破城槌

季節の変わり目
静かなcassowaryでじわじわ進む秋冬の製作
やってみたかったこと
やって後悔したこと
やらなきゃいけないこと
惚れ込んだ生地
渾身のデザイン
いろんな素粒子が衝突して
やがて固まって新作になるわけである

この作業の中で最大の敵が
『ま、いいか、これで』という決断
時間に追われて
生地がはまりきらなくて
予算が足りなくて
完全に納得せずサンプルを製作してしまった場合
それが思いがけず売れたとしても
傷跡として残る
それなら完全に納得して全くオーダーが付かない方が心地よい

なんでもかんでも好き勝手に手配できて使えるわけじゃない
限られている中で
限られてることを言い訳にしない仕上がりを目指す
今日は根性で一つ壁を突破した
あの瞬間の気持ちの良いことよ
つまらないものしかできないのは
とことん考えなかったからだ
手を抜いたんだ
それは自分でよーく分かっている

一発でいいアイデアが出ることもある
一発でなければ何発でも頭の中でアイデアを出し続ける
いつか必ず自分独自の答えが飛び出す
それをやれるかやれないかだ
つまらない姑息な物でもうまくやれば売れるのだろうが
そんなもん面白くもなんともない
明日もきっと出る
考え続ければきっと出る