MR4019
15代目のプルオーバーパーカ
このパーカを描き上げた時の事はよく覚えている
2月に会社を立ち上げて
当然春夏の展示会などやれる訳もなく
10月の秋冬の展示会に向けて日々机に向って絵を描いていた
独立前の会社から譲ってもらったデスク
東急ハンズで買った天板と脚を組み合わせた不安定なデスク
初めて買ったパソコンはMacmini
納品書も請求書もは手書きだった
仕事も少なくて
それでもあの頃はもの凄く忙しく感じていたが
夜自宅で4年前に発売されていたファイナルファンタジーXをやる時間があった
そしてこの大黒柱のパーカは
その夜の暇つぶしからヒントを得た
最後に父親を殺さなきゃ行けない残酷なストーリー
父親はクジラの化け物の様な姿に成り果てていた
そのクジラの化け物のシルウェットと背と腹を分ける線
ぐっと来た
僕は机に向って絵を描いた
それから数ヶ月後の秋冬の展示会
初代プルオーバーパーカがハンガーに吊るされた
用尺に原価計算、パターンパーツ数などまったく気にしない
ド素人だからこそ出来たと思う
十分に勉強して賢い大人になってからではきっとこの絵はかけなかった
そう思う
15回のマイナーチェンジを繰り返して
今年MR4019と刻んだこのパーカ
生地も素晴らしい物が見つかったし
首元のボリュームは初代のそれに近い
ただし
8年間の進歩はしっかり反映させて
寸法もバランスが良くなった
8年前を知る人も知らない人も喜んでもらえると思う
MR4019
店頭投入完了