忘れ雪

昨夜の京都は
吹雪きました
そして今朝、三月二十一日の朝
京都市北区は3cmほどの積雪
ただ
昨夜までの暴風は止み
午後からは日もさして穏やかな春の雰囲気です
しばらくはまだ寒い朝晩にはなりそうですが
徐々に
徐々に
3歩進んで2歩下がりながら
もう直ぐ春が来ます

 

MR1177

MR1177 denim
fab.:10oz ムラ糸デニム
comp.:cotton 100%
size:1,3,5 

10ozのかなり軽いデニムを選びました
12ozでは分厚くて
8ozではシャツ並み
20度前後の気候に最適なジャケットに仕上げるには
10ozでした

ファスナーは艶消しの赤い止水ファスナー
大人しくネイビーにする選択肢もありましたが
この品番にも差し色を使わずにはいられず赤を刺しました

さて
これのMR1177は販売時ノンウォッシュの生デニムです
とういうことはやはり色が落ちていきます
最初の洗濯は水が青く染まります
その後も洗うときはこのジャケット単品にてお願いします
ただ
丁寧にそれを繰り返していただきますと
やがてあなたの生活の動きが刻まれたあなたのジャケットが出来上がります
ちなみに
身返しなどの中に着るものに接する部分には
同系色のコーデュロイを使用しています

生地のスペックとデニムという通年使える素材
さらにオーバースペックの寸法
中に着るものを調節して季節を問わず着てください

サイズ展開は新サイズ表記で1・3・5のワンスキップの3サイズ
かなりオーバースペックですので
190cmを超えても問題ありません
サイズ1は女性の方にもご着用いただけるかと

MR1177 denim 

弱点は最大の伸び代

急激に暖かくになりました
このところぐずぐずした天候が続きましたが
本日は快晴
ただし
比叡山は花粉で霞んでいます

merphの春は順調に店頭に届き
どのデザインも足並みを揃えるように売れています
珍しくかなり着丈の短いジャケットも
オフホワイトの葛城と
葉っぱのカモフラージュともに好評です

ショート丈はmerphの弱点
長いコートばかり創っていました
たくさんの方が待っていてくれたのを日々実感しています

上半期7月までの納品に関しては
ほぼ工場への発注、資材手配まで完了
残すところはあと1品番
これは今までにないペースと生産量です

決算に伴い
昨年度の売り上げをあらゆる要素で分解し
まずは期間を3つに分けて
序盤(2〜5月)
中盤(6〜9月)
終盤(10〜1月)
それぞれの製作物と売り上げと睨み合いました
ショート丈同様
そこには明らかに私の性格と好き嫌いが現れます

年度はじめ
新たな期間に意気揚々とイベントを仕込んだり
得意な冬のなごりにも助けられスタートダッシュを決め込みます
しかし嫌いな夏が近づくにつれ息切れします
あからさまに夏の仕込みを怠り
冬の製作に追われます
どれだけやる気がなかったかというと
6〜9月の合計売り上げが
やる気満々の11月ひと月分の売り上げを下回ります
確かに11月は鬼神の如く売りました
とはいえこの中盤4ヶ月がひどすぎました
今年度この4ヶ月の売り上げを倍まで持っていくことは
昨年度11月のレコードを塗り替えるより用意です
それができれば
昨年のペースで行くと1年を16ヶ月営業することと同じ
今年度はそれくらいしっかり準備したということです
『弱点は最大の伸び代』とまじないを掛けて
今年度も歴代最高の成果を狙います

 

ミレニアムな亡霊

どこかしらで
我々2000年代にデビューしたレーベルは
『ミレニアム世代』と呼ばれるとか呼ばれないとか
私は2000年に先輩のレーベルの立ち上げに参加し
2005年に自身のレーベルを立ち上げまして
つまり2回ミレニアムなわけです

2000年の東京は
今よりもっと物質的で
主観ですけど
野望の始発駅だったと思います
主観ですけど
そんな東京の
さらに原宿というカオスタウンの
私の働く事務所兼ショールームから一つ角を曲がると
そこにはデニムのフルカウントがありました
そこで偶然大学の先輩のとある野心家が務めてまして
記憶は曖昧ですが
挨拶をしたのかされたのか
そこからその後24年続く呪いのような腐れ縁が始まりました

ある日
『わしらフルカウントから独立して自分の服始めるし』

展示会のインビテーションを渡されました
今思い返せば
『自分の服を創る』ということを最初に意識するきっかけは
この時だったのかもしれません
会場は確か、、、
代官山の路地裏の2階の小さなレンタルスペース
もちろんそれまでに展示会という場には足を運んでいました
でも自分と同じ年代の
さらに自分と同じ大学に通った人間が
自分の服を創り始めたことは
強く私に突き刺さりました
よく賢い人たちからこんなことを聞きます
『将来を見据えて計画的に目標を設定してそれを実現していきなさい』
私の人生はそうはいきませんでした
21歳で踏み入れたこの世界で
想像以上に重要な仕事に携わり
そのまま日々の成果を必死に積み重ねて生きていました
そう言う中でこういう何人かの先人が見せつける”刺激”に
焦りのようなものを感じ
やがてそれが自分の中にある野望だと気がついて
私も走り出し
そして今に至ります
偉そうなことを言う立場ではないですが
計画に振り回されるより
人に振り回される方が私の性分には合っていると思っています

この秋冬に
TALKING ABOUT THE ABSTRACTION が復活します
私を振り回したミレニアムな亡霊が蘇ります
仕入れはしませんが
2000年代に覚悟を決めて走り続けた仲間の帰還を
心から祝福したく思います
代官山の小さなレンタルスペースで初めてみた
TALKING ABOUT THE ABSTRACTIONの服
その後少しの”いとま”を挟んでまた走り出しました
時代に合わない燃費の悪い車に乗って
排気ガスをばら撒きながら
我々はやはり
洋服を作って進んでいきます

MR1179

MR1179 leaf
fab.:コットンリップストップ リーフカモフラージュ
comp.:cotton 100%

続々と入荷しています
この週末はこちらのジャケットが到着
先に入荷したMR1176 latteと同デザインです
生地はかなり軽やかになりました
比翼の内布は迷いに迷ってオレンジに

merphではあまり短いジャケットを作ってこなかったので
顧客さんから同じように反応をいただいてます

もう一つ、このぼこぼこと膨らむポケット
ここも特徴になって気に入っています

MR1176 latte
MR1179 leaf
ともに昨今のmerphの生産数からすると少ないので
ご注意ください

scarlet

春にこの赤を
冬には実績のあるスカーレットレッド
一度春にこの色をリリースしてみたかったんです

MR1178 scarlet

黒みの少ない朱色と言ってもいいこの赤は
一見、インパクトが強いんですが
コーディネートの色の鬼門が少ない優秀な色です
先日までカモフラージュのシャツローブをこの中に着せて
背中の割れ目からバサリと覗かせていたんですが
おかげさまでカモフラージュのシャツローブが次々と売れまして
お先に完売いたしました

もう一色のMR1178 RDB

そして生地違いのMR1180 walnut

今季の背中が割れたバルマカーン
皆様がどう着こなすか
楽しみです