展示会前に一輪咲いたKAMMERの八重は、
その後、展示会中に主人の目の届かぬところで満開の花を咲かせた。
あれからひと月。
今、桜餅に巻くあの葉っぱを大きく広げて、
来年の準備に入っている。
春の準備を始めるのは、僕と同じだ。
今、時々思いつく新作のアイデアを、
脳のどこかしらにストックし、
気が向くその瞬間が来るのを待っている。
絵を描くには、それ相応の覚悟と、精神衛生が必要だ。
今は、無理。
5月も半ば。
中日が何となく勝ち続けていたから、
ネルソンも吉見も朝倉も高橋も、
1軍にいなかったのを忘れていた。
別に中日が強いんじゃない。
セリーグみんな弱いんだ。
だから、交流戦が始まるのが憂鬱だ。
交流戦のせいで、5月病になるセリーグファンは、僕だけじゃないはずだ。
今月は沢山の友人が京都を訪れてくれた。
これからもまだまだいろいろやって来る。
京都の魅力なのか、僕の魅力なのか。
おそらく、京都だろうが、
何にしろ、京都に来る時に僕を思い出してくれるのは嬉しい事だ。
だから、全力で返り討ちにしてやろうと思う。
中日にもぜひ、勝ち星稼ぎに来るパリーグの面々を、
自慢の投手陣とで返り討ちにして頂ければと、
そう、
思う。

formulaの季節到来。
Tシャツが次から次へと届いている。
今回で3度目のシーズン。
どんどん、良くなって来ている。
Tシャツのグラフィックデザインは苦手だった。
幾度となく、laluで失敗している。
だから、merphではグラフィックはいっさい、やらない事にした。
formulaは同じく名古屋市北区出身の手下と組んで始めた。
当初、Tシャツという特殊なキャンバスに、
グラフィック本職の手下は、手こずった。
プリントの技法をいっさい意識せず、ただ、絵を描いていたからだ。
そのレクチャーに3シーズンかかった。
今、ようやく、理解をしたようだ。
インクジェットにフロッキー、オパールに抜染。
様々な方法を理解した上で描き上げた図案は、
cassowaryで次第に支持を集めている。
今シーズンも、いよいよ始まったformulaの第三幕。
今回でレメゲトンの悪魔達のお話はおしまい。
72体の悪魔の物語。
この制作で全員を詳しく調べた。
実に楽しい物語だった。
今回は12体が入荷する。
僕のお気に入りは、BUNE。
人に富や知識、雄弁さを与えてくれる。
求められれば質問に真摯に答えてくれるそうだ。
悪魔の所業か?
僕の知っている『神』と呼ばれる方々は、
人に試練を与えて信仰を試す。
人を信じていない。
わがままで、傲慢で、サディズムだ。
神を信じるか?
そんなこと、考える暇がないのが一番だ。
明日も、バリバリ働こう。

嫁は灰になっていた。
冷蔵庫から取り出した人参をまき散らし、
これから食材を取り出す冷凍庫の前から微動だにしない。
ちなみに、嫁は人参が大嫌いだ。
最近、息子の運動量が劇的に活発になり、
そして、遂に、歩き出した。
まだゾンビの様な歩き方だから、捕まえるのは簡単だ。
ただ、新しく開けた人生の第一歩を妨げると、泣き叫ぶ。
ヘルニアのベテランに暴れまくる11kgの落とせない大荷物は、辛い。
朝7時から夜10時まで、
すべてがこの暴れん坊を中心にタイムテーブルは書き込まれる。
今日は少し、寒かった。
久しぶりに北山には来客が無かった。
いや、一人、オカマのおじいさんが隣の店は今日休みなのか尋ねて来た。
隣の店には『2011年10月より土、日、月のみの営業となります』
と、張り紙がちゃんとしてある。
ご存知の通り、今日は、木曜日だ。
明日から、暫くcassowaryのフォローに廻る。
ちょっと今月、cassowaryが忙しい。
北山は我が社の脳視床下部、田和に任せる。
今日は嬉しい事があった。
駄目だと思っていた事が、駄目ではなかった。
それから、ひとつ、新しい事に挑戦する意欲が芽生えた。
この調子で2012年を突き進んで行く。
8年目の我が社。
末広がりの八。
広げられるだけ、広げてやろう。

久しぶりのcassowary登板。
ワンポイントリリーフなら、不安を抱える体力も問題ではない。
雨の予報もどうやら外れるようだ。
天敵太陽がいきがって光と影を支配中。
北山と違い、やはり六角は人が多い。
店の前の通りを眺めていると、
絶え間なく人と車が往来する。
北山は時々しか人が通らない。
時々通るその人影も、まわりの店の従業員。
ほんとに、閑散としている。
そんな北山で店を開き、明らかなに店であると主張しないKAMMERに、
4月から毎日誰かしらご来店いただいている。
友人、顧客さんはもちろん、
最近はご新規も増えた。
残念ながら、まだ、こちらの体制が万全ではないので、
時々鍵を閉めさせてもらう事も有るが、
なんとか一日も早くしっかりとした店として稼働させたい。
せっかくの美しい店舗スペースを1分1秒無駄にしたくない。
ただいま12:38。
陽射しは勢いを増して来た。
道路の白線がまぶしいくらいに太陽の嫌がらせを反射させている。
僕の両の腕の太陽湿疹は、
相変わらず繁栄を謳歌している。
昨夜、嫁に無理矢理ぬられたベビーオイルが以外にも効果を発揮して、
赤くかゆみを帯びていた部分はスッと熱を下げた。
ただ、ぶつぶつは消えない。
僕はぶつぶつ恐怖症である。
水玉さえ見ていて鳥肌が立つ。
そんな男にこの太陽湿疹はきつい。
腕に無数のぶつぶつが出ているが、半分はそれを見て出た鳥肌。
本当に今、毎日が鳥肌。
大変。

通称、ホワイトベース。
改装の際、つや消しの白でぬってもらった。
20坪に6馬力。
40坪は冷やせる破壊力だそうだ。
本日京都、予報では27度。

いよいよ、こいつの出番が近づいていた。

夏だ。

個人的に日本の季節を四季ではなく五季と呼んでいる。
春 夏 地獄 秋 冬
今は夏である。
僕はゴールデンウィークから、すでに半袖での出勤になっている。
そのせいで太陽湿疹は全盛期を迎えている。
光に毒性を感じてしまう不便な体。
ソラーレンなる物質が原因らしい。
ソラーレン。
名前は好きだ。
店頭では既に秋冬の話しが始まっている。
そして、北山の事務所スペースでは、
先週通り過ぎた春の企みが始まった。
きりがない、止まらない仕事だ。
中綿のフードジャケットの出来映えに見とれている暇はない。
春の生地を探さなくちゃいかん。
通り過ぎて後にいるはずの春は、
油断するとすぐ目の前に現れる。
2012年もあと半分。
本当に時間が過ぎるのが早い。
そう言ってみたら気が付いた。
もうすぐ、祇園祭。
今年こそ、非難するか、どこかへ。

太陽湿疹。
だいたい、4月の末頃、始まる、恒例の太陽拒否キャンペーン。
夏が嫌いな理由の一つだ。
ホルモン分泌異常らしい。
大昔、太陽に当たれない人間が昼を館で過ごし、
根拠無い噂を信じて、
人の血を吸って、吸血鬼と言われたんだろう。
とにかく、太陽が嫌いだ。
節操のない全力全開の光が好きじゃない。
皆既日食のときは思う。
『ざまあみろ』
小学校の頃、野球の練習の苦しい思い出も太陽が嫌いな理由の一つ。
昭和ど根性理論で、
徹底的に体を痛めつける訓練に美学を感じていた監督の練習は、
ランニング10kmに平手打ちは当たり前。
学校生活での悪さにも部活でペナルティ。
アンド、平手打ち。
そんな苦しいとき、いつも太陽が容赦無く上から監督を加勢していた。
だから、太陽が嫌いだ。
でも、夏がやって来る。
憂鬱だ。
早く秋になってほしい。
夜の風とムシの鳴き声。
そんな季節を北山で過ごせたら最高だろう。
ムシの鳴き声を聞きながら、
軒下で黒ラベルを呑む夕べを夢見て、
今年の夏は我慢する。