今年はシャツが当たっている
Flavorichのおかげだ
今日で5年と1ヶ月を迎えたこの六角の店
次第に次第に大人のお客さんが増えて来て
奇麗で品の良い洋服がよく売れる様になって来た
そこに昨年から再登場したFlavorichは
まさにお客さん達が待ち望んでいた服だったようだ
このシャツに負けないように
ただいま僕も春に向けてシャツを仕込んでいる
先日スーパーへ行ったらカツオの野郎が戻って来てた
ので
カツオのたたきを作った
ただし
家で藁を燃やす訳に行かないので
麺つゆに生姜をたっぷりすりおろして
そこに暫くかつおの野郎を漬けにして
片栗つけてから油で揚げる変化球にてたたいてみた
これが非常に旨いのだ
ぜひトライしてみてほしい
カツオの野郎が戻って来たこの頃
北山の朝はすっかり秋の肌触り
夜の虫の鳴き声にずたぼろの日中の疲れを忘れる
現在Sanctumは2013年の春夏展示会に向けて
ひたすらサンプルの製作に糸まみれ
布帛の打ち合わせは大詰め
金曜日からは横物の打ち合わせだ
今日は水曜日
cassowaryの番人しながら2013年を睨みつけている
でもそろそろ飽きた
どなたかお時間あれば
マキシムブレンドコーヒーでもいかが?

オリエンタルな服が好きだ
でも
あからさまにその民族的な生地にするのは抵抗がある
天の邪鬼が人の形をしているのはわたくし
マイクロフリースファーで形を成してみた
フロントを閉じたその姿はまたしてもスターウォーズ
ぜひ何かしら刀をアクセサリーに腰に携えて頂きたい
開くと現れるショールカラーとドレープ
横に逃げる裾のR
前に現れるいくつものR
merphでも創れば良かったと思っている
何せ天の邪鬼
『これのメンズが欲しい』
『これのウィメンズが欲しい』
言われれば言われる程
創らない
なので
これを気に入ってくれた殿方よ
奥方様への手土産にぜひ
さて
ここ数日
新人千葉のトレーニングにお付き合い頂きましたお客様方
誠に有り難うございます
この業界での経験はあるのですが
そこは異端児とか変わり者と言われる我々有限会社Sanctum
洋服業界での経験こそが最も足枷と成り果てます
故に入って来る者皆混乱しながらスタートを切ります
千葉も暫くは混沌としますので
温かく見守って頂けましたら幸いです
その分
吉川には出来る限りの厳しい目を向けてください

秋が待ち遠しいから
2年前の素晴らしい夜の写真を載せてみた
懐かしい
友人の音楽家と書家が見た事無いパフォーマンスを見せてくれた
中休みに熱燗が振る舞われた
最近いろいろ忙しくて
そう言う良い時間を創ったり作ったりできていない
早く来い
さんざん夏の事を悪く言ったが
福松で食べたこの鮎の一夜干しは絶品だった
まるで西京漬の様なのに
味噌は一滴も使っていないそうだ
一皿で酒を5合は道連れにする大盗人
あれほど通っていた福松にもご無沙汰
北山に越したのも理由だが
ここんとこ
もの凄く忙しい
ただでさえ忙しい秋冬シーズンに
去年と違い店舗が2つ
それに加えて
己のレーベル以外の仕事も始めたり
毎年
自分の力量の向こう側で行動を起こすのが悪い癖
2012年も後4ヶ月を切った
12月29日
既に決まっている大忘年会に
腹の底から笑い
この世のそこまで酔っぱらうため
朝だろうが夜中だろうが
平日だろうが土日だろうが
とことんまで
ぶっ倒れるまで

我が家の嫡男
通称キノコ頭の副社長に着せている服を最近褒めて頂く
ボーダーやドットのシンプルなアイテム
所謂子供服とは少し違う
わたくしの様な洋服に携わる者が安心して選べる服を提供してくれるのは
わたくしの目の上の悪性腫瘍
京都に来てからとにかく“お世話”になりっぱなしの姐御の店
同じキノコ頭の息子を持つ先輩でもある
ズバズバと物を申すが頼れる目の上の悪性腫瘍
店は御所の南にある
我が家のキノコ頭は1歳半
ようやくいろんな物が着せられる様になって来た
生意気にお気に入りもあるようだ
子供服をやれと時々言われるが
僕にはあのポップセンスはない
背中に刀が隠せる服は創れるが
おもちゃが似合うポケットが付いた服は無理だ
だから
これからも御所の南で2時間かけて酒飲みながら洋服を選ぶ
どこの洋服屋に行っても退屈な京都で
わたくしが自信を持ってお勧めする数少ない洋服店
そしてその店主
皆様も機会があればぜひ
*注)決して脅されて書いた訳ではございません

animaの進撃にあわせて
cassowaryに新しくスタッフが入った
新人千葉
これからmerph_animaを中心に吉川の甘すぎる脇をしめてもらう
本日より勤務開始
皆様宜しくどうぞ
その千葉が着用しているのはanm4012
超微起毛されたふわふわの手触りに人目惚れした
animaのプルオーバーは袖付けがタンクトップ裁断
裁断線の関係性が少しmerphのラグランと変わる
加えてフードのボリュームも押さえ気味
ネック部分は短めで釦は一つ
単純にmerphのレディースサイズじゃない
微妙な差だけど重要だと考えている
備品を買いに行ったカナートの4階から見えた日の入り
完全に秋の面構え
日中まだ34〜5度をキープする京都だが
次第に次第に秋は支配を広げている
風 影 雲
どんどん進め夏の衰退
早くMR1021くらい着られる気候になる様に
心から祈っている

京都の北山ってどういうところか
東京の友人や他府県の卸さきさんからよく質問される
北山はこんなところ
事務所の裏に入れば畑が広がる
先週までここに丸々と太った加茂茄子が育っていたが
収穫が終わりこれから皆さんスグキの仕込みに入るそうだ
こんな環境で仕事が出来るなんて幸せだ
かつては中目黒だの恵比寿だの
そんな街で仕事をする事に充足感を感じていたが
最近は更に田舎で仕事が出来ないものかと考えている
泡の立たない奇麗な清流に
ミヤマやヒラタクワガタが気の蜜に集う環境で仕事がしたい
もはやそのとき洋服を創っているのかどうかわからないが
今もしそれが出来るなら
虫の鳴き声や川のせせらぎが聴こえるデスクで絵を描きたい
実際のところ
様々な理由でまったく無理だけど
妄想から現実に帰って報告を少々
merph_animaの入荷が加速中
merphでのリリースのリクエストも多かったフードコート
それにスウェットとパンツ
続々と店頭へ投入している
少しずつだけどanimaの方も前進をしている

携帯じゃこれが限界だった
昨夜は月を見ながら黒ラベル
炊きすぎた茄子とししとうがまだ鍋に半分残っている
今夜もそれとプラスMGスーパーのメンチカツで黒ラベル
今日はジャケットの話し
この業界に入ったきっかけはhisTUBEのベルベットのジャケットだった
グレーともグリーンとも言えないベースに黒の千鳥格子のベルベット
そのセットアップがどうしても欲しくて金貯めて
テレビ塔の東に有る小さな洋服屋へ飛んで行った
『ごめんな、坂井君、あれ、先週売れちゃった』
洋服が手に入らなくて絶望したのはあれが初めて
そしてあれ以来も無い
この感情を味わっていなかったら
今僕は洋服を創っていない
きっと中日ドラゴンズに入っていてそろそろ引退を考えている
仕方なく生地違いのストライプを購入した
しかしその後運命の出会いが待っていた
京都に戻り大学の友人と会って
そいつも洋服が好きで
4人のチームで京都中のパチンコ屋を廻り
スロットで月収80万を稼いぐ強者で
彼に狙っていたベルベットのスーツを買い損ねた話しをした
『それ 俺 持ってるで』
やけに太い眉毛が一段と力強く
そして初めて愛おしく見えた
『朋 頼む 譲ってくれ』
彼は快諾してくれた
大学の身内で廻って来た京都市地下鉄の看板掃除
1駅¥8,000助六寿司付きのバイトを政治の力で回してもらって
四条とか北大路などの大きな駅以外すべて廻った
小さい駅は看板が少なく1晩で2カ所廻るから1日¥16,000
ただし助六寿司は2つにはならない
当時ミュージシャンになる予定だった僕は
ギターが弾けなくなると困るという理由から
看板で手を切るといけないので
重たい看板をはずして磨く作業はすべて先輩と後輩にやらせて
ひたすらぞうきんをしぼった
その努力の末
遂に千鳥格子のベルベットは僕のクローゼットにやって来た
MR1019
あの時の感情とあれからの現実を盛り込んだジャケット
セットアップのパンツは2種類創った
このジャケットを突破口に
これからmerphでどんどんリリースして行きたい
時に正当派右腕
時に技巧派左腕
そして時にドミニカの暴れ馬の様な
僕の頭の中で生まれる物なら
すべて僕のmerphである

あまりにも奇麗だったので
急いでいるのに自転車をいつもの葵橋で停めて写真を撮った
いよいよ秋だ
日中のうだる暑さにもかげりが見える
しつこい夏ももう終わる
展示会に向けて焦る日々だが
風景と風でなんとか心を落ち着かせている
今日もMR1018が売れた
今シーズンは全品番が絶好調だが
中でもこのMR1018は抜群に調子がいい
仕込みの時間と背負ったリスク(店頭在庫)を裏切らない孝行息子だ
他にも続々と入荷し続々と消えて行くmerph
こんな優秀なシーズンをまた迎えられる様にするために
今は机に向って春の新作に打ち込むのみ
冷えた黒ラベルは2本まで
引っ越してフレスコからの脱却を果たし
安くて旨い刺身が買える様になったが
今夜も来週早々の打ち合わせに向けて資料を作らないといけない
茄子とししとうの煮浸しをつまみに
今夜もケーブルテレビを見ながら
まだ家族が合流しない新居で1人
明け方近くまで頑張ろう

MR3011
今回のラインナップの中で一番気に入っているパンツ
展示会ではヘリンボーンだったのだが
残念ながら廃番
なので
もう一つ使うか迷っていたツイードを差し込んだ
けがの功名
なんだかこっちの方がツラがよくなった
よく有る事だが
その変更を快く受け入れてくれる卸先様に感謝
裏返すとスパンフライス
これが穿き心地を快適にもする
印象的な顔にもなる
当たり前の裁断ではない理由の有る工夫
それが面白くて
そして結果的に手に入った独特の風貌
これこそ僕のやりたい事
創っている本人さえ予想しない結論
たのしい
ここ数年
やりたい事がそのままやはり良い結果につながっている
この調子
続けて行きたい
春の展示会の会場も決まった
なかなか面白い会場で出来る事になった
サンプルを仕上げにかかろう
引越と好調な秋冬の生産でテンヤワンヤだったので
ちょいと急がないと間に合わない

スターウォーズを思い出した
ジェダイに着せたいね
MR4027を早速大勢の方に気に入って頂いて
非常に誇らしい
だからまだ引越の荷物が山積みの新居で
ひとり
ししとうとザーサイで黒ラベルを飲んでいる
雲の合間に不気味に光る月を見ながら
乾杯
黒は1着自分用に取っておこうと思っていた
でも
今回も無理だった
欲しい洋服が手に入らない事で喜べるのは
デザイナー冥利
これでまた次の製作がほんの少し前に進む
それの積み重ね
繰り返し
ビールを1リットル飲んだ
このくらいでは酔わないが
最後のししとうが
滅茶苦茶
辛かった
ので
3本目
頂きながら
骨を見て事件を解決するアメリカのドラマを見る
今日は骨が溶けているそうだ