MR3012
昨シーズン製作した1枚の生地に5カ所のスリットを入れ
それを筒状にして作り上げたストレートパンツ
極普通に見える異常な発想の構造物

今季はそれを僕の大好物

アスペロコットンxウールのカルゼでリリースした

よくその利点を聞かれる
そんなものは
無い
生地は多く使うし縫製だって難しい
説明するのも難しい
でも
面白かったんだ
創るのが
それだけである
洋服を創り洋服を売る仕事をしていていつも思う
店員なりPRなりデザイナーなり
とにかく洋服の説明がつまらない
どこかで聞いた事がある言葉を雰囲気で使うだけのテイタラク
洋服なんて着てみて気に入るか気に入らないか
善し悪しじゃなく
好きか嫌いか
それだけでいいはずだ
それをまぁ複雑にしやがったのはどこのどいつなんだ
僕はそう思いながらいつも洋服の前で座っている
今日も15年来の友人がこのパンツを買ってくれた
僕が話したのは使ってるアスペロコットンてのが
たまらなく好きだと言う事くらいだ
それ以外は不動産屋から誰か借り手は居ないかと渡された資料を見ながら
そこにおまえが住め
という話
友達だから
と思ったら大間違い
一見さんでもこの調子
『いらっしゃいませ〜』
『良かったらご試着してくださいね〜』
などと一切言わない洋服の売り方を知っている
そして
その売り方は双方にとって
とても自然で健全な行為である
今日も沢山真冬の服が売れた