過去からの重圧

昨年の秋冬のコート見返してみた
生産が上がった時点で
かなりの手応えを感じたシーズンだったが
消化率も素晴らしく
ほぼ何も残っていない

果たして今年の冬はあの成績を超えられるのか

今シーズンはずっと創りたかったカーディナルレッドのメルトンを仕込んでいる
merphとmerph_animaそれぞれ2型ずつ
新作をリリースする
黒味のない鮮やかな赤
春のRDB(ロイヤルドラゴンズブルー)と
冬のCCR(カーディナルカープレッド)
こういう色を当たり前にリリースできる環境があることは
洋服を創る上で非常に重要
cassowaryとthe 3rd heimの顧客様がたに感謝

さて
今年の秋冬の仕込みも佳境
次第に見えてきた2018年の冬のmerph
ここから脇を固める作品の仕込みに入る
そこで力を抜くのは素人である

盛り付け

華吹雪くイサキ
打ち合わせで久しぶりの福松
料理好きだが盛り付けが苦手
料理人たちの三次元造形にはいつも感心する

勝手な解釈だが
素材の質感や重量なんかを踏まえて
頭の中でイメージするんだろう
洋服をデザインするときも同じく
生地の厚さや柔らかさ
重さや肌触りなどを脳のmerphデザイン領域にインプットしてイメージする
こんな服をイメージできるなら盛り付けもできそうなものの
そこはやはりデータ不足や経験不足のせいか
全くうまくいかない
カッコつけて高く盛った刺身は5秒で崩れ去り
皿に散らしたソースはただの汚れと化す
自分が食うものだからそこまでこだわる必要はないのだが
家族に振る舞った時に
『デザインなんかしてる割にセンスないよね』
と母親に言われたりするもんだから
意地でも綺麗に漏れるようになりたいわけだ
夜な夜な料理屋を伺う理由は
そんな勉強のためである

克服と前進

梅雨に入った途端に快晴
すると
ありがたいことに開店直後にご遠方からのご来店
11年目に突入している堺町六角の角っこの店
今や海外にも顧客をもつ店になりました

6月まだ上旬
去年の今頃は生きた心地がしなかったmerph
今年は素晴らしい成績で苦手の春夏シーズンを終えようとしている
ただし
まだ7月8月というコートを主戦場としている私にとって
素っ裸で戦場に立たされるような地獄の二ヶ月が待っている

しかし
今年はこれがある
blackは追加生産分もすでに完売したが
図に乗ったmerphは現在whiteとnavyを追加生産中
さらに柳の下のドジョウ完全スイープを狙って
黒の追追加生産を検討中
animaの方もやるべきかも検討中

もう次にいつ思いつくかわからない
弱点の半袖シャツのクリティカルヒット
叩き込めるうちに叩き込む所存

夏が来る前に

MR2068のfor women anm2013も完売致しました
MR2068 anm2013ともに
私のデザイン史上最高の半袖シャツと言っていいでしょう

予てより
シャツにはデザイナーとして入り込む余地がない
そう申し上げて来ましたが
merphとしての要素を盛り込みながら
しっかり”ちゃんとした”半袖のシャツとして
着用できる範囲に収めたのではないかと思います
我ながら『上手に』仕上げることができました

MR2068は早々に再生産の段取りをしましたが
anm2013はこれにて終了です
websiteやInstagramをご覧いただき
昨日も店頭までお越しいただいた方がいらっしゃいましたが
本当に申し訳ございません
夏はまだ来ていないのに…
これも我々の生産力不足でございます
それと
先日の文章でも書きましたが
私のシャボンの心に勇気が足りないせいでございます

秋冬の生産は
風で割れるシャボンにグリセリンを混ぜて
勇気を振り絞ってみます

雷鳴とアイスティー

最近の日課は
まずアイスティーを作ること
浄水器の水で氷も作ります
それがおわたら掃除機をかけて
ガラスを磨き
最後にcassowary自慢の観葉植物たちにたっぷりと水をやります

ここ2日
雨が続いておりますが
夏はどんどん近づいてきています
先ほども豪雨の中に雷鳴が轟きました
客足は鈍りますが
この空間で豪雨を眺めながらのアイスティー
気に入りました

そして早いものです
明日から六月
京都が一年で一番不快な街になる季節です
湿気と暑さの中
わざわざお越しいただく皆様を
冷たい飲み物でお出迎えいたします
アイスティーとクーラーでクールダウンしたら
夏のmerphをゆっくりご覧ください

そうそう
MR2068が売れすぎましたので
追加生産手配しました
勇気を出して30着
皆様
よろしくお願いします

妄想会議

広島から馬越が入洛し
三人のmeprhメンズは営業終了後
いつも弊社を気にかけてくれている豚串の風味堂さんへ赴き
美味しい豚肉料理の数々をいただきながら
新作について
店舗運営について
接客について
ねっとりはっきりくっきりと話し合いました

人間頭を使えと言われると
何かやることを探しがちですが
私の場合
ああだこうだと難しいこと考えるよりも
ちょっと楽しそうな未来を妄想することが大事だと
そう考えます
今芽生えた何かのきっかけが
やがてどういう顛末を迎えるか
それを都合よく妄想したり
最悪を想定することで
準備や予防ができるんじゃないかと

昨夜三人で一緒に妄想しようと話し合った未来は
洋服屋が1月と7月に冬休みと夏休みを一ヶ月ずつとる
それくらいシーズン中に売りまくる店への成長でした

そんな夢みたいな未来を
無理無理と最初から諦めるんじゃなく
あり得るんじゃないかとほくそ笑んだ方が楽しいし
やる気も出ます
誰かが言ってました
『想像できることは全て実現可能である』と
ならば想像しまくろうじゃないかと思うのです

取り急ぎ
今日は雨なのに
ものすごくたくさんお客さんがのぞいてくれる昼下がりを妄想しつつ
制作に没頭いたします