MR4019
今年のパーカは絶好調だ
プルオーバーもジップアップも
merphもmerph_animaも
一日に何枚も売れたりする
おかげさまで在庫が冬まで届きそうにない
追加したいが
もう春夏の生産が間近に迫っているし
迷ってしまう
このMR4019
昨年よりフードを乗せているネックの部分が長い
それと生地がもの凄く
もの凄く
気持ちいい
ここまでしっかりボリュームを出しているのに
ふわふわしている
最近見つけた旨い豆腐屋の絹ごしもこいつには勝てない
良い生地に巡り会い
形がマッチしたおかげで久しぶりに気持ちよく売れて行く
洋服のデザインとは
単に形を創るだけではなく
それに素材や付属にアイデアを盛り込んで行く事である
総合力で洋服は売れるか売れないかが決まる
ただ形がいいだけじゃ駄目だし
高い生地使えば良いってもんでもない
だから一度否定された形を簡単に諦めずに
生地や付属を再検討して
ほんの少し様子を変えてみるのも
このところトライしている重要な製作の一つである
9月18日
京都は雨
今日も頭痛と肩こりを抱えながら春を睨んでいる
六角に納品に行かなくちゃ行けないが
もうすぐ先輩が
『冬の中央市場に行くのにちょうどいい』
と気に入ってくれているMR3017を買いに来てくれるから
納品は明日にしようと思う

MR4026
僕がコートを創るとどうしても分厚くがっしりとしてしまう
さらりとしたコートを創ったとしても
それはもう僕の創る意味が無い様な気がしてしまう
今回の秋冬もどこにも軽い物が無かった
そこで
シャツ同様にカットソーのカテゴリーで少し気軽な物を創る事にした
圧縮ウールにガッシとしたテレコをぐるりと回して襟と前立てにした
去年12月まで温かい日はニットやカットソーの分厚い羽織物を多用した
それがなかなか楽しかったから
merphでも創ってみた
merphに関して
大義名分振りかざすのは止めている
出来あがる洋服は仰々しい物が多いけど
創る姿勢はゆるやかで居たい
北山の畑の真ん中で
そう思いながら鉛筆を握っている
先程
casswaoryに新作を投入して来た
今日は台風の影響で賀茂川の並木は大きく揺れている
強風でまるで逆流している様に
南から北へ波が立っていた
明日は雨とさっき田和が言っていた
雨が降ると昔から仕事が進む
だから
今夜はデザインをスワッチ用に正書しようと思う
今日でちょうど展示会まであとひと月
これから暫く殺気立つ日々が続くが
時々賀茂川に出向いて心を鎮めながら
もみじが色づく頃まで突っ走る

MR3017
初代はずいぶん前に創ったのだが
昨年それを我々が着用していたら沢山のリクエストを頂いたので
更に防寒性をまして2012年再リリース
上の生地は圧縮されたウール
下はしっかりと目の詰まったスパンフライス
生地自体のボリューム感を考慮し
旧作品より上のパンツを細くした
大成功
既に2色とも自宅に持ち帰った
cassowaryへは週明けに投入する予定
もうすぐ同じ圧縮ウールを使用したカーディガンが到着する
ほとんどコートの重厚なカーディガン
それからフリースのパーカもあがって来る
今年も温暖化など気にせずしっかり冬の服を創りきった
2012年秋冬の生産も最後の大物コート2つを残し
ほぼ完了
今日も北山で2013年のサンプルに追われている
昨夜からうちの嫡男殿が咳が止まらなくなり
何度も起きて泣きわめいたので
かなりの寝不足
それでもそんな事を考慮して
10月16日が待ってくれる訳ではない
だから
3連休
工場が止まっている間にしっかりと詰めておく

気に入っていたんだけど
MR1020
生産が出来なかった
豊かなファーをつけたタンカース
シングルライダースから発展させたパターンは
美しい腰のウエストラインが売り物だったのだが
残念だ
展示会にサンプルを出した時点で
それらは創った本人としては上出来だと思っているということだ
でもそれをすべて生産できる訳じゃない
オーダーがつかない場合もあれば
生産背景にトラブルが起きる場合もある
merphの場合は直営店というバックアップがあるから
オーダーがつかなくてもほとんど生産しているが
MR1020は生地にトラブルが起きた
仕方が無い
来年また少し来年の要素を加えて創り直してみる
ご期待頂きたい
とは言えども
このMR1020のサンプル
非常に出来映えに自信がある
そこで
どなたか気に入ってくれるなら譲ろうと思う
khakiとgrayの2色
サイズは2に相当
価格は北山KAMMERまで

anm4011
merphのパーカと違いラグランのラインが滑らか
肩が張って見えない様に
重要な事
簡単にグレードだけで女性の服を作る人
多いけど
そんなに面倒ならやらない方が良いと思う
女性の体と男性の体ではまるで違う
それなら縮小では
美しくはならない
明日から3連休なんでしょ?
うらやましい
皆さんどこかへ出かけるんだろうな
わたくしは北山の事務所で遅れた仕事を取り戻す
秋の香りが濃くなって来て
来客も増えて来たし
店もしっかり営業しながら
春の服を描く
カットソーの工場からサンプルの納期について
『非常に 厳しい』
とのご返答
詰められるならどこかを詰めて
なんとか10月16日に笑っていたい
明日からの3連休
北山はわたくしと田和
六角は吉川と千葉
2店舗に分かれ全員で秋冬の自信作をご紹介させて頂く
もし京都で休日を過ごすご予定なら
ぜひ

自分で洋服のレーベルを立ち上げて
一番苦労しているのがシャツだ

自分で創りたいものがわからなかった

大学の頃

シャツが大好きでいろいろなシャツを着まくった

古着から強烈なデザインの物まで

その反動だろうか

以後まったく興味がなくなってしまった

洋服を創る様になってから

それは加速した

やりたい放題できるコートやジャケット

自分のやりたい事がばっちりはまったカットソー

シルウェットをとことん奇麗にしたパンツ

それぞれはっきりと目標にする着地点があったから創りやすかった

ところがシャツは飛ぶ事すら出来ないままでいた

僕にとってはシャツは既になぶる事の出来ない物で

誰が創っても面構えは変わらないと感じていた

故に僕の鉛筆はなかなか滑らなくなってしまった

ところがこのところ

少しシャツに対する身構えがかわってきた

僕の見つけた構え方は

『merphの隙間を埋める』

これだ

普通の事かもしれないし

今さらの事かもしれないが

今までの僕の洋服の創り方からは生まれて来なかった発想だった

これに気が付く原因もやはり店でのコミュニケーション

店頭でお客さんからリクエストされ続けた薄手の羽織り物

コートやジャケットで創るには少し僕にとって味気ない物

そこでふと

シャツをその立場まで持ち上げるのは面白いと気が付いた

それから創り始めたのは所謂CPOジャケットの様なシャツ

顔立ちがジャケットに近く

ただし資材とベースパターンはシャツ

今シーズン創った4型は春になればジャケットやコートの替わりになる

製作にしっかりした着地点が示されたおかげで

出来上がったものの売れ行きも激変した

洋服の制作者として最後まで苦しめられたシャツという難関に

8年かかったがようやく希望の光がさした

来年の春夏のシャツは更にグレードアップする

気付いたやり方を技術的に更に昇華させる

パターンとディテールを詰め直し

しっかりとした型数をリリースする予定だ

生地もなかなか面白い物が揃ったし

刺繍やプリントも施す

かつて無い型数のシャツをスワッチに載せる

展示会ごとに何かしら変化を付けていかなくちゃいけない

ただ新しい『merph』を出すだけではなく

新しい価値を示さなくちゃいけない