嵐とおにぎり

京都が荒れ狂っております

人生で始めて避難勧告を経験しました

勉強不足ですぐさま避難所へ行かなくてはいけないと思ったのですが

友人からメールで

『危険が迫ったら避難を』

という段階で

勧告の上には避難指示というものがあることを知りました

安心してる場合ではありませんが

それより問題は

自分がどこに避難するのかわからなかったことであります

慌てて調べました

避難所は家の前の通りを南へ抜けた小学校

覚えておきます


結局

雨は弱まり

避難指示が出ないままでしたが

自分には降りかからないだろうという油断は禁物

避難への意識高めていきます

祇園祭の山鉾巡行の夜に

とんだ大騒ぎ

ニュースを見て心配しているだろうと思い

一応実家に電話を入れた時の母の助言は

『おにぎりを握っておきなさい』


まあ少し緊張をほぐしてくれるコメント

言われた通りにぎっておいたので

朝食は必然的におにぎりと味噌汁と切り干し大根で決定


嵐はようやくすぎたようです

外が静けさを取り戻してきました

現在午前3時半
今宵はまだ仕事を続けます

小腹がすいてきましたが

おにぎりの誘惑に打ち勝ってみせます



rendez-vous

台風と山鉾のランデブー

何もこんな日に来なくてもいいのに

こういう友人います

みんなそいつを『憎めない』っていうけど

僕は素直に憎んでます

でも

そいつとはよく飲みに行きます


我が家は所謂

洛外

まだ世界が小さかった数百年前

世界(日本)の中心(洛内)からちょっと一休みする別荘地がこの辺り

銀閣寺が北に

永観堂と南禅寺が南に

東に法然院

西に真如堂

祭りの騒ぎは東大路まで

そこからさらに東に外れた鹿ケ谷は

台風の唸り声だけが響いています

おかげさまで

春夏の資料製作が随分はかどりました
連休明けの打ち合わせ

なんとか間に合いそうです

そういえば

昨日の昼間

雨風のほんの少しの隙をついて

蝉が鳴いていました

この台風が去った後

きっと夏が滲み出してくるんでしょう

大嫌いな夏の始まりを

冬服の納品を眺めて握りつぶします






ammonの偶像

ammonのオープンを記念してTシャツを作ることになりました

デザインを担当してくれたのは友人のアーティスト

鈴木淳子

これまでもmerphに尽力してくれている大事な仲間です

2014AWと2015SSのショートムービーに出演してくれている別嬪さん

絵を描き

馬に乗り

最近じゃスタイリストから幼稚園の先生までこなすタフなやつです

多忙の中

洒落たの上げてくれました

8月8日に30枚だけ販売します


毎度毎度

僕の一大事にはたくさんの友人が力を貸してくれます

だからね

いい店創らなきゃいけない

いい服創らなきゃいけない

そう思います

それしかできないし

そうしたい

将来に希望を持てるニュースが全く聞こえてこないこの国で

あえてこんなに難しい道を選んでおいて

弱音など吐いていたらすぐに得体の知れない

多分

大昔から悪魔や妖と呼ばれるものに飲み込まれてしまいます

だから

時々こうやって一大事を仕立て上げて

黒ラベルを大量に飲み干しながら

心底祝ってくれる人たちと一緒に騒いでみるんです

これを僕はお祓いと呼んでいます

悪魔や妖は自分の心の臆病で無責任な部分の幻

酒飲んで陽気に騒げば

あっという間に消えて無くなります

二日酔いとともに翌日また襲ってくる事もあるけれども

始めてしまった大事に追われて気にしてる暇もなくなります

それでも何年かたって逃れられなくなったら

また何か企てて仲間集めて黒ラベル飲んでお祓いです

とりあえずこれから数年

神戸のammonという護符に守られて

突っ走る事ができそうです

8月8日

灼熱の神戸

元町のちょっと路地を曲がった角っこで

黒ラベルをキンキンに冷やしてお待ちしています













anm2008

anm2008

4oz denimのシャツワンピース



白で展開したのに対し

秋冬はインディゴとチャコールグレーのウールジャージストライプ

ぐっと大人のワンピースに変身しました

ワンピースとしてだけでなく

フロントを全開にしてコートとしても使えます

生地を大量に使用しているので

迫力のある姿になるはずです



製品はノンウォッシュの状態です

洗い後の変化も楽しんでいただきたいと考えて

洗い加工はかけずにリリースしました


さてさて

祇園祭もいよいよピークを迎えます

今宵は宵宵山

明後日は巡行

三連休を挟み

来週は後祭

勢いよく京都の夏が押し寄せてきます

ここから来月の五山の送り火まで

それはもうひどい暑さ

何年住んでも慣れません




MR4086

MR4086

1/60のハイゲージミラノリブを表に

裏は40/2コットン天竺を配してあります

袖口を折り返してのぞかせる時

インパクトがあるように配色も鮮やかにしてあります

また袖や肩の接ぎ目から少し裏の天竺がのぞきます

シンプルなカットソーも一工夫でぐっと魅力が増すと考えています

うまく上がりました


色も気に入っています

一つは鮮やかなコバルトブルー

そしてもう一つは漆黒

糸も上質なものの1/60を二重編みで仕上げているので

重量感もありますが

ミラノリブの伸縮性が助けて着心地は非常に快適です


梅雨が明けたか明けてないかなんて話が聞こえます

夏の始まりの号令が聞こえる前に

merphのホイッスル鳴らしました

期待の新戦力

どんどん攻め上がります




始まりの一枚

羽のように重なり合う後ろ身頃

着用している姿

狙い通りの佇まいを手に入れていました

前から見る清楚な雰囲気に

背中で裏切る

こういう服を創るのが元々僕の制作の始まりでした



偉そうなこと言っちゃいけませんが

ちょっと思うところは

いろんな洋服が世にあります

でも

わざわざ自分の会社して創るなら

自分だけの形ってのを創りたいと思うんです

これまで2社で洋服の制作を学んできました

その中で

しっかりとした洋服をバランスよく創るてことの重要性は理解しました

とことんまで使うものにこだわって

伝統のディテールを盛り込み

その上で現代のパターンにのせてしゃれた1着を創る

そりゃ出来上がるものは圧倒的な佇まいで

誰がみても

『いい服』

なんでしょうが

それに傾倒できなかったのが僕の現実でした

そんな中でであったのがイギリスのデザイナーたちが創る洋服

伝統的な洋服に盛り込まれたそのデザイナーの一目瞭然の目印

それが僕の脳みそに確信を与えてくれました

それが誰にも理解してもらえるものではないとわかっています

それでも

まず

自分がそうだと感じないと始まらない

そして創ったのがこの写真のシャツの原型となった最初のシャツです

その後パーカやマントを創り

中には恥ずかしい思い出の作品たちもありましたが

でもそれも大事な歴史です


長くなりましたが

このシャツは

そんな十年の歴史をくぐってもう一回創ってみた始まりの記憶という訳です

ちょっと

袖通してみてください





LANDS SHOWROOM

今年の6月1日より

merphの更なる発展のために

東京のLANDS SHOWROOMと業務委託契約を結びました

日本全国のみならず

海外への取引拡大に向け

経験豊かなエージェントが

我々に力を貸してくれます

今後

我々有限会社Sanctumはmerphの制作と

直営店cassowaryとammonの運営においてより内容を充実させるとともに

全国の卸先様とはLANDS SHOWROOM様と協力し

より多くの方にmerphをご着用頂けるよう努めて行きます




2015年の秋冬の立ち上がりから

神戸出店

業務委託契約と

様々な変化がございますが

これに混乱せず

しっかりと前向きな変化となるよう

日々精進いたします

関係者の皆様

また

これから新たに関わることになる皆様

有限会社Sanctumを

何卒よろしくお願いいたします




夏を消す

七月は終いと始まりの交わるうねりのひと月

ちょうど一年前

デスクに向かってひねり出した作品が

もうすぐ役目を終える

そこへ

秋を彩る作品がジワリと現れて

次第に店の四面を埋めていく

どこが際か

見極めて

潔く

夏を消す

この数週間のうちにそれが完了する

ちょっと寂しく

ちょっと浮つく

一年に二度あるこの反省と期待のひととき

少し店が慌ただしくなること

お許しを


店頭に届いた秋の新作

なかなか好評

週末

ぜひ






昇格

事務所で眠っていたMacBook Air

MacBook Proの離脱により一軍のマウンドに立つ

少し古い型だけど

わたくしの仕事内容には十分


それにしても

軽い

バッグに入れても通帳の入る大きな会社の財布より軽い

そして

動きも軽快

壊れかけのMacBook Proのあの遅さに比べたら

雲泥

この瞬発力

懐かしい

なんだかんだ半年ぐらいあの老人と仕事をしていたので

文書を書くのもストレスがなくなり

資料制作にweblogアップも楽しくなってきた

パソコンは替えが効く

たった10万で数年は働く優れもの

でも人間はそうはいかない

そこがずっと問題な訳で

昨夜もバーでそんな話を初めて会った

偶然出身大学が一緒のシェフと3時まで語り合った

永遠に答えの出ない我々の宿命

それでも


ありきのお仕事でしか生きていけない

儲けようとしてない訳ではないのに

『それじゃ儲からないよ』と言われることばかりしてしまう

でも

悔しいからこのやり方でなんとか楽になってみせよう

そう足掻いているうちに10年経っていた

プロ野球も入団して10年目で花開くなんてよくある話

だからmerphもこれから




でありますように




料理と酒場の二律背反

帆立ときのこの柚胡椒炒め

胸肉の唐揚げ葱生姜ソース
切り干し大根


仕事が忙しくなると酒場から僕は消える

ひたすらデスクに向かい

時折

ひたすらキッチンに向かう

写真以外にも

日持ちする総菜をほかに3品作り

再びデスクに向かう

このルーティーンが調子の良いときの象徴

反して

調子が悪いときはひたすらデスクに背を向ける

時折

酒場へと逃げていく

実に作家っぽい

などと身勝手な納得をして酔って寝る

今は

いい

すごくいい

気合い

キレ

充実している

昨日お伝えした通り

来月には神戸でammonが始まる

そしてcassowaryでは新作があふれ

同時に社内では新しい展示会に向けて今までとは違う体制で向かっている


さあ

明日はさすがに飲みに出る

行かないと心配してくれる店もある

黒ラベルを飲んで

ウォッカレモネードを飲んで

白ワインを飲んで

仲間と話す


また朝がきたらデスクに向かう