koichi ITO

新しいシーズンを始める時
多くの人から洋服以外にもう一つ楽しみにしていると言われるのが
シーズンアイコンの動物の写真
今シーズンはこの白いフクロウNyctea scandiaca
何度か紹介してきましたが
この写真を撮っているのはもう15年来のおつきあいとなった青年
初めて会った時は京大の学生さんでした
今は某企業に勤めながら作品を撮り続けています

彼の作品をアップしているサイトになります
お時間あればぜひごらんください
koichi ITO

 

予感

展示会をやめたmerphは
洋服をじっくり作る時間を手に入れました
ここ数年
展示会の足音に追われ
オーダーが付くかどうかわからないのに雑音に振り回されて
中途半端なものづくりをしていた気がします
とうの昔に気づいていましたが
実践する勇気がなかっただけなのかもしれません
それがいよいよ卸先が少なくなり
直営店を作ったことにより
踏み出せなかった一歩を踏み出すことができたわけです

これからのmerphは突然洋服を作っていきます
何時いい生地が見つかってもいいようにデザインは右のポケットに
何時いいデザインができてもいいように素敵な生地は左のポケットに
そして半年を通して出来上がったmerphの作品たちを携えて
もう一つの物語の可能性を見出していきます
その物語の話は
また冬が深くなった頃

merphは今
いろんな予感で浮ついています
予感を一個一個実感に変えていきます
さあ
明日から再びキャピタル東京
野望の実現には地道な労働とそのあとのメンチカツ
そして黒ラベルであります

冬の侵食

祇園祭で華やぐ京都を離れ
東京にいます
大事な仕事ですから
たとえ京都がどんなに楽しくとも
やるときはやります

堺町六角は鉾も山もない圏外ですが
それでも例年周りの旅館や飲食店の軒先に
うまいものがずらりと並び
仕事の途中に知り合いの店の屋台をぐるっと回って
店に持ち帰り
黄昏時から宴を始めるわけですが
今年は渋谷で缶詰なのです

留守を吉川に任せたcassowaryには
続々と秋冬の秀作が届いています
中にはすでにサイズ在庫があと一枚になったものもあります
まだこれからじりじりと夏の暑さが増強されるところですが
店舗面積に見合わない大馬力のダイキンエアコンの風を木枯らしに見立て
やがて来る2016年の冬の身支度をお楽しみください

Here we go

梅雨が明け
ジメジメと灼熱の共存が始まった京都のmerphの司令部に
続々と縫製のチェック分届いております
今回の秋冬
また仕上がりが向上しています
納品も前倒しで進んでおります
大きな変革を迎えるシーズンに
準備は整いました
ご期待ください

充実を感じるほど暇じゃない

ふと
久しぶりに昨年の作品を試着したら
急に欲しくなってしまった
しかし買うのが遅すぎた
買ったのは6月下旬
一度しか着るチャンスはなかった

今年のmerph 2016SSはおかげさまで素晴らしい消化率
大量に仕込んだドルマンシリーズも順調に数が減少中
7月の売るものに困るほど
そこで昨年の作品も店に並べているが
結構売れていく
在庫がどんどんなくなっているし
来年はしっかりとデザイン数も増やさないといけない
そんなわけで
不器用な脳みそで
現在2016AWの生産と2017SSのデザインと2017AWの企画を同時進行
それ以外にも大きな出来事を控えて毎日がアレヤコレヤの目白押し
充実を味わう暇もなく進んで行く
全部がちゃんと追いついてない
『忙しいから』
そういえばそれでお終い
できない理由ばかり探すより
できる可能性を探す
吉川にいつもそう怒鳴ってるんだし
やらないわけにはいかない

大嫌いな夏
ちょうどいいから引きこもって仕事をすこぶる片付ける
さあ来い秋冬
さあ来い2017年

再確認

京都に巣食うて早いもので15年
大学の4年も加えれば19年
前に勤めていた会社の2泊3日の出張が
なぜかそのまま転勤になり
なぜかそのまま独立して
いつの間にか40歳を超えてしまった

昨夜はそんな自分の20年間を
ある友人にまるで取材の様に尋ねられて
2軒はしごしながらじっくり話した
話しながら
自分の過去に対して
なぜそこまで苦労する選択をわざわざ選んできたのか呆れた
それでも
その試練を選んできたからこその現在の自分であるわけで
だからこそのmerphとcassowaryとammonなのだと思う

そして6月も素早く過ぎ去った
もう7月
京都は祇園祭に入る
それが明けたらいよいよ秋冬のスタート
よろしくどうぞ

 

浪漫飛行

今日の夕方
merphの作品をファイルした資料が空を飛び異国へ向かう
この小さな始まりがいつか大きな出来事へと繋がりますように
merphの新しい物語が始まりますように

merphの部屋

洋服を見るために
過剰な内装はいらないと考える
だからmerphを飾る部屋はハンガーラックがあればいい
そこに僕の好きな家具とギター
それ以上はいらない
メッセージが多いと伝わらないこともある
情報は必要最低限に絞る
そして何より
主役が何かをはっきりさせたい
merphを見る場所は
やはり
merphが主役

the earth

内緒の行事が明日から始まるので
昨日はその設営で昼から汗だくになり働いた
サンクタムを始める前に勤めていた会社で部下だった人妻が手伝ってくれて
なんとかリミットの1時間前に整った
僕の下で働いていた女性スタッフも皆嫁いで行って
素敵な奥様になっている
そしてこんな風にまた僕の仕事を手伝ってくれる
不思議なことに男たちは誰も帰ってこない

仕事を終えた僕らは腹が減った
疲れ果てた体には餃子がいい
ということで旦那ちゃんも呼び出して三人で王将へ向かった
二条通りを東へ向かい
付き合ったら左へ曲がり
白川通を北上していると
今まで背後にあった西の空が
とんでもなく美しく暮れ始めているのに気がついた
急遽僕らは大型スーパーの駐車場に車を止めて
急いでその屋上に上がった
写真はそこで撮った6月18日の落日
旦那ちゃんのアイデアで逆さにしてみたら
まるで宇宙からみた地球みたいになった

さあ
今日(19日)から8日間
久しぶりにみっちり接客業
案内させていただいた皆様
彼の地でお会いしましょう

 

breakthrough

徐々に次の春の服も考えていかなくちゃいけない
まずは今年の検証から始める
製作ってのはダメだったもの再構築が傑作の早道
これまでに何度もそうやって主役になった作品がある
まさにホンダのCM
さあ昨日までの自分を越えろ
昨日までのmerphを越えろ