MR1018
今回の秋冬で一番のオーダー獲得ナンバー
デッドストックのチョークストライプをシーズンオフに確保して
それをキルティングに仕上げておいた
中綿は高機能綿
うすくてかるくてあたたかい
パターンは見た目のスポーティーな雰囲気に反し
引き締まったウエストにサイドベントの美しいシルウェット
画像や5月の内覧でご覧頂いた方も多く
ご予約や入荷連絡希望を沢山頂いている
制作者本人としても
上がりが待ち遠しい作品
納品のラッシュが続き
北山は昨日から完全に秋冬が立ち上がった
新作のコートに加え
昨年までのlaluのお気に入り作品も並べている
すっきりとした店内
ようやくあるべき姿を取り戻して今日は気分がいい
南のcassowaryも来週からは完全に秋冬にシフトする
7度目の立ち上げを向える吉川店長
きっと3年の修練をここぞとみせつけ
すばらしいレイアウトで皆様をお迎えする事になると思う
さぁ
いよいよ秋冬の本格スタート
これから12月まで
水を得た人食魚の様に生き生きとさせて頂く

暑い
どうにかしてほしい
ただこの暑さと自転車通勤のおかげで
知らぬ間に体重が減っていた
もう一息で何年ぶりかの数字になる
敵は黒ラベルと昨日お土産にもらった『はり重』のローストビーフ
今回はなんと300gと大盛りだ
赤ワインを買って帰る必要がある
こんなに暑くてもチビ達は元気だ

先日

出勤途中に友人の家族に出くわした

4歳になった男の子は補助輪無しに自転車に乗っていた

早いものだ

まだ事務所が寺町にあった頃に生まれたあの子が

もう自転車に乗っている

その上

『自転車生活 楽しくやらせてもらってます〜』

生意気な口もききやがる

我が家の内気な暴れん坊もすぐにああなる

時間はそれだけを見つめているとなかなか過ぎないが

何かに気をとられるとあっという間に過ぎてしまう

まさにその餌食になった今年の6月と7月

店が忙しくて製作が全然すすんでいない

10月の展示会までもう日が無い

焦りが絶望に変わる前に

今日から絵を描きまくる

僕の様な者が創る服を楽しみにしてくれる人が居る

しっかりやらなくてはならん

MR3012
昨シーズン製作した1枚の生地に5カ所のスリットを入れ
それを筒状にして作り上げたストレートパンツ
極普通に見える異常な発想の構造物

今季はそれを僕の大好物

アスペロコットンxウールのカルゼでリリースした

よくその利点を聞かれる
そんなものは
無い
生地は多く使うし縫製だって難しい
説明するのも難しい
でも
面白かったんだ
創るのが
それだけである
洋服を創り洋服を売る仕事をしていていつも思う
店員なりPRなりデザイナーなり
とにかく洋服の説明がつまらない
どこかで聞いた事がある言葉を雰囲気で使うだけのテイタラク
洋服なんて着てみて気に入るか気に入らないか
善し悪しじゃなく
好きか嫌いか
それだけでいいはずだ
それをまぁ複雑にしやがったのはどこのどいつなんだ
僕はそう思いながらいつも洋服の前で座っている
今日も15年来の友人がこのパンツを買ってくれた
僕が話したのは使ってるアスペロコットンてのが
たまらなく好きだと言う事くらいだ
それ以外は不動産屋から誰か借り手は居ないかと渡された資料を見ながら
そこにおまえが住め
という話
友達だから
と思ったら大間違い
一見さんでもこの調子
『いらっしゃいませ〜』
『良かったらご試着してくださいね〜』
などと一切言わない洋服の売り方を知っている
そして
その売り方は双方にとって
とても自然で健全な行為である
今日も沢山真冬の服が売れた

MR1019
久しぶりにちゃんとセットアップを創った
パッチポケット+フィッシュマウスラペル
ウエストのしぼれた美しいシルウェット
肩もしっかりさせてみた
今回
一見そう見えるがそうでない
そう言う工夫をこっそり盛り込んでいる
このジャケットもハンガーにかかったツラからは
まずポケットのデザイン上
少し気楽なリゾートジャケットを連想するところを
シルウェットはしっかり英国紳士
ジャケットにうるさい人が見たらバランスが悪というのかもしれない
でも僕はこれを創った
価格が安いのにはからくりがある
それはこんなところで書く事じゃないから接客の時に話す
安いのはよい事だ
でも
手抜き作品は創りたくはない
昨日の帰りは7時を少しまわってしまった
葵橋に着く頃には空は群青だろう
そう思い
夕焼けを諦めてゆっくり走っていたら
京都府立大学の上に大きく空いた空を発見
やはり夕焼けはいい
邪念が取り払われる気がする
それにひきかえ朝焼けはよくない
何か憂鬱な気分になる
朝焼けでそう感じるのは不健康だろうか
始まりより終わりの方が美しく感じる
心が病んでいるんだろうか
でも
桜より枯れ木
ビッグバンよりスーパーノヴァ
何度考えてもおしまいに美を感じる
何かを創る人間には終わりに憧れる人
多いんじゃないかと
思う

晴れ間が覗いた隙に自転車で北上
事務所に着いた途端
琵琶湖をひっくり返した様な土砂降り
雷も極近くで連発し
音楽を消して暫く雷鳴と雨音を楽しんだ
この嵐と関係あるのだろうか
事務所の前の道をどう見ても誰かに飼われているであろう犬が
ずぶ濡れでとぼとぼと歩いている
車が迷惑そうに減速して避けながら走っていく
そして降り始めてから2時間
雨はようやく小降りになった
あれだけ降ったのに気温はほとんど変わらない
今日の東京は23度だと聞いた
うらやましい
夏よ
早く終わっておしまい
cassowaryとKAMMERではとっくに秋真っ盛り
MR1021
絶好調
size2がC/#black、sandともにあと1着
現在追加生産をするか
否か
15時の眠気と戦いながら悩んでいる
MR1021
このジャケットは2007年にlaluでリリースした物のリデザイン
あれから5年経ち仕上げたその派生レイヤードジャケットは
少し精悍な面持ちになったと思う
5年前に作っていたものを
最近倉庫を掘り起こして久しぶりにじっくり見てみた
余計な事を沢山しているが
見つめているうちに
『こうして見たら、生地をああいうのにしてみたら』
といろいろアイデアが浮かんで来た
今春夏の製作をしている
もちろん新しい形を考えているが
少し昔の作品をセルフカヴァーしてみようかと思う
そんなのも僕の洋服創りの方法の一つ

葵橋の夕景色には及ばないが
六角堺町から19時の狭い西の空を眺めながら
フジファブリックの若者のすべてを聴いていた昨日
大勢のご来店に感謝
秋冬シーズン
cassowaryは春夏の3倍の破壊力を手に入れる
ようやく試練の季節を抜けた
これからは思う存分暴れ回る
土用の丑
平賀源内の口車に乗せられて
うなぎを喰らう日だ
僕の弟の親友に名古屋の或る有名なうなぎ屋の倅が居る
PR上手な二番煎じの店では”ない”方である
ここの大将がなかなかに男前なのだ
今日はどこのうなぎ屋もここぞとばかりにうなぎを売りまくる
当たり前だ
そりゃ稼ぎ時だしこんな日にうなぎ屋なら絶対に休まない
そう普通は休まない
はい
その通り
そのうなぎ屋は
土用の丑は休みなのだ
普段からうなぎに食わせてもらっているから
そのうなぎが一年で一番殺生される日に一門揃って供養に行くのだ
粋である
ひつまぶし発祥の店にして
商標を二番煎じの商売狸にさらわれたって
『みんなの食いもんに商標なんか取るヤツは卑怯者だ
と言い放つ
僕の商売哲学を地で行く人だ
商売がうまい事は大事だろう
けど
好きにはなれない