本日心に蓋をした
夏が来た
これから毎日が憂鬱だ
祇園祭の頃には蓋を目張りする
桜鯛が紅葉鯛になる頃目張りをはずし
松茸の騒ぎがおさまる頃
再び蓋を開ける
年中冬ならいいのに
今日はcassowaryに立ち寄ってから
下鴨神社の方から北山に抜けて来た
城の様な家が建ち並ぶ金持ち専用通りを黒い疾風のごとく
いや
濁流のごとく駆け抜けた
橋のたもとで信号待ちした時
先日 学校をさぼった若き釣り人が居た辺りを覗き込むと
亀がぷかりぷかりと浮いていた
休日のとれる人間だったら暫く眺めていたかったが
あいにくそのような優雅なものは剥奪された身分
LEDが赤から青に変化したからペダルをこいだ
途切れる事なく続く仕事仕事仕事の日々
いつからだったかそんな状況にも慣れてしまった
『途切れない』
といえばMR3003
ベースのパターンパーツがほぼ1枚のチノーズ
多くの人に気に入ってもらえてsize1と3は即完売
残すところはsize2が3本のみ
この設計図は長年パンツを縫う工場でも何の型紙だか分からなかったと思う
まるで銀杏の葉のような展開図
指示書通り縫い上げてパンツになったのに驚いたはずだ
このパンツのパターンパーツが一つである事に
大した利点は無い
あとから気が付いた専門的な利点はいくつかあったが
着用感やシルエットに関して言えば『普通』
そう『普通』
それこそが『異常』なんだ
通常もっとたくさんのパーツを使い出来上がるものを
たった1つのパーツで普通のものが出来きあがるところが『狙い』
パッと見て分かる華やかさじゃなく
こちらから説明してようやく気が付く慎ましさ
知性的なデザインは僕の目指すところ
制限された条件でも
涼しい顔して作り上げるアイデアと技術がある事を自慢したかった
作り手側のちょっとした悪ふざけ
こういう制作はコミュニケーションの一部
これを創る事自体を楽しめたし
これを挟んでお客さんの目をグワッと開かせた
先日
またそんなアイデアを思いついた
すぐ電話で工場に相談
また楽しい日々が始まった
外に出たって押し付けがましい太陽が照りつけるだけ
太陽が少し反省し出す秋までおとなしく机に向ってシナプス全開