腸詰とワイン『Tongs』(トング)

コロナに振り回されるのももう飽きました
ちょっと楽しかった出来事を書こうと思います

身内ネタになりますが
私の弟はその昔the ARROWSというバンドでメジャーデビューし
数枚のアルバムを出した後
そろりと一線をしりぞき
作詞家として活動し
結構しっかり作品を世に出してきたのですが
それと並行して大好きなワインの勉強をしてソムリエの資格をとり
昨年の夏
東京から地元名古屋に居を移し
父とタッグを組んで酒販免許を取得して
念願のワインショップを始めることになりました
残念ながら父はその大役を果たして昨年2月に他界してしまいましたが
じっくり堅実に準備を進め
近くオープンする運びとなりました
整いましたらまたこちらでサイト情報など告知いたしますので
皆様よろしくお願いいたします

さて、ワインショップの件はまた後日といたしまして
本日の本題はこちらです
ソムリエとなった次弟がワインショップオープンに先駆け
20年来の親友、シェフの松本健太くんとともに
2019年10月オープンしたレストラン
『腸詰とワイン Tongs』についてでございます

名古屋からcassowaryへお越しいただくお客さんや
高校時代の同級生などに宣伝したところ
ありがたいことにみなさん続々とご来店いただきまして
ご丁寧にご感想もいただいたのですが
評判も上々で
かなり期待して二月の半ばにようやく時間ができたので行ってまいりました
いや〜
身内びいきと思われてしまうと思いますが
正直予想を上回る素晴らしい料理でした

まずは自家製プロシュートから白ワインで幕開け
これハム系統の中でいちばん好きなタイプです
酒の知識は全く頭に入らない人種ですので
ワインについては語れません
弟がプロですのでいい加減なことも言いたくないので省きますが
さすがにうまいの飲ませてもらいました

ポテトサラダとネギのピクルスをつまみながら
1本目のワインを飲み干して
カニのテリーヌで2本目の白ワインに突入
このテリーヌ
おかわりしたかった。。。

撮り忘れちゃいましたが
ふきのとうの腸詰
ふきのとうの香りがすごく良かった
ちなみに冒頭の写真は名物の看板背負ったトングの腸詰
はい、二本食べましたよ
どんどんワインは進んで困ります
しかしどれも自然派のワインだけあって
酒豪一家全く酔いません

そしてこれです
待望のヒレカツ
私これを楽しみにしておりました
これに独特のスパイシーな風味が特徴の『太陽ソース』をつけて
からしもたっぷり添えて
3本目に選んでくれた赤ワインその名も『COCHON』(豚)とのコンビは抜群
これすごく気に入ったので
次回の帰省で実家のワインセラーから仕入れてこようかと思っています

こんなにワインをガブガブと飲んだのは久しぶりです
この店が京都にあったら
カウンターの住人になってしまいそうです

そして飲みモードはここまででここから主食ターンに入ります
まずはこれ
先ほど書いた『太陽ソース』を使った鴨と玉ねぎのソース焼きそば

鴨とソース
京都でも割烹で鴨ロースにウスターソースがついてくるところもあります
しかし鴨のソース焼きそばとは思いつかなかった
家で真似したい
本当に素晴らしい
ワインが豊富に揃う店の締めにこの焼きそばは麻薬的です

さらに食べました
カレー馬鹿野郎の嫁さんはこれを頼まずには帰れないわけです
最後の最後に『ポークビンダルー』
若かりし頃
京都の老舗洋服店『ロフトマン』の奥にあったカフェで
社長が我々よそで働く若者も
まるで身内のように気にかけてくれたその店のチキンカレー
週に三回ランチで食べていたあの味を思い出しました
〆も大満足
それ至る全ての料理とワイン
うまかった
楽しかった
ありがとう健太くん
ありがとう竜二
また行きます
いやすぐ行きたい

名古屋の皆様
そして名古屋へお越しのご予定がある皆様
ぜひ一度のぞいてください
『腸詰とワインTongs』
胃袋を空っぽにしてから扉を開けてください
必ずご満足いただけると思います

コロナ騒ぎの昨今も予約でいっぱいとのこと
あらかじめお席お問い合わせください

腸詰とワイン Tongs
〒461-0005名古屋市東区東桜2-3-38 2F
tel:052-908-0902

 

online store アップデート

さすがに店頭は暇です
正直不安でございます
しかし先日のイベント中止以来
数多くの方から励ましいただき
やる気に満ち溢れております
デザインも毎日何型も描き上げて
今年の秋のラインナップも埋まってまいりました

そして
この状況ですのでせめて新作のラインナップをご覧いただけるように
online storeを更新しました
写真の質がイマイチで申し訳有りません
暇なのでカメラもちょっと勉強して
どんどん写真を撮って良いものと交換していきます

2月はmerphonia関連の納品が立て込みましたが
3月は中盤以降merphの作品が立て続けに入ってきます
店頭が静かなうちに
どんどん今だからできることをして
悪魔が過ぎ去るのを待ちます

merph online store KAMMER

 

MR1147&anm1086

新境地です
これまでの洋服は基本的には極力前に降り立体的な構造をしています
だからお買い上げいただく時
非常にたたみにくい
パターンによって形成した平面のパーツを縫い組み立てる事で立体に持っていく
何型作ってもその都度しっかり寸法の設定を吟味する必要があります
それが長年こういう洋服製作に取り憑かれた要因の一つです

さて
それに反しましてこの冒頭の写真 MR1147は実にヒラペッタイ
着物のように平面的
ただし
肩線は多少傾斜あり
そうしないとステンカラーがつけられない
このまま続けると難しくなるので
角度を変えて説明すると
パターンではなく
生地の特徴とディテールの組み合わせで形を成す洋服を作ったということです

しかし
センターをステンカラーのディテールで柱を立てて
ベースに漂う和服のニュアンスを相殺しようと考えました
あからさまにならないように
そしてできる限り私の作る服の姿になるように
うまく仕上がったと思います

この写真だとわかりやすいかと思いますが
肘のあたりで袖が切り替わります
その袖穴を少し前傾斜にしているので
平面設計の弱点の肘のハリを軽減します
いや
無くしてくれています

素材は私の大好物スプリットファイバー系統の微起毛撥水素材
起毛の反射により店頭だとネイビーに見えるようですが
黒です

サイズは男性用(MR1147)と女性用(anm1086)の二つです
とはいえかなりの寸法で設計していますので
どちらでも好きな方をお選びいただければと思います

ご遠方の方からのお問い合わせも多数いただいていますので
なるべく早くオンラインに載せたいのですが
黒の撮影、、、難しいんです

 

 

2月27日8時7分

merphonia中止から一週間が経ちました
たくさんの激励の言葉とともに
このイベントへの期待とその中止への無念
様々な言葉で受け取りました
コロナウイルスは未だ収束の気配を見せません
そんな中で軽はずみなことは言うべきではないですが
このイベントは必ずいつかリベンジをとげようと決意しました

2月27日の朝7時半
私は製作の主任へ電話をかけました
早すぎるとわかっていたのですが
一刻も早く決断を伝えなくちゃいけないと思い
ベッドの中からかけました
『今回、悔しいし怖いけど中止しましょう』
ベッドから立ち上がり
寝室をうろうろ歩きながら話しました
足は震えていました
開催二日前の突然の中止
さらに前の晩寝る前まで
私は
『うちはやりましょう。責任は全部私が追います』
そう主任へメールを打っていました
そこから朝が来るまで
決断が変わった理由はなんだったのか
未だにはっきりとこれだと言えません
つまり何かを理由にしたのではなく
『今回はやってはいけない』と最初からわかっていたもう一人の私が
『今回はやらなきゃいけない』と最後まで気を張っていた私を説得したのだと感じます
こんな普通ならありえないタイミングでの中止の連絡にもかかわらず
主任は冷静に話を聞いてくれて
そして私の判断を尊重してすぐさま関係各所への対応を始めてくれました
こうして2月27日午前8時7分
merphoniaは正式に『中止』となりました

いざ中止を決意すると不思議なことに
未だで冷静に考えられていなかった事が
正しく判断できるようになってきました
『責任を取る』などと軽々しく言いましたが
このイベントで万が一感染を拡大させてしまった時
どんな状況に陥るかを考えて再び足が震えました
(その後、大阪のライブハウスでの感染拡大を知り、三度震えました)
しかしどちらの不安
つまり中止にして降り注ぐ不安
そして開催して降り注ぐ不安
この二つの不安の質の
どちらがたちが悪いかは明確でした
中止して降りかかる不安ははっきりと対処の方法が見えているのに対し
開催して降りかかる不安は本当に降りかかるかどうかもわからず
さらにもし降りかかったらどうしたらよいかわからないことだらけでした
未曾有のウイルス感染パニックに洋服のデザイナーが取れる責任などないんです
だから『責任を取る』という事が本当に発動できるのは
中止するという選択肢でしかなかったとわかりました

逆手に取ります
本番に向けて全力で準備してきました
しかし一世一代の大イベント
本番が近づくに連れて
『ああしておけばよかった。これもやりたかった』
と言う欲が次々と噴出してきておりました
そう
今回の中止により
それにもう一度チャレンジできるんです
2月29日はリハーサルだったと
中止にかかった損失を宣伝広告費だったと
やがてみんなで笑える日を
そうmerphoniaリターンズ開催を目指して
とにかく私はまずはmerphを創ります
リベンジはやり直しじゃ話になりません
倍返しが最低限のマナーです

2020最初の挑戦

頑なに勉強してきた洋服の路線を創り続けてきましたが
久しぶりにちょっと今までとは違う発想の洋服を作ってみました

簡単に言いますと
ヒラペッタイ構造の服です
しかし
そこはキャリアのプライドもございます
ただ単にヒラペッタイものではございません
平面的な中に角度や生地の特性を利用し
更にニディテールで立体感を出したり構造的に層をなしたりさせて
なんか不思議なものが出来上がりました
さて
これはなんと呼びましょうかとなりますが
私の中ではこれもバルマカーンでございます

複雑です
これ以上の長ったらしい説明はやめておきます
とりあえず
百聞は御試着に如かず
店頭でお待ちしています

for men
MR1147
C/#:black 
size:FREE(着丈F92cm/B100cm 裄丈82cm バスト192cm)
¥56,000(+tax)

for women 
anm1086
C/#:black 
size:FREE(着丈F87cm/B95cm 裄丈76.5cm バスト186cm)
¥56,000(+tax)

 

春の兆し

2020年が始まり
最早12日
年末年始をまたいだ仕事の再稼働と
年始からの店頭の賑わい
そこに迫り来る決算と
一日が電光石火で過ぎ去って
そうこうしている間に15周年記念祭“merphonia”が迫ってきました
ご協力いただいている皆様のおかげで着々と広まっております
店頭では常にチケットを100枚は持っておりますので
ご来店の際にご購入いただけます
よろしくどうぞ

さて春が来る前に最後の売り上げのピークを迎えておりますcassowary
春を見越したご購入が増えています
今年の冬はもう来ないのでしょうか
今週はこのコートがよく売れました

隙間の買い出したハンガーに春物を飾っていたところ
そこに反応する方が続々とご来店
他にもオフホワイトのパーカや
カモフラージュのチュールスカートがよく売れました
常連さんからも春物の入荷スケジュールにご質問が増えています

そんな状況ですがcassowaryは19日まで営業したのち
しばらく休業をいただきます
春から秋へのシフトのタイミングで
ストックスペースをちょっと作り直します
その後2月2日の創立記念日に豪華なメンバーに夜ライブイベントを行い
2月3日より通常営業を再開します

その2月2日のライブ
もうすぐ各アーティストからの告知も始まります
毎度そうなのですが
この京都の名も無い洋服店の小さなライブイベントに
毎度日本を代表する方々が来てくれることに感謝しかありません
今回も素晴らしい面々が来てくれます
それに加えてライブドローイングが入ります
これはきっとお子さんも楽しめると思いますので
是非親子連れでもご参加下さい
詳細は先日のブログに軽さしておりますので
こちらをご覧ください
merphonia pre-event “merphonia ver.0”

 

ありがとう2019

2019年12月31日
現在午後3時です
29日30日と店を休ませてもらい
本日31日
13時から17時まで荷物が届くのを店で待ちながら
ちょっとだけ営業しています

まあ今日はどなたもご自宅でゆっくりされると思いますし
このまま書類の整理をしつつ
持て余した時間で2019年を振り返ってみようと思います

 

2019年はこのコートから始まりました
昨年の瞬殺と淑女用がなかった件を受けて
60着製作しましたが
これもまた新たな青いコートが欲しいという人口を
増やしただけの呼び水役でした
しかしもうこれで打ち止め
2020年はまた別のものを作らせてください

その次に店頭を盛り上げてくれたのは
このドルマンロングスリーブシャツ
ハイゲージのクールマックスニットを使ったおかげで
室内干しですぐ乾き
その途中にニット素材だからシワもなくなる
昨年作った半袖とともに
このアイデアが夏の正念場を救ってくれました

夏の納品は早々と切り上げて7月早々に到着したのは
スプリットファイバークロスのこのトレンチ
しっとりとしたスウェードのような仕上がりの生地面は
工場を苦しめて
『もう2度とこの生地持ってくるな』と怒られました
文句を言いながらも今年発注した96枚をしっかりと仕上げ
それも7月の頭にピンポイント納品していただいた工場の皆様に感謝
そのおかげでこのコートは8月半ば気温が35度を下回る前に
なんと50着が店頭から消えました

そしてそのトレンチの女性用の在庫が風前の灯火になったところに
真打ち登場
今年もたくさんの方に
このmerph cardinalをお買い上げいただきました
昨年と今年合わせておよそ120着の赤いコートが
京都の街角から全国や世界中へ
インターネットも使わず
店先で直接オーナーを見つけました

他にもたくさんの私の作品に
毎日毎日老若男女国籍問わず
レーベルの名前も聞かずとも
名無しに払うには高額なお代を支払って
それぞれのクローゼットへと連れて帰ってくれました

かつてこそばゆい定型文でmerphを30文字で紹介されて
ストレスを抱えながら洋服を作っていましたが
覚悟を決めてもう自分の目と耳と心が届く範囲でしか売らない
そう決めて2019年地面を裸足で踏みしめて前に進んできました
苦労と呼ぶにはあまりにも楽しく
感謝と頭を下げるには足りない
そんな毎日を過ごしてきました
おかげさまで
京都堺町六角の街角を偶然通るしかたどりつく方法がない
普通の洋服レーベルが当たり前にすることの真逆を表と言い続ける
偏屈な洋服店は
そんな環境であるにもかかわらずまたたくさんの方々に
新たにmerphを知っていただけました
それだけではなく
一年間店頭にほぼ毎日に居たことで
2年、5年、10年、15年
さらに前の会社の頃から20年間
私から服を買ってくれている方々がいることを
改めてこの目と耳と心で確認して
この人たちを裏切る服創りを絶対にしちゃいけないと肝に命じました

2019年
今の自分の全力を出し切れました
さあいよいよ今年最後の日が暮れます
皆様良いお年を
そしてまた2020年にお会いしましょう

春へ向かいます

冬が本番を迎えもしないのに
もう春の資材が続々と工場へ向かっています
サンプルも順調に仕上がり
その出来栄えに
苦手な春夏シーズンが少し待ち遠しいこの頃です

そんな2020年の春のラインナップは
いつも通りのmerphの後継者はもちろん仕込んでありますが
ちょっと新境地に至った面白いものが混ざりこんでくると思います
我ながらなかなか良いものを思いついたとほくそ笑んでおります

そしてそして
お騒がせしておりますmerph 15th anniversaryのfestival
『merphonia』へのカウントダウンがじわりじわりと進んでおります
このところ毎日のように店頭でチケットお買い求めいただいておりますが
なにせ会場が京都KBSホールでございます
まだまだ入れますのでどんどんご参加お願いします
大好きなバンドと料理店を巻き込んで
15年のmerphの活動の大打ち上げを敢行します
お仲間やご家族お誘いいただき
2020年2月29日御所の西の宴会場へお越しください

merphonia.com

一般チケット販売

下記プレイガイドにて12月7日(土)より販売開始。

ローソンチケット

http://l-tike.com

0570-084-005 / Lコード:51807

イープラス

https://eplus.jp/mrp/

チケットぴあ

http://pia.jp/t

0570-02-9999 / Pコード:168-192

楽天チケット

http://r-t.jp/merphonia

merph

店頭販売(075-777-2723

最終コーナー

12月が半分終わります
このところあまりにも忙しくて
少しブログの更新がおろそかになっておりましたが
今日もしっかり店を開けて頑張っております

今年もmerphのコートを
たくさんの方にご購入いただきました
赤いコートも紳士用は先週末完売
淑女用はフードコートがsize2があと2着となりました
ステンカラーの方はしっかり仕込んだので
まだサイズ1、2ともに在庫残っています
とはいえ残りわずかでございます

急遽仕込んだチェックのステンカラーも好評ですが
多くの男性からなぜ男性用をやらなかったのかと叱られております
特にネイビーの方は男性ウケが非常によく
久しぶりの判断ミスを心に刻んで
2019年の残りの日々を過ごして参ります

そして
散々こちらで人手不足を嘆いて参りましたが
ついに一人の19歳の青年が
cassowaryの番頭として立候補いたしまして
先月より土日限定で皆様のご来店をお待ちしております
まだまだ勉強することしかないのですが
しっかり育てて1日も早く一人前に仕上げます
春の仕込みも慌ただしく
私はデスクにかぶりついておりますが
新人スタッフが全力で皆様のご試着をアシストいたしますので
しばらく御付き合いください

merphの肥やし

自宅のもみじがようやく赤くなってきました
我が家の周りのもみじはどれももう深紅に染まって
散り始めているものさえある中
未だに半分はまだ緑のまま
数週間前まではこいつは本当にもみじなのか疑うほど
赤くなる気配がなかったのですが
ひとまず安心しました

12月になりました
本日anm1078のcheck ver.が全数納品され
これでいよいよ今年の納品が完了しました
長い一年でした
今年もいろんな洋服を作りました
そしてたくさんの方にご購入いただきました
その一つ一つが
また新しいmerphの肥やしとなります

今月は続々とサンプルが上がります
そこに最終の修正と生地の決断をして
新しいmerphをみなさまにお届けします

まずは
あとふた月
冬のmerphをお楽しみください