北山は朝から嵐
一度昼過ぎに晴れ間がのぞいたが
3時ごろから再び嵐
比叡山の向こう側にビシバシ雷が落ちている
昨日の天気予報は晴れだったのに
今見たら白々しく雨マーク
事後報告では予報の意味が無い
吉川君を思い出した
今日は工場へひたすら資材の出荷
長らく事務所の片隅に積まれていたお宝達が
いよいよ船出の時を迎えた
あいにくの嵐の門出だが
ふた月後に立派な洋服になって帰って来てくれるはずだ
ところで
中日の調子が良い
そんなチームに対し指揮官がこう言った
『勝ってるけど 強い気がしない』
ファンもそう思っている
そして原因も知っている
それは
おまえのせいだ
そう思うのなら ぜひ 早く辞めてほしい
采配をしないでほしい
席を立たないでほしい
あしたベンチに来ないでほしい
今 中日が勝っているのは選手の力
落合が長年積み上げたもの集大成
たまたま玉座に座った裸の大様よ さようなら
依然阪神が星野を引き取ってくれた様に
どなたか高木をつれてって

福松の箱庭もすっかり夏
そろそろこの縁側に蚊取り線香の香りが立ち籠める
週末には遠くからコンチキチン
祇園囃子のプラクティス
認めたくないが
どうやら本当に
夏だ
そのせいか 最近 少々酒の勢いが下り坂
前ほど欲しなくなった
家ではまったく飲まない
ま それでも一度飲みに出ればその量は人によっては致死量クラス
酔っぱらって撮った写真にとんでもない物が映っていた
この指先まで意識が行き届いた美しい手
美しい女性を想像する事だろう
しかしこの晩 僕はおっさん3人で飲んでいた
残念ながらこの美しい手はあのベトナム屋の大将のものだ
僕の飲みにいく相手は料理人が多い
物を創る人間とは話しやすい
それに同い年か年上だとなお良い
この夜も目をギラギラさせながら先輩の頭にずっといたずらをしていたらしい
年上の人間をからかうのが好きだ
この夜も当然 飲み過ぎた
さて作品紹介もお一つ
merph
MR2005(上)&MR2008(下)
シャンブレーにウールブランケットのパッチポケット
それから
リネンキャンバスにアンゴラカシミヤペンシルストライプのパッチポケット
ポケットに秋冬に生産する上等な生地達の残布を利用した
高い金かけて織ってもらった生地
無駄にはしない
エコには興味が無いが
もったいないおばけには会いたくない
merphの半袖物のシャツやTシャツには共通した特長がある
袖丈が少し長い
そして
細い
理由は2つ
通常の半袖丈と巾だと
上にジャケットを来たときなどに二の腕辺りで袖が引っかかってダボ付く
だからジャケット等の袖が曲がり始める辺りまで袖を長くしてある
もう一つは
嫁さんから二の腕を出すな
そう言われたから

この袖丈 評判がいい
騒ぐほどのアイデアではないが非常に重要な工夫だと自負している

本日心に蓋をした
夏が来た
これから毎日が憂鬱だ
祇園祭の頃には蓋を目張りする
桜鯛が紅葉鯛になる頃目張りをはずし
松茸の騒ぎがおさまる頃
再び蓋を開ける
年中冬ならいいのに
今日はcassowaryに立ち寄ってから
下鴨神社の方から北山に抜けて来た
城の様な家が建ち並ぶ金持ち専用通りを黒い疾風のごとく
いや
濁流のごとく駆け抜けた
橋のたもとで信号待ちした時
先日 学校をさぼった若き釣り人が居た辺りを覗き込むと
亀がぷかりぷかりと浮いていた
休日のとれる人間だったら暫く眺めていたかったが
あいにくそのような優雅なものは剥奪された身分
LEDが赤から青に変化したからペダルをこいだ
途切れる事なく続く仕事仕事仕事の日々
いつからだったかそんな状況にも慣れてしまった
『途切れない』
といえばMR3003
ベースのパターンパーツがほぼ1枚のチノーズ
多くの人に気に入ってもらえてsize1と3は即完売
残すところはsize2が3本のみ
この設計図は長年パンツを縫う工場でも何の型紙だか分からなかったと思う
まるで銀杏の葉のような展開図
指示書通り縫い上げてパンツになったのに驚いたはずだ
このパンツのパターンパーツが一つである事に
大した利点は無い
あとから気が付いた専門的な利点はいくつかあったが
着用感やシルエットに関して言えば『普通』
そう『普通』
それこそが『異常』なんだ
通常もっとたくさんのパーツを使い出来上がるものを
たった1つのパーツで普通のものが出来きあがるところが『狙い』
パッと見て分かる華やかさじゃなく
こちらから説明してようやく気が付く慎ましさ
知性的なデザインは僕の目指すところ
制限された条件でも
涼しい顔して作り上げるアイデアと技術がある事を自慢したかった
作り手側のちょっとした悪ふざけ
こういう制作はコミュニケーションの一部
これを創る事自体を楽しめたし
これを挟んでお客さんの目をグワッと開かせた
先日
またそんなアイデアを思いついた
すぐ電話で工場に相談
また楽しい日々が始まった
外に出たって押し付けがましい太陽が照りつけるだけ
太陽が少し反省し出す秋までおとなしく机に向ってシナプス全開

epiphone casino
ジョンレノンがGET BACKのPVで弾いてるあのギターだ
東京へ出る時
音楽に現をぬかして洋服の仕事から逃げない様にと決意し
19歳から25歳までほぼ毎日愛でて来たこの赤いギターを
後輩のギタリストに格安で譲った
それから10年経った2年前
オークションで再び格安で手に入れた
アンプもエフェクターもすべて手放したから滅多にこれを弾く事は無いが
ただ眺めているだけでいろいろと思い出す呼び水ギター
今 cassowaryの片隅に飾ってある
この真っ赤なギターを弾くときはこんな白いTシャツが映える
序列65番 大侯爵
アンドレアルフス
幾何学と天文学のスペシャリスト
測量と弁論術まで教えてくれるそうだ
見えにくいが
透明なLIFEと言う文字がプリントされている
シンプルだけどいい面していると思う
formulaは今回で3回目のリリースになる
初回からLEMEGETONというソロモン72柱の物語をフォーカスして図案を考えて来た
何かを伝えたくて作る所謂メッセージTシャツではない
なにかそこに印象的な図案をのせる時
何もテーマが無いとくだらない図案しか浮かばなかった
そこで
世界中の神々や悪魔の物語に登場するキャラクターを題材に
哲学・心理学的な解釈で絵を描き上げてみる事にした
それがようやくここに来てなかなか質が上がって来たと感じている
卸先さんや直営店の顧客さんにも好評
まだまだ少数生産の零細レーベルだが
地道に作り続けて行きたいと思っている

cassowaryの木賊を接写したら恐ろしく美しかったので
本日はこの写真から開始
命が創り出した『形』
何たるmerph
木賊も輝く新緑の季節
5月も末
完全に夏の雰囲気になり
祇園祭の話しなんかもちらりほらりと始まった
我が家は町名に山の名前がつく祇園祭のど真ん中
今年も練習の音が音量を増して来た
夏だ
憂鬱だ
よく見たら
『憂』と言う字
『夏』の間に『蓋』をされた『心』が挟まっている
なるほど
夏になり心に蓋をする事を憂うというのだね
蓋をする心が無ければ
夏はきっと楽しめるのだろう
かろうじて蓋をせずにいる5月24日
今日は北山に戻りせっせと仕事
北山の事務所にいると3時過ぎ必ず眠くなる
用水路のせせらぎと
比叡山の向こうからやって来るそよ風と
リチャード・アシュクロフトの緩やかな子守唄
眠気は頬骨と下瞼の間からやって来る
珈琲を飲んだって逆らえない圧倒的支配力
幼稚園の送迎バスを見てひらめいた
有限会社Sanctum
お昼寝タイム導入 検討中
今日もformulaを一つ
序列61番 地獄の総裁 魔神ザガン
人を機知に富ませる力があり 愚者を賢くすることができる
吉川君にザガンの召還を勧めている
また ワインを水に 血をワインに変質させることもできる
川島なお美はこいつを召還したのだろう
厚盛り版
僕らはそう呼ぶのだが
インクを重ねて立体にして行くプリント方法
formula図案担当 巨神兵 塩内浩二
通称“塩麹” 渾身の作品
約2mの巨大なグラフィックアーティストが
体をくの字に折り曲げて描き上げたドクロべえ
ゆったりUネックで涼しげに
どでかい図案でインパクト
在庫 既に 絶滅危機
傑作なり

水曜日
cassowary当番
北山と違い こちらはまわりのほとんどが水曜日定休
お向かい様には朝からそれを知らずに何人も訪れて
残念そうに帰って行った
開店前にちょっと用事で出かけたら
道ばたで弊社専属モデルの小川多郎吉君ご家族に遭遇
『昨日 結婚しました』
朝っぱらから嬉しい報告に俄然やる気の昼下がり
今日もよろしくどうぞ
せっかくcassowaryにいるんだし
本日も作品紹介を
F0038
序列26番 公爵BUNE(ブネ)
今回のformula3rdの最多得票者
人に富や知識 雄弁さを与える力も持つ
求められれば質問に対して真摯に答えてくれるご親切な悪魔
何度も言うが悪魔だ
formulaの制作で調べ上げた悪魔達は皆
どう考えてもいいヤツばかり
その悪魔達を倒そうとした神の方が人々を虐げ
多くの試練を与え
あらゆるものを要求し
裸で空を飛んでいた
言っちゃいけないと思うが
世界最初のテロリストは……だな きっと
悪魔と呼ばれる奴らが自ら『わたし 悪魔です』と言ったわけじゃない
みんな地元じゃ神様と崇められていた特別な存在だった
悪魔は”とある立場”の奴らから都合が悪い邪魔な存在だったんだ
だからそいつらが彼らを『悪魔』と呼んだんだろう
都合が”悪”い邪”魔”者=悪魔
僕もよく そう呼ばれる
日本が地中海に浮かんでなかった事は
地球が第三惑星だった事に匹敵する幸運だ
僕は神様に祈らない
死んだ爺様婆様にちょっとよろしく言うくらいにしている
それはお願いじゃなく約束に近い
占いも幽霊も信じない
信じられるほど脳味噌の構造に対して無知じゃない
夢が無いと言われるがそんな事も無い
息子に中日の背番号3を獲得させるという大きな夢がある
それを息子も共有してくれる様に
6月11日
久しぶりにマウンドに上がる