二年越し

昨年の冬
一番自信を持ってリリースした作品
見事に売れず
今年まで寝かしてみたところ
なぜか連日売れていくのがこのMR3059のレイヤードワイドパンツ

昨年と今年
世の中に何があったのかは知らないけども
壊れかけていたパンツ制作への自信が少し回復

こちらは淑女用anm3036

ツイードという抜群の面をもつウールの生地は
個人的に大好物
しかし
その扱いにくさときたら天下一品
それを生かすために考えて作ったこの作品
昨年見逃した方
もう一度しっかりご覧いただきたい

 

dayllife

冬の本格始動により
コートが売れるというのは量販店の話でしょう
我々のようなコートで勝負しているレーベルでは
まずコートを選んだ後
寒さの本番になってから中に着る何がしをお求めいただきます

昨日のMR4110も好調ですが
このところこのMR4108も活発です

しっかりしたウールの天竺に
裏にさした鮮やかなコットン天竺
雰囲気と着心地を共存させました

まくらなくても
そっと覗く裏の差し色を自慢してください

12月
ズンズン進む日付のカウントダウン
忙しくて忘れそうになってましたが
こっそり本日43歳になります
今夜は仲間たちに祝ってもらえるそうです
しっかり酔っ払ってまいります

救援物資

怒涛の完売を成し遂げました冒頭の写真のMR4110
工場様のご協力により
あっという間に追加生産到着です

今回使用した生地の軽さと肌触り
かなりインパクトがあるようです
この試着者の購入率の高さは
まさに生地のおかげでしょう

寒さのます日本列島
軽く柔らかく肌触りの良い今回のarenareader
ここからが本領発揮です

並木橋

洋服の世界に入ったのは大学の三年生の冬
突如目の前に開いた普通な大学生には非現実的な世界
京都にいながら
その当時の洋服業界の中枢と接する時間は
同じ仕事に携わっていた京都で働く仲間たちに
随分と嫉妬された
でも
当の本人はそれに浮かれる暇などなく
あの怪物たちの中で
無知な若造が通用するために
がむしゃらに食らいついて毎日ボロボロになるまで頭を使った

21歳のあの頃の私は
親の反対を押し切って
全く勉強をしてこなかった洋服の制作を志し始めていた
真面目な両親にとって
デザイナーなどという職業は
あまりにも未知の存在で
何一つ安心する要素がなかったのだろう
それでも我慢して見守ってくれたのは感謝している

あれからいろんな経験をして
今小さいながら洋服のレーベルを構え
会社をやっている
しかしまだまだ全然安心はさせていないのが恥ずかしい

2017年も残す所半月となった
今年は卸をやめた最初の一年
展示会をしなくなった私は
かつて毎月のように行っていた東京にほとんど行かなくなった
そこで先日
世話になっている先輩の店の8周年のお祝いをメインテーマに
ずっとお世話になってる人たちに挨拶に行ってきた

東京に行って
何か刺激を受けるってことは
もうない
そんな感じの制作もしていないし
それができたらもうちょい賢いやり方をしてる
それよりも東京に行って
かつての職場や遊び場を回ると
がむしゃらだった頃の自分のことを思い出す呼び水になる
中目黒
蛇崩
並木橋
今回も三日間のほとんどをその辺りで過ごした

やはり
あそこに戻りたいと思う
いつか
そうなるといい
2017年は
とりあえずそう思うところまでにしておく

いい出張だった

都市型アーマー

日本中が寒波に襲われている本日
このコートで東京に出張
我ながら
驚いた
このコート
防寒性
完璧である

生地は夏用のウール素材トロピカル
その目を縮絨してギッチギチに詰めた
とはいえ
かなり薄い生地である

110cmを超える着丈を翻すと覗くマイクロフリース
これが威力を発揮している
そして
とにかく
軽い
本日は
コットンのハイネックカットソーに
薄手のウールカーディガン
その上にこのコートで極寒の渋谷に打ち勝った

MR1121 “urban panzer”

ただそれだけの

12月9日
まだかまだかと待ち続けたその日は
感動的なまでに素晴らしい1日となった

金沢公演の前日の7日から
行動を共にした三人の音楽家と一人の料理人との旅は
普段一人で絵を描き洋服を作る時間が長い私にとって
ちょっと特別な時間だった
楽しく飲んだりうまいもの食ったりする時間だけではなく
音楽や料理に真剣に打ち込む
プロの姿勢は自分のモチベーションの燃料になった
それと
やはり音楽家への嫉妬と憧れは強い
あんな風に歌えたら
あんな風に弾けたら
あんな風に叩けたら
どんなに楽しいんだろう

音楽にはこういう刹那があるから羨ましい
洋服にはないから
SHOWなんて馬鹿馬鹿しいし
だから
彼らに僕の服を着て刹那の仲間に入れてもらった

さあ次はいつにしようか
こんなに楽しい企画をまた何年後なんてもったいない
さっさとまた次の企みを
大人気なく心底楽しめる企てを
2018年もたくさんやって行こう

ここをご覧いただいている皆様にも
お付き合いいただきたい
宜しくどうぞ

しんがり

MR1121
2017年のしんがりは
このトレンチコート”urbanpanzer”に任せました

生地は縮絨したウールトロピカル
裏地には今季多用しているマイクロフリース
チャコールグレーに対し
鮮やかなブルーを裏にさしました

これまでのmerphのトレンチは
かなり寸法が細めでしたが
今回はサイズ3で肩幅を47cmまで出しました
身幅も64cmと過去最大幅です
しかし
バランスをとり
生地にあまり膨張感を持たせなかったので
さほど大きくなった印象は受けないと思います

着丈もサイズ3で110.5cm
大きく裾を翻し覗く鮮やかな青で人目を引いてください

さあ
ようやく持って
merphの作品揃いました
これで心置きなくどれをパートナーにするか決めていただけますよね

お待たせしました

大団円

御池通の美しい紅葉が散っていきます

知ってましたか
12月だって
冗談じゃない
まだ何も終わってないのに
一年が終わろうとしているんです
どうしてこうも
人生は予定通りにいかないのでしょう
新春に書いた絵空事では
12月にはやる事なくなり
金だけ余ってる予定でしたよ

当然のごとく破れた夢はまた来年の宿題としまして
毎日酒宴に出向きたい私の願いをよそに
cassowaryは連日の大にぎわいです
丹精込めたコートたちは
毎日のようにどなたかにお持ち帰りいただいております
今年は我ながら良い仕事をしたと思います

来年はどんな外套をこしらえましょうか
いや待てその前に
まずは今年最後のトレンチコートが
どうやら明日か明後日届くようです
深いチャコールグレーの裏にさす
鮮やかなブルーの科学の力
大きく翻して
いよいよやってくる冬を
軽やかに踊ってください

Polaris x merph

覚えている人
いるでしょうか
堺町六角に構える我々の旗艦店
cassowary
この店は今年の8月
10周年を迎えたのですが
かつての寺町御池の店舗から旅立つ際
その門出をライブで祝ってくれたのが
Polarisのオオヤユウスケでした

あれから10年の月日が経ち
Polarisは京都の事務所に移籍してきました
それも
あの日
門出のライブを開催してくれた
その店が運営する事務所にです
これを縁と言わずして
なんと言えばいいか
私の乏しい言葉の泉の中に見当たるものはありません

あれから私は
オオヤユウスケのあらゆる舞台に衣装として関わりました
そして
今年
彼らと共にこのTシャツを作りました
アーティストのグッズでここまでインパクトのあるものも
そう多くはないのではないでしょうか
あらゆる問題をクリアして
しっかりと意義のある作品として仕上がったと
思います

Polaris所属事務所のbudmusicのご好意により
cassowaryでも少しだけ販売させていただけることになりました
季節外れのTシャツですが
2018年の夏の一枚によかったら加えてください

Slight return

寒さがようやく本気を出して
merphのコートを着させてくれる季節がやって来ました
納品がその幕開けの
ギリギリになってしまったことを
まず
謝ります

ただ
ご覧ください
その仕上がりたるや

待った甲斐は
ありました

襟の返り
肩の仕上がり
前の張り
色々な要素をもう一度やり直して
これまでのmerphのこのデザインを
ちょっとキリッとさせました

黒とグレーのぼやけたグレンチェックに
ケンピ(枯死した獣毛)が飛び込むこの面に
一目惚れしたのは今年の春先
それから何を作るか
あまりにもこの生地に惚れ込みすぎて
決断ができない日々が続きました

結論は
一番シンプルな作品
そして
今期一番仕上がりを期待している形
というわけで
もう一度考え直したこのデザインにしたわけです

今シーズン
型数は少なかったと思います
でも
どれも仕上がりにこれまでにない満足を得ています
新型に挑むのも楽しいですが
ちょっと立ち止まって戻ってみるのも大切です
限られた型数の中で色々試した結果
非常に良いシーズンになっています

さあ
まだまだ始まったばかりの冬を噛み締めながら
私の机の上だけ
一足先に春に向かいます