blue in black

この店をやっていて
我々がいかなる名前のレーベルであるか
ますネームタグを見るお客さんはごくたまにしかいらっしゃいません
店構えや看板がないことから
ある程度の覚悟を持って独自のスタンスでやっていることは伝わるからだと思います
それは我々に対する敬意だと感謝して受け止めています

だから
そろそろいいのではないかと思ったのです
洋服からmerphの文字を消しても
もとより我が洋服のレーベルの名前や
店の名前をプリントすることを恥ずかしいと感じていたのですが
最近では洋服にレーベルの名前を印字したタグをつけることさえも
なんだか違和感を感じておりました
生一気ですが一人の創作者として
名前ではなく作品を知らしめることを望んでいます

看板を出さず
取材も受けず
映画で主人公が着てもエンドロールに名前を出すことを拒否し
卸もやめて
ついに名前を消しました
それでも服は売れるのです
第三者証明を必要としない
自分の目と心で洋服を選ぶ皆様
今後とも名隠しmerphにご期待ください

スタンス

今年の春
入荷してすぐに姿を消したMR1122 guardian C/#black
あの時点での追加生産を見送り
秋冬の立ち上げに回しました
実は六月に届いていたんですが
少し倉庫で眠れせて
春夏の生産が全て終わるのを待っておりました

春夏と秋冬
シーズンを二つに分けて締め切りに追われて作品を作るのではなく
二ヶ月後に店頭に並ぶ作品を作り続けるmerph
無理にフルアイテムを作らず
得意なものと面白いこと思いついた場合に新作を増やしていくんです
1型1種類の生地で多くても4、50着
京都と広島の旗艦店と時々東京でポップアップを開催して販売すれば
すぐになくなってしまう数
だから2年くらいかけて優秀な作品は数種類の生地にはめてリリースします
そこにまた新しい作品がエントリーしていくシステム
長くかかりましたが
自分なりの洋服制作のスタンスを
ようやく見つけたと思います

それじゃあ
そろそろ秋の作品
届きますので
お楽しみに

TOKYO SUMMER POP-UP & SECRET SALE

TOKYO SUMMER POP-UP & SECRET SALE

2024年7月26日 金曜日〜7月29日 月曜日
OPEN12:00 CLOSE18:00
(18:00には完全にクローズいたします)

SALE 最大50%OFF

@サモスタ恵比寿
〒150−0011
東京都渋谷区東3丁目15ー8 小澤ビル402号室
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merphの新作アイテムのポップアップとシークレットセールの同時開催

*ご本人とそのご家族のみのご招待となりますので
 ご同伴、ご紹介でのご来場はお断りしております

お問い合わせは公式InstagramのDMにてお願いします

merph公式 Instagram @merph_media

暴風の前に立つともしび

疾風のごとく現れて
つむじ風を残して消え去ったMR2068 black
すぐさま追加生産に入ったものの
生地到着をまつ2、3日の間に
その追加生産分も入金予約にて完売
さらに生産を増やそうと生地を発注するも
 black完売
そこでリクエストの多かった白を制作することに
本当は来年にとっておきたかったカラーバリエーション
しかしこの勢いとまだ長い夏のことを考えると
ここはピッチに送り込むしかない
しかし白だけでは開いたスペースを埋められない
潰し屋が必要だ
黒がない以上やはりネイビーに頼るしかない

このネイビーがまた非常に生地面がよく
白と共に6月30日にピッチへ投入

あれから3日
白があと2着
ネイビーが5着となってしまった
悔やまれるのはもう1反ずつ制作しなかった判断ミス
選手を信じなかった指揮官としての器のなさだ
私にも西野監督のような器があれば…
色々いう人が多いけど
きっと決断を迫られたことのない人たちなのだろ
あの人の決断とそれを一人で背負い
全てを受け止める背中
憧れさえ抱く

というわけで
 MR2068 再入荷分
暴風前のともしび警報

巴里本舗

京都に居を移してもう20年を超えた
地元の名古屋よりも長く住むこの街
当然馴染みの店も増えた
京都は飲食店群雄割拠
生き残るのは大変だ
でもそんな中で
私の友人の店はしっかりと街角に根を生やして
うまいものを食わせてくれる

昨夜のお供はいつものヴァイオリニスト
カウンターにはレギュラーメンバー
肴はふっくらと揚がった肉厚のアジフライに
ピクルスと卵のソースがたっぷりかかった一品
深刻に語り
痛快に笑い
ビールを存分に腑に染み込ませた

少し向こうがわ

自分の洋服を褒めらえてもむず痒いが
店の内装や選んでいる家具を褒められると非常に嬉しい

今日もアメリカのご老人に店を絶賛してもらった
彼が気に入ったのは私の大好きなデザイナー
 Konstantin Grcicのスツール

昔少し家具の仕事もしていた時期があり
その頃お付き合いしていた家具屋の方々に
ものすごくたくさんの世界の名作の実物を
目で見て手で触れて勉強させてもらった

その中で一番気に入ったのがこのグラス
もう現在では生産されていないKonstantin Grcicのウイスキーグラス
内側の段差でスタッキングできるこのアイデア
それによって仕上がったこの佇まい
ズドンときた
それ以来彼のデザインの虜である

デザインというの奇抜であることよりも
誰でも思いつくことの少し向こうが気持ちがいい
meprhのフードはちょうど自分にとってそれである
そういうデザインはそう簡単にポンポン出ては来ないが
叩き出せば自分の制作の財産になる

夏の忍び寄る六月末の昼下がり
今日もデスクに座って
少し向こうがわを探索中