大原ヘブンリー三千院

幾分涼しかったとはいえど
30度はしっかり超えた京都市八月十七日の昼下がり
大学時代の親友が京都へやって来たので
まずは25年ぶりに荒神口のうどん屋で名物のカレーうどんをぶち込んで
サンクタム号を大原へ走らせました

街中を出発しておよそ30分
道中の温度計は一つ見つけるごとに気温表示が1度ずつ低くなっていきました
目的地は大原三千院
最後に見た温度計は25度
風も心地よく
持って来たハンドタオルの出番はありませんでした

今年に入って2度目の三千院
あいにく来訪者も多く
加えてせっかちな親友が一緒だったので一服できませんでしが
庭を眺め風が揺らす木々の音は
日頃の不安や焦りをしばらくの間忘れさせてくれました

苔と木々の緑が美しいこの庭も
これから冬への準備に向かいます
次は紅葉のを楽しみに行く予定です
merphの最盛期を優雅に過ごせていると良いのですが

恵の小雨

連日の猛暑
普段なら憎っくき雨も
ありがたく感じます
このくらいの小雨なら
客足に影響もなく
逆に唸るような暑さが和らぎ
夕方まで人気のひく六角通りに途切れることなく方向者が行き交います

成長著しいトネリコたちも日焼けした葉に雫を浴びて
生き生きとして見えます
明日は五山の送り火ですが
どうやらこの雨は明日も続くようです

さてさて
広島が小出しにしてくれておりますが
いよいよ今年のmerphの外套たちが仕上がりつつあります
現状まだ縫製チェックのサンプル段階ですが
ここからは一気に進行します
暦が夜長月を迎えます頃
そのほか
カットソー工場でも新作が複数進行中
ご期待ください

今年はいつも以上に厳しい暑さが続いていますが
その分なんだか秋の雰囲気は早々と近づいているような気がします

京都の東山にある我が家の周りでは
ひぐらしが
鳴き始めました

もうすぐ
秋です

故郷

お盆に先駆け
三日間休暇をいただき実家の名古屋へ帰っていました

巨大都市名古屋
霊園も一つの街の様
いくつものお寺の霊園が
東山の山を埋め尽くしています
久しぶりに我が家の墓を目指すも
道に迷い
少し遠回りになりながら
昔の記憶と
交通ルールを配慮しない母のナビゲーションでようやくたどり着きました

長年仕事が忙しいと言い訳して
盆も正月も名古屋に帰っていませんでしが
両親も歳をとり
私もいい中年になり
今元気に仕事をできていることを
せめてこの二回の日本の休みは実家に帰って家族と過ごすようになりました

縁あって京都に住まうようになりましたが
やはり故郷は大事にしたいと思います
新幹線なら37分
高速で走っても名古屋市内の実家のすぐ近くまで都市高速が走っています
文明都市名古屋の恩恵にあやかり
ちょっと暇ができたら名古屋で休日を過ごすなんて余裕を
そろそろ持てるように頑張りたいと
思ってはいます

京都旗艦店

merph旗艦店
京都cassowaryには定休日はございません
お盆も休まず営業しております
毎年お盆や正月はご帰省される方やご旅行の皆様にご来店いただいておりますので
毎日営業しております

営業時間は12:00〜20:00ですが
午前中にお越しいただいたというお声が多いので
可能な限り10時〜11時ごろオープンさせております

秋冬の新作も到着し
昨日新作コートのサンプルも上がってまいりました
お時間ございましたら
12年目のcassowary
お立ち寄りください

ただの洋服屋

ペルセウス流星群がやってくると
11年前の宴を思い出します
この店が始まる夜
同い年の音楽家に門出を祝ってもらいました
あの日トルソーに書いてくれたサインには
2007.8.12と日付が書いてあります

昨日
8月12日はcassowaryの誕生日でした
オープンのあの日を思い出すと11年もの時間を感じないのに
ここでおきた出来事を一つ一つ思い返すと
もっと長い時間が過ぎたように感じます

コンクリートの壁に囲まれ
南と東はガラス張り
ほぼ正方形の空間に
ハンガーラックを数本並べただけの店
そこにやがて家具が増え
バーカウンターができました

ご来店いただいた方の数は一体どのくらいになるんでしょう
簡単な計算でも延べ1万人を超えます
とんでもない数です
できることなら一人一人に感謝を伝えたいところです

この店は『ただの洋服屋』です
そこに誇りを持っています
色々な服屋の形ができて
インターネットでも洋服は買える時代です
でも
自分の店は
私が15、6歳の時に憧れた
街角のあの洋服屋の姿でありたいと思います
これからもっと洋服屋は減っていくでしょう
でも私の思う『ただの洋服屋』であり続けることが
ずっとこの仕事を続けていく唯一の方法だと思います

12年目のこの看板のない店
これからも気が向いたらお立ち寄りください

11年と2年半の物語

朝からずっと仕込み仕事をこなし
少し疲れたのでアーロンチェアをリクライニング解放し
天井を眺めていて気づきました
このコンクリートの箱庭は
来週で11周年です

今シーズンから原点に戻り
私自身が店頭に立ち接客をする時間を増やしました
ほぼ毎日店頭の片隅に作ったデスクにかじりつき
お客さんがいらっしゃったらルームサンダルのまま接客をすると言う日々です
まさに寺町御池の老舗ふとん店の二階でSanctumを始めたあの頃のようです
白髪と体重は増えましたがこのやり方は変えられないようです

11年
寺町御池での2年半を合わせると13年半
一体どれだけの方々にお越し戴き
そして洋服を買っていただいたか
単純に数字で把握せずとも
この半年ここに立ち毎日のように起きる嬉しいエピソードで実感しました

アメリカ フランス イスラエル デンマーク
オランダ ドイツ メキシコ ブラジル 香港
台湾 スイス シンガポール
今思い出すだけでこれだけの国にリピーターがいらっしゃいます
宣伝もせず取材も受けないのに
京都へ来るたびによってくれる方がすでに世界中にいます
大きなレーベルでは驚くことじゃないでしょう
でも私はこれを京都の街角に店を構えるだけで成し遂げました
もちろん海外だけじゃありません
ここで私の洋服を見つけてくれて以来
何年も通ってくれて
彼女ができて結婚し
子供を連れてまた戻って来てくれて
ここでは毎日誰かしらとの出会いとその続きの物語が溢れています

11年
そしてこれからも同じような日々を積み重ねて
meprhというただの洋服を
皆様にお召しいただける様
多少の困難は飲み込んで
大きなピンチは打ち砕いて
前にジリジリと進んでいきます