overcome

あともう一工夫
それが吉と出るか凶と出るか
洋服を作っていて
その最後の一手でずっと苦しんでいる
しかし
その一手が“バシッ”と決まった時
仕上がって来た洋服に
本当に自分が作った洋服なのかと興奮する

今年のmerphの春のコートとジャケット
諸事情あり少々生産が遅れたが
merphのまだ短い歴史の中ではあるけれども
わたくし自身
これまでにない興奮をさせてもらっている

今回の最後の一手は
表地と裏地の素材と色のコントラスト
自身が美しいと思ったこの選択が
多くの人に受け入れらて
嬉しい

春のコートも
冬とは違う制作アイデアで楽しめた
年数を重ねて
今まで苦手だったことも
楽しみ方が見えて来た

keep changing

cassowaryが日々変化しております
毎日の様にオークションで落札した家具が届き
一時的にここに送られております
先月までとはガラリと変わりました

先ほどその”リビング”にまた新しい作品が届きました
家具だけじゃなく
本来届くべき物も続々と届いております
夜はまだまだ冷え込みますが
分厚いコートはそろそろ脱ぎ捨てて
軽やかな衣でいつもの酒場へ繰り出します

中日vs広島と巨人vsヤクルト

team merphが少々ぎこちなくなる
年に何度かやってくる三日間
一昨日から我らがドラゴンズとカープは名古屋ドームで三連戦
カープは今年も強い
対して圧倒的弱さを誇るドラゴンズは
未だ未勝利
点を取れない
リードを守れない
期待をさせないオーラが絶望的に青いユニフォームを包んでいる
優勝を期待できるカープを羨みながら
泥沼でもがくドラゴンズを暖かく見守る
今年も複雑な一年になると思う

そんなteam merphの遊び心
気づいていただけただろうか

そう
裏地がプロ野球のチームカラー

洋服作りの中に
ちょっとしたおふざけを
真剣に

 

 

午前二時の決意と尿意

昨夜は東京から京都に居を戻して以来
ずっと世話になってる先輩と一献
近況報告と昔話とほんの少し仕事の話をした
若く見える先輩も確実に初老の階段登り始め
三軒目に向かう足取りは
派手な千鳥足だった

故郷でもない街に巣食って随分長くなった
行きつけの店も増えたし
行けない店も増えた
いつのまにか京都の道もほぼ頭に入り
21時以降一方通行が解除される抜け道を通ってくれと
タクシーの運転手さんに指示するまでになった

単純に自分の歳を数えてもゾッとするが
それよりも
京都に戻りたてのころ
オムツ変えてやってた友人の息子が
もうあと二、三年で一緒に酒を飲みに行ける歳になる事実に
歳をとったことをより実感する
夢見る中年がグズグズしてる間に
年下の大人が着実に増えていく
偉そうに今までああだこうだ言ってきたおじさんは
彼らにバカにされない様に生きていくかなくてはいかん
店を出る時トイレに行かなかったことを後悔しながら
午前2時の帰り道
猛烈な尿意をごまかしながら決意した

明けて本日
生まれ変わったおじさんは

 

 

 

 

携帯を忘れて20分遅刻した

瑠璃の季節

桜の花が次々と開いています
四月になった途端
春だって気づいたようです

でも
桜はあっという間に散ります
突然咲き
潔くちる
男としてはそうありたいと思いますが
社長としてはそういうわけにはいかないんです
だからでしょうか
その後やってくる瑠璃の京都が好きです

桜の木がはをつけて次第に山が緑に染まり
梅雨前に蛍が現れるまで
じっくり命を蓄えていくようで
静かだけど力強さを感じます

桜や紅葉もいいですが
瑠璃色の京都もおすすめです

ちなみにそんな時期は
小鮎の天ぷらで黒ラベルでございます

幾度目の起動

今年の秋もまた
team merphは新しいことを始めます
そのためにも大前提として必要なものは
新しいシーズンの作品群
その作品群に必要なものは
ヨダレのでるような生地と
鳥肌の立つような新しいデザイン

桜の蕾も膨らんで来ました
そろそろ始めます

桜待ち

大学3年生の冬にこの業界の門を叩いて以来
三月中旬から四月中旬までは
展示会という兵役に駆り出され
花見というものをろくにしたことがありません
数年前から住んでいる自宅の前には
実に立派な桜が見事な花を咲かせるのに
出張に出る頃咲き始め
出張から帰ると散っておりました
昨年まで、は。

そう
そうなんです
merph
展示会
やめたんです
今年から桜が咲くとき
結構暇なんです
自宅の二階の窓を開ければ
毎日が花見酒でございます

というわけで
そろそろ二階の模様替えであります
花見フォーメーションであります
窓の外へソファを向けて
テーブルを窓際へ
黒ラベルの仕入れを始めます

美しき嫌われ者

白い服は美しい
春になると白い服を作りたくなる
でも白は嫌われる
美しすぎると嫌われる

汚れるから
膨張するから
目立つから

だからどうした
美しいものを作らなくてどうする
作りたいものを作らなくてデザイナーか?
白い服を作ることは
デザイナーの挑戦状

白にさすオレンジ
オレンジに染まる白
今年のmerphの白い挑戦状
受け取る猛者を待つ

 

命を喰らえ

疲れが溜まった時には
赤い肉を食うべし
煮物を欲する胃袋に
肉汁滴るロースステーキを叩き込んだ

三月がもう終わろうとしている
今月は仕事をしまくった
頭も使ったし体も使った
初老に差し掛かる巨体は
花粉の地味な攻撃も重なり
悲鳴をあげていた
久しぶりに腰の爆弾の時限装置も動き出した
このままではまずいと思った昨夜
二軒目でまさかの牛ロースステーキ
これが効いた
浴びるように飲んだ酒も残らず
6時29分に目が覚めた

命が削れたら
命を喰らう
ありがたく
美味しく頂いた

 

 

利家先輩

二泊三日の金沢出張から戻りました
昨年から幾度となく通った金沢
土地勘もめざましく冴え渡り
もう片町の交差点から逆へ向かって
暗闇に迷い込むこともなくなりました

『視察』
なんとも都合の良い大義名分を掲げ
旨いものを食らって仲間と夜通し酒を浴びてまいりました

好き勝手ばかりでは無礼と思い
我々の様な黒装束の一団の暗躍を
どうか暖かく見守っていただきたいと
香林坊の尾山神社に参拝してまいりました
五円玉を丁寧にスローイングし
二礼二拍手一礼
前田利家公にこうべを垂れてまいりました
聞けば前田利家公は名古屋市中川区のご出身とか
それも我が母校の近くであります
弊社Sanctumも最初豊臣秀吉公の作られた寺町通で始めました
秀吉公も名古屋市中村区のご出身
会社設立の直後
偶然高野山に旅行して
参道の横にある墓にお参りした後
しばらく快進撃が続きました
さあ利家先輩
尾張名古屋から参りました野武士に
一つ加賀の地にご縁を
期待しております