Slight return

寒さがようやく本気を出して
merphのコートを着させてくれる季節がやって来ました
納品がその幕開けの
ギリギリになってしまったことを
まず
謝ります

ただ
ご覧ください
その仕上がりたるや

待った甲斐は
ありました

襟の返り
肩の仕上がり
前の張り
色々な要素をもう一度やり直して
これまでのmerphのこのデザインを
ちょっとキリッとさせました

黒とグレーのぼやけたグレンチェックに
ケンピ(枯死した獣毛)が飛び込むこの面に
一目惚れしたのは今年の春先
それから何を作るか
あまりにもこの生地に惚れ込みすぎて
決断ができない日々が続きました

結論は
一番シンプルな作品
そして
今期一番仕上がりを期待している形
というわけで
もう一度考え直したこのデザインにしたわけです

今シーズン
型数は少なかったと思います
でも
どれも仕上がりにこれまでにない満足を得ています
新型に挑むのも楽しいですが
ちょっと立ち止まって戻ってみるのも大切です
限られた型数の中で色々試した結果
非常に良いシーズンになっています

さあ
まだまだ始まったばかりの冬を噛み締めながら
私の机の上だけ
一足先に春に向かいます

Ready

みなさまにお待ちいただいていた新型コートが2つ届きました

本格的な冬の前に店頭も潤い、ご覧いただく準備は万全です

本日届いたMR1118も先ほど広島へ出荷完了しました

本撮影前の写真の為、撮影が終わるまでこちらの写真でご了承ください

photo:
anm1068 C/#army
anm1068 C/#black
MR1108 C/#glencheck

 

 

理由

簡単に言えば
Uネックにフードが付いているんです
そんなの見ればわかるんです
なぜ Uネックにしたかが問題なんです

通常のパーカのフードはクルーネックについています
頭の中で考えてください。
フードの膨らみは全て当然背中側に向かっています
それをクルーネックにつければ
重心は背中側になります
そうなれば当然フードは背中側へ落ちます
首元のボリュームを出したいのに
単純な発想でフードを大きくすれば
さらに後ろに落ちてしまうわけです
そこでまず逆転の発想
フードを小さくしました
後ろに引っ張られる分量を少なくしたわけです
meprhのフードは後ろではなく
まず上に向かって生えています
さらに重心を中央に持ってくるために
前に倒れる部分を設けました
そう
だからUネックなんです

たかがパーカ
そこにここまで真剣に取り組んでいるデザインは
他にはないと自負しています
そのおかげで
このパーカは13年間
皆さんの支持をいただいたと思っています

”場所”

11月の上旬は
金沢の月とトネリコをチーママに任せて
私は京都で洋服の制作とcassowaryで販売に励んでおります

堺町六角に巣食って10年
名は知らずともこの店の存在は京都でも少しは知られてきたようです

自分が高校生の時
名古屋で通いつめた洋服店の店主に
いろいろなことを教えてもらい
大学で京都に移り住んでからも
帰省のたびにまず顔を出しては
新しい服の話や
京都での生活を楽しんでいる報告をして
盛り上がると
近所の酒屋に走らされて
ロング缶の黒ラベルを二本買って
日が暮れるまで店に居座っていました


自分があの当時のその店主の年齢になり
同じようなことが立場を変えて目の前で起こります
学生だった青年が綺麗な彼女を連れて現れたり
子供を連れて遊びにきてくれたり
歳をとったのか
そういうことがものすごく嬉しい今日この頃です

ただ洋服を売るだけだったら
私もこんな店をしないわけです
その上
BARカウンターまでこしらえて
冷蔵庫と棚にしこたま酒を並べてるんです
挙句には
広島の旗艦店にも伝染して
つまり
我々の店は
meprhという洋服をきっかけに
ただ
誰かと楽しくやりたい寂しがりやの巣窟というわけです

今日も京都に通ってくれたお客さんが転勤して広島に移動となり
早速the 3Rd heimに顔を出してくれたそうです
京都にも広島から家族で遊びにきてくれたお客さんもいます
できることなら
そのままここで酒でも飲みたい毎日です

明日もきっと誰か顔を見せてくれます
洋服ももちろんですが
この店を楽しんでもらいたいと強く思います
そのためにはまだまだやらなきゃいけないことだらけ
京都と広島とやがて金沢とそして東京と
merphのメンバー全員で
真剣に考えていい時間を過ごせる”場所”を作り上げていきたいと思ってます

MR4110 “arenareader”

 

昨日、入荷したプルオーバーパーカ

広島店でも非常に人気をさらっております

トルソー着用の写真をご用意いたしました

 

 c#/camel

 

c#/ black