのなかで今回圧倒的に人気なのが

camel

この生地の特徴にこの色が非常にマッチしたと僕も感じる

何となくmerph_animaの方ではエントリーしなかったのだが

女性の顧客様よりそこを叱られた

申し訳ない


洋服の世界で定番と言われるポディションなのかも知らない

でもこのパーカはこっそりいろいろなトライアルを繰り返し

技術的な向上をして来ている

その上での8年の歴史を継承して行く取り組み

簡単に定番と言わないようにしている

新型を創り出すのと同じように

丁寧にこの我が社の立役者を大事に創り続けたいと思う

あかね空

暫く動けなくなるくらい綺麗な空

もうすぐこんな夕暮れが毎日続く日がやって来る

好きな音楽はこの風景に合う物が多い

アコースティックギターとストリングスの壮大なロックバラード

来週の月曜日はそんな曲を聴きながら男三人で

Sanctum号を走らせて打合せに向う

大人の遠足

今からワクワクしている



最近2014年の春の制作にのめり込んでいるので

秋冬の新作の紹介が鈍っている

ところが

店頭では秋冬が好評頂戴しているようで

在庫があやしくなり始めているものが既に出ている

ありがとう

merphは今年シャツが好調

先日紹介したMR2022はROLさんの別注分MR2022 denimがsize1,2と完売

size3あと2着

欲しい

実は


写真はカモフラージュのランバージャック

この生地で創ればもうほとんどCPO並みのジャケット気取り

秋冬の軽いジャケットやコートは生地が軽くなれど

工賃は重い物とは変わらないから割高になる

だからシャツを重い生地で創るとそのポディションの物が出来る
春にも使えるように

ユーティリティーに

良いのが上がったと思う




cognac


型紙上はシャツ

しかし

上がってみればほとんどコート

merphとしてリリースするシャツは
シャツとは言えど

ほとんどがジャケットやコートの代用になる物

個人的な理由だが

正統派のシャツあまり着ないし

作るのも面白く無いから

大好きなコートやジャケットの迫力を持たせている

迷彩柄も良いアクセントになったと思う

いかがでしょう


もう一色はカーキ

それから

吉祥寺ROL様の別注バージョン

ライトオンスデニムバージョンに少しだけcassowaryも便乗

これも上出来

夏の盛りに暑苦しい洋服を

ぜひ試練だと思ってご覧頂きたい

ビッグヒットとハードヒット

anm6013 ash

沢山の問い合わせに加え

卸先様からも早くも大きな追加オーダーを頂いた

今シーズンのキラークイーン

anm6013

merph_anima初のヒット品番の誕生

laluを始めた時もそうだったけど

こういう存在が誕生すると波に乗る


さて

それではこのクイーンの詳細をば

まず生地は超微起毛を施したスウェードタッチの裏毛

フワフワとした肌触りはずっとなでていたくなる

弊社伝統の大型フードを採用して

そのボリューム感とバランスを取るべく

袖口にパフを入れて

スカート部分は大きな半円でドレープを出した

ウエスト辺りにポイントが必要だと思ったので同素材の細いベルトに

小さなアンティークゴールドのバックルをつけた

上出来


卸先様から嬉しい事言われた

『ディスプレーに着せたら凄い迫力で人が集まりだした』

サディストは褒められると図に乗る

そして新しい物を創りたがる

どんどん褒めて頂きたい

がんばれと言われても大丈夫と言われても何の意味も無いので

兎に角サディストは褒めて頂きたい

春の制作に大きく影響が出るから


さあ

気分が上がっている日曜日

月曜の朝までに大量の仕事を仕上げて

来週に先手を打つ

そして

19時からは今月二度目の黄昏れフラットーサーブ

小細工無しで

黄色いボールをハードヒット




巨大牡蠣

大きな岩牡蠣を

贅沢にも焼いてもらった

生より火の通った物が好きだから

いつもこうしてもら

夏の盛りの大きな海のお宝を頂きながら

打合せはずんずんと進み

来るべきお盆の向こうのXデーに向けて

あれやこれやと京都中を飛び回る七月の末


秋冬の生産がそろそろ一段落

しかし

今年は春夏の進行がとびきり早いので8月もしっかり働く

僕が利口なら

この早く始まった制作を早く追わらせるのだが

どうせいつものように

ぎりぎりまでずるずると押すのだろうと思う

明後日はまたテニス

今度は前回よりしっかり動けるようにしたい

その代わり

翌日の筋肉痛は酷くなるだろう

だから

週末のうちに筋肉をつかう仕事は仕上げておく



欲張り

秋冬の立ち上がりで慌ただしい中

じわり

じわり


2014年の春の制作を進めている

スケジュールびっちびち

相変わらずの無計画やりたい放題

それでも何とかなるのは

僕の力ではなく

工場の方々の力

心底感謝している


あれが足りないこれが足りない

大騒ぎの毎日

ただ

進行している仕事は凄く楽しく

あれもしたいこれもしたい


どんどん欲張りになって来る

暑さでばててる暇はない

秋冬プレスタート

シャーシャーシャーシャー

蝉が全力で泣き散らす北山の事務所で

触るだけで汗が出るくらいの温かい洋服を仕分けしている

写真はmerph no. MR4047

ぼわぼわの千鳥格子で創ったロングカーディガン

高価な生地をつかっている

同じ生地のmerph_animaの品番にオーダーが沢山入ったので

merphのこの品番の在庫はごく少数になってしまった

何とか今日

一通りの新作をcassowaryに投入できるように努力してみる


さて

山鉾の巡航が終わり

他府県の方々には終演を迎えたかに見えるだろう祇園祭

実は7月いっぱい様々な行事が続き街は盛り上がり続ける

巡航や宵山を楽しみ尽くした方々は

その後の行事も見に来ると良いと思う

ホテルも料理屋も空いてるし

ゆっくり出来るから


そしてすぐに8月がやって来て

今度は五山の送り火

その頃僕はおそらくある大仕事のため大混乱しているだろうと思う

夏の暑さにもんどりうちながら

既に2014年の春の仕込みが佳境である

次の春

ちょっと面白い方法で洋服を制作する

まだ話せないけど


仲間達とそれを深夜まで打合せして進めている

たのしい

早く皆さんにもお知らせしたいけど

なにせ初めての試みだから

慎重に冷静に

独りよがりにならないように

しっかりやって行く

真夏の始まり

巡航も終わり

これから京都に殺傷能力の高い日々がやって来る

大文字が赤く燃える八月十六日ごろまで

兎に角暑く鬱陶しい日々が続く

しっかり栄養を取って体調管理をしながら

仕事に打ち込もうと思う

のだが


北山のKAMMERはおびただしい量のパッキンに囲まれ

その仕分け作業に1人で汗だくになっている

明日も明後日もまた大量の入荷があるらしい

先日のテニスで

全身が絶望的な筋肉痛に支配されており

積まれたパッキンを降ろすのに

絶対に聞かせられない奇声を発しながら作業をしている

そろそろお客さんからも秋冬の新作への熱意を感じ始めているので

ちょっと予定より早くcassowaryへ投入しようかと考えている

先日画像をアップしたワンピースの反響も凄いから

熱が冷めないうちに行動を起こそうか

とはいえ

まだ連日猛暑日

半袖もご覧頂きながらのステレオタイプでまいります

よろしくどうぞ