涙のボタン


Fender tear drop pickを加工してボタンとして使用

ちょっとした装飾
友人のロボット工場にお願いして毎度穴を開けてもらってる

面倒で地味な作業を文句言わずやってくれる彼に感謝


プルオーバーパーカも

men’sとwomen’sでまるでバランスが違う

着丈やフードの大きさ

Uネックの下り

そして決定的に違うのが袖付け

women’sのプルオーバーだけ

タンクトップの裁断にロングスリーブを付けている

以前

men’sもこのタンクトップスリーブだったが

肩の張りが強調されつのでラグランに変更した

女性の体でしか成り立たない線の組み合わせ







創造の中心

MR1082

今季のラインナップのなかで

最もデザイナー側のエゴを出し切った作品

おそらく

そんなに受け入れてくれる人はいないのでないか

創っておいてそう思った

ところが

オーダーも結構ついたし

cassowaryでの反響もフラットショットが帰ってきた

ラペルレスのチェスター(そう言っていいかどうか)を外すと

中からコンパクトなキルティングベストが登場

8月好評だったMR1085とMR1091とは全く別のパターンで製作したベスト

要するにこのコート

3ways

我ながら惚れ惚れする仕上がり


私が憧れるデザイナーは

人と違うものを

しっかりとした仕上げで作ることができる人

だから自分もそこを目指したい

ワンシーズン全てがそれになっては優秀ではないが

その自分のエゴを出し切ったデザインが

中心にあり

そこからしっかりとした関係性をもって

全てのデザインが存在するレーベルを目指している

今シーズンの中心は間違いなくこのMR1082

どうぞみなさま

お見知り置きを


男性の無意識人格の女性的側面

merph anima

merph の women’s line

anima

この言葉は単純に英語の『魂』という意味からではなく

カール・グスタフ・ユングが提唱した心理学的性質

『男性の無意識人格の女性的側面』

まさに我が製作の定義そのままの言葉

そこからいただいた

会社を始めた時

女性の洋服を創るつもりは全くなかった

これも

店をやってきたおかげで始まった

お客さんのお連れの女性たちからのリクエスト

女性から迫られると弱い


ところが

いざ始めてみると

まあ難しい

単純に女性の寸法にして売れるもんだと思ったが

大間違い

売れない

女性のお客さんたちはメンズサイズを買っていく

そこで手抜きをやめた

完全に別で製作を開始

そこに運よく素晴らしいパターンナーとの出会いもあり

一気に状況が変わった

その服を女性たちに褒められてさらに図に乗る

いつの間にかメンズと同じくらい毎シーズンデザインを描いている

女は男のことをよくわかっている

男は女のことは何にもわかっていない

脳も男性の脳より女性の脳の方が機能としては進化しているって聞いた

『女の勘』

あれがそれだ

男はバカ

でも

その自覚を得た男は少しだけ賢くなる









黒ラベルを呑み続ける理由

自分の創る服をどれだけ客観的に見ることができるか

その上で

自分の主張をどこまでその服に出すことを許すか

言葉で説得せずとも

自ずと伝わる視覚的な特徴を

ポケットの形を歪にしたり

明らかにわざとらしい裁断を入れるのではなく

数式を紐解くような

今までそこにあることに気づかなかった

見つけてみれば実に美しく調和する

そんな線を探していつも絵を描いている


最近

自分の洋服を説明することを要求されている

以前と違い

いろいろな人の協力でmerphの拡大が始まっているからだ

そうなると

関わる人たちに自分の意図を説明しなくてはいけない

参考にいろいろなブランドがどうやっているか覗いてみると

実に情報統制されているではないか

きっとしっかりとした資料があるのだろう

でも

どうだろう

確かに品質に関わる物理的な情報は当然共有するべきだが

merphをどう感じているかはバイヤーたちの自由ではないか

そこを

某隣国の政治のように思想を押しつける必要はあるだろうか

私はないと思う

merphの取引先のバイヤー達は実に表現力があると思う

こちらが逆に参考にしたくなるくらいに

ブログで書き上げられた物理的なこと以外のmerphに対する表現は

読んでいて楽しい

ただの商品説明だけでなく

私という人間が創っていることを説明してくれている

照れくさいこともあるが

非常に嬉しい

だから私は

ただ洋服を創ってりゃいいわけじゃない

しっかりと日々を真剣に生きて(遊んで)なきゃいけない

そうでなくては彼らの文章を楽しめない


そういうわけで

ギターを弾いて料理を作り

宇宙の研究をしながら

黒ラベルを呑み続けている




マスターピースへの挑戦

MR1083 olive

MR1083 charcoal

ざっくりとしたウールヘリンボーンツイード

その裏に中綿をたっぷりとキルティングで叩きつけ

軽さと同時に蓄熱性をもたせて

真冬のコートを仕上げました


キルティングのコートといえば

ラベンハムやマッキントッシュなどを皆さんは思い浮かべると思います

すでにあるマスターピースは偉大です

では

自分がキルティングコートを創るなら

それに新たな価値を添えなければいけないと思います

そこでまずシルウェットを美しく

少しウエストをシェイプし

肩線の角度をテーラードジャケットに近づけ

袖を美しい前振りの袖にしました

次に細かい仕様を工夫しています

ベントの処理

フードの脱着方法に一仕事加え

そして

完全にmerphのツラとなるよう

フードの形とポケットのR裁断でmerphであると宣言しています

中綿はダウンを凌ぐ防寒度と鼻息荒い

シンサレートをたっぷり使用

伝統的な要素に

パターンと機能に新しい要素を盛り込みました

ベテランと若手の融合

お確かめください

あなたの膝下いただきます

自分で言うのものなんですが

今季の出来栄えが良いと思うので

しっかりとしたルックを撮っておこうと思い

先日オープンしたばかりのサロン

plakさんにご協力いただきwomenの撮影をしてきました

日が沈みゆく夷川ダムが相当美しかったと思います
しかし

打ち上げに早く向かいたいメンバーたちは

必死に仕事をこなし

予定通りの宴の開始を迎えます


会場は巴里本舗

名物ウォッカレモネード

飲みやすいのに膝にくる悪魔の酒

わたしはこれを

ヲッカアホネードと呼んでいます

キャッチフレーズ

『あなたの膝下いただきます』

それをピッチャーでしこたま飲みに干しながら

豚肩ロースの燻製

牛ロースステーキ

サンマの香草焼き

スモークサーモン

厚切り燻製ベーコン

次々と平らげました

そして

締めにいただいたこのウニとトマトの冷製カッペリーニ

最高

いい仕事をした日の打ち上げとして完璧なる宴

巴里本舗に感謝


撮影した写真はかなりの会心作

コーディネート

メイク

ヘアメイク

そして

写真の質感

これまでで一番しっくりきた撮影

きっと良いものが上がります

フォトグラファーから届き次第

merphの情報出力全てから公開します

少々お待ちください





晩夏の鈴の音

8月30日

京都のOILというそれはそれは素敵なBARにて

高鈴のライブがあります


彼らとも長い付き合いです

ここしばらく僕もライブを企画する余裕もなく

展示会や彰久が帰省している間に飲んだりするくらいでしたが

その間にボーカルの高稲ちゃんは母になりました

店にも連れて来てくれました

かわいい女の子です

もちろん順調に泣かれました

メガネのおっさんも元気です

相変わらず焼酎を飲んでボソボソとしゃべってますが

音楽への情熱は

じわりじわりと温度を上げています

さすが元パンク少年


音楽家として

ひと山もふた山も越えてきた二人

じっくり確実に自分たちの世界を作り上げています

夏の終わりに

素敵なBARで高鈴をご堪能ください


追記

アー写

二人ともmerphを着てます



高鈴

LIVE

【日時】8月30日(日)
 
【場所】京都 Cafe/Bar OIL

http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26016543/

京都市中京区白壁町442 FSSビル6F

tel 075-241-1355

【時間】開場17:00 開演18:00

【料金】前売 ¥3,000当日¥3,500(共にドリンク代別途1オーダー制)

※限定フード販売致します。

【出演】高鈴

【ご予約】Mail: info@littledancemusic.com

●お名前●人数を明記のうえ送信ください。

本公演はチケットレスとなります。ご予約いただいているお客様は

当日受付にてのご清算となります。

【お問い合わせ】Mail: info@littledancemusic.com

線の行方

merph

MR4079

続いて到着

昨日のプルオーバーに続いてジップアップ

こちらはmerphの急先鋒

このデザインからmerphを知ってくれた人は多いと思います

これが創れたから僕は今も洋服を作っているんだと思います


merphのエターナルテーマ

『線の行方』

まだ

ここで書いた事がなかったと思うのですが

洋服を形成するあらゆるパーツを区切る線

そのバラバラに走る線の関係性を大事にしています

例えばこのパーカ

袖の付け根の切り替え線とポケットを配するための切り替え線

その別々の二つが着用時

脇の辺りで合流し一本になります

着用姿勢やファスナーの開閉で線と線が共鳴する

そんな事考えています

どれでもこれでもやってるわけではないですが

そんな服もやってみたいと試行錯誤を続けています


週末前にまた秋冬の新作が増えました

松茸の知らせも届いた今日この頃

そろそろみなさま

秋の服を
いかがでしょう

the merph

merph

MR4080

今年のスウェットパーカ

デザインの変更はせず

生地に時間をかけました


スウェット

我々は裏毛と呼びますが

実はその名産地は和歌山県

そこはなぜか昔から裏毛やパイルの聖地なんです

今回のmerphの大黒柱の生地もそちらで作ってもらいました

編み機からちょっと聞いた言のない珍しい物を使っていますが

それを覚えていただいてもしょうがないので

とにかくこの編み上がった裏毛を触っていただきたいと思います

長年ずっと大事にしまわれていたかのごとく

油が飛びからりと乾いた見事な仕上がり

柔らかくしっとりした物も良いですが

スウェットはこの無骨な質感が僕には立派な物にみえます

また後日詳細写真でお伝えしますが

それでは伝わらない事なので

cassowaryとammonでお確かめください

今回

非常にいいです

裁断も縫製も完ペキです

ご期待ください

夜がなければ星は見つからない

もう

夏の力は夜にまで及ばなくなってきました

秋が徐々に夏を退治し始めています

そんな夏が終わりに向かう夕刻

昨日はサロンplakの門出を仲間たちと祝ってきました
どこかで見たことのある風景がそこにもありました

次から次へと届く北極星たち

祝いならシャンパンか樽酒でも開くところですが

集まった面々はみな片手に黒ラベル

右手に福松の料理という塩梅

類は友を呼んでいました


今月はいろいろなことが起こります

新しい始まりに

懐かしい再会

お祝いもあれば大きな病気と闘ってる友人もいます

楽で楽しいことばかりじゃない

苦く苦しいこともあって当然です

でも

どっちもひっくるめて自分のものなわけです


夏は嫌いですが

終わりに向かう夏には少し同情します

この大嫌いな季節があるのも

冬を好きになった原因の一つなんです

世の中

そうやってできてるんです