ただの洋服屋

ペルセウス流星群がやってくると
11年前の宴を思い出します
この店が始まる夜
同い年の音楽家に門出を祝ってもらいました
あの日トルソーに書いてくれたサインには
2007.8.12と日付が書いてあります

昨日
8月12日はcassowaryの誕生日でした
オープンのあの日を思い出すと11年もの時間を感じないのに
ここでおきた出来事を一つ一つ思い返すと
もっと長い時間が過ぎたように感じます

コンクリートの壁に囲まれ
南と東はガラス張り
ほぼ正方形の空間に
ハンガーラックを数本並べただけの店
そこにやがて家具が増え
バーカウンターができました

ご来店いただいた方の数は一体どのくらいになるんでしょう
簡単な計算でも延べ1万人を超えます
とんでもない数です
できることなら一人一人に感謝を伝えたいところです

この店は『ただの洋服屋』です
そこに誇りを持っています
色々な服屋の形ができて
インターネットでも洋服は買える時代です
でも
自分の店は
私が15、6歳の時に憧れた
街角のあの洋服屋の姿でありたいと思います
これからもっと洋服屋は減っていくでしょう
でも私の思う『ただの洋服屋』であり続けることが
ずっとこの仕事を続けていく唯一の方法だと思います

12年目のこの看板のない店
これからも気が向いたらお立ち寄りください