salon de kyoto

今から18年も前になるんだなと
改めて思う

ある日突然
京都に住んで少し知識がついていれば
誰もがまさかそんな場所に
そう思ってしまう五条の橋の西の袂に
今まで見たこともない風体の美しいカフェができた
当時日々納得できず悶々としていた青年坂井(25歳)は
たやすくそこに吸い込まれた

鴨川沿いに大きく開く窓
オーナーである西堀氏のデザインした家具にプロダクト
それと世界の名作のテーブルに照明にグラスにカトラリー
今は二階もカフェになっているが
オープン当初は二階と三階がオーナーの自宅だった

毎日のように通い詰めた
ぼー と鴨川を眺めて珈琲を飲んでいると
時々オーナーが上からおりてきて
悩める後輩たちの野心を煽っていたのを思い出す
そして
まんまと煽られた坂井青年は
中年坂井となり
今もまだ大成せず
夢みたいなことばかり追いかけている