salon de kyoto

今から18年も前になるんだなと
改めて思う

ある日突然
京都に住んで少し知識がついていれば
誰もがまさかそんな場所に
そう思ってしまう五条の橋の西の袂に
今まで見たこともない風体の美しいカフェができた
当時日々納得できず悶々としていた青年坂井(25歳)は
たやすくそこに吸い込まれた

鴨川沿いに大きく開く窓
オーナーである西堀氏のデザインした家具にプロダクト
それと世界の名作のテーブルに照明にグラスにカトラリー
今は二階もカフェになっているが
オープン当初は二階と三階がオーナーの自宅だった

毎日のように通い詰めた
ぼー と鴨川を眺めて珈琲を飲んでいると
時々オーナーが上からおりてきて
悩める後輩たちの野心を煽っていたのを思い出す
そして
まんまと煽られた坂井青年は
中年坂井となり
今もまだ大成せず
夢みたいなことばかり追いかけている

 

春を制する者

つい先週
岡崎冷泉通で撮影した時は
こんなにも桜が残っていたのに
今はもう
新緑の侵略が完了し
我が家のある東の端の山々は
あらゆる緑のグラデーションに覆われて
一年で一番美しい時を迎えています

しかし
緑の勢いとは裏腹に
今年の春は
なかなか気温が上がりません
まだまだ春の羽織りものが活躍し続けそうです

春の羽織りものは迷われる方が非常に多いのは知っています
だから我々はこの時期に
一年で一番着る回数の多い服をリリースするようにしています
5月まで着たら
また10月に最前線に躍り出る服
つまりこの時期に店に並ぶ服を持っていると
洋服の着回しを制するんです
3月まで冬服でごまかしても過ごせるとは思いますが
それじゃあ
つまらない
そう思うんです

快適さだけじゃなく
高揚感も
僕ら洋服を作る人間が提供できるようにならないといけないと
そう思うんです

今シーズンはそれができたのではないかと
そう思うんです

群青刻

日が暮れると
まだまだ肌寒い
いや昨日はかなり寒かった

久しぶりのテニスは
五山の送り火の”妙”の麓
この辺りは高い建物は当然なく
空がどんと広がっている
この時期
陽が沈むと
東の空は見事な群青色になる
これがすごく好きだ

残念ながら昨夜のテニスは絶不調
準備運動を怠り
左のハムストリングに違和感発症
無理せず
ゆっくり静かにハードヒットの三時間だった

合わせ技

MR1113 technocrat好評です
そしてそのセットアップ可能なパンツ
MR3060 nomadがこの週末店頭に到着しました
1/72ウールトロピカル
ウールとはいえどおり組織は平織りのトロピカルです
僕の嫌いな”そこらへんの服屋の店員”的にいえば
サマーウールって適当に括られるポディションですかね
通気性も高く夏場でも心地よく履いてもらえます

この写真は昨年バージョンです
これを見てたくさんお問い合わせいただきましたね
お待たせしました、本当に
パンツは去年より細く仕上げています
もう少しスッキリしてますかね

五月六月と私も結婚式に参列する機会が続きます
披露宴の料理(酒)をたらふくいただくのに
このセットアップ
役に立ちそうです
問題は
ジャケットのサイズに豊かな上半身を合わせなくちゃいけない点
あと一ヶ月
どこまでいけますでしょうか
”一ヶ月でウエストXXcm減!”
というテレビのCMに思わず目がいってしまう
この頃です

 

ヤマキとウェグナーとエイリアンズ

昨日
断続的に降り続く雨の中
春のanimaの作品のロケ撮影を敢行しました
前回は広島で撮影しましたが
今回は下山を京都へ出動させて
ヘアメイクとメイクを
以前にも何度かここで紹介した
冷泉通りのヘアサロン“plak “の大倉夫妻に
お願いして圧倒的順調作業で
予定していた16:00終了を大幅に短縮し
14:30からビールをどこで飲むかを相談していました

このplakというヘアサロンは
琵琶湖疏水のダムの前にあり
窓からの穏やかな景色は職場として羨ましい限り
街の喧騒から少し離れているのに
オープン以来顧客さんが増え続けて
毎日忙しそうです
そんな中の貴重な月曜日の定休日に撮影協力いただき感謝しかございません

plakにもヤマキのヴィンテージギターがあります
ゼロフレットのかなり古いものです
からりと乾いたいい音がします
ハンスウェグナーのデイベッドソファGE258に腰掛けて
雨に次々と撃ち落とされる桜の花びらを
ぼんやりと眺めながら
最近はまっているキリンジの“エイリアンズ”を弾いてみましたが
もう少し練習が必要です

撮影した写真
近日公開します

STUDIO the 3rd heim

広島のスタッフたちが
京都のスタッフたちで必死に作った作品を
美しく撮影してくれます
少しでも
今目の前にあるこの服が
みなさんにありのまま伝わるように
朝早くから
何度も何枚も
撮影してくれます

彼らが撮る写真は
merphの武器になりつつあります

technocrat

我々merphはご存知の通り
極めて小さい洋服のレーベルです
そのため
自由自在に洋服を作り込むことができません
工場にも当然“事情”があり
ある程度の制約のもと我々の洋服を縫ってくれるわけです
生地屋にも同じくあるわけです

冒頭の写真は
昨日上がってきたMR1113″technocrat”の黒です
このジャケットは昨年マイナーチェンジしてリリースした作品です
しかしながら
手に入れた生地はデッドストック
縫製工場に頭を深々と下げて
正反足らずの半端生地を縫製していただき
入荷した数量は入荷日にはほぼ買い手が決まっていました

そこで今年は
少し奮発して生地をしっかりキープして
黒とチャコールグレー2色ご用意させて頂きました
昨年諦めていただいた皆さま
まだ未練ございましたらmerphの部屋でお待ちしています

2回休み

今月と来月
恒例の『毎月3日はthe 3rd heimの日』をお休みさせていただきます
抱えているアレヤコレヤを確実なものにするために
泣く泣く2回休みとさせていただきます
あのおでん屋やあの鮮魚店
お気に入りの深夜のカウンター中華パンチ
無念ではありますが
6月にまた楽しい夜を過ごせるように
今は我慢の本店勤務です

話は変わりまして
地味にではありますが我々merph軍もinstagramをやっております
アカウントはmerph_mediaと名乗っております
撮影は広島店が担当しております
最近いいカメラ手に入れて気合も入っておりますので
お時間ございましたら
のぞいていただき
ハートマークなど赤く染めていただけると
心弱き巨人の励みになります

merph_media

overcome

あともう一工夫
それが吉と出るか凶と出るか
洋服を作っていて
その最後の一手でずっと苦しんでいる
しかし
その一手が“バシッ”と決まった時
仕上がって来た洋服に
本当に自分が作った洋服なのかと興奮する

今年のmerphの春のコートとジャケット
諸事情あり少々生産が遅れたが
merphのまだ短い歴史の中ではあるけれども
わたくし自身
これまでにない興奮をさせてもらっている

今回の最後の一手は
表地と裏地の素材と色のコントラスト
自身が美しいと思ったこの選択が
多くの人に受け入れらて
嬉しい

春のコートも
冬とは違う制作アイデアで楽しめた
年数を重ねて
今まで苦手だったことも
楽しみ方が見えて来た

keep changing

cassowaryが日々変化しております
毎日の様にオークションで落札した家具が届き
一時的にここに送られております
先月までとはガラリと変わりました

先ほどその”リビング”にまた新しい作品が届きました
家具だけじゃなく
本来届くべき物も続々と届いております
夜はまだまだ冷え込みますが
分厚いコートはそろそろ脱ぎ捨てて
軽やかな衣でいつもの酒場へ繰り出します