2005年にlaluと名乗り始めた『洋服を創る』という仕事
2012年にmerphと名前を改めて
迎えた14回目の秋冬シーズン
春夏を含めると28回の制作ターンにおいて
声を大にして宣言いたします
今シーズン『merphのベストシーズン』です
今までたくさん苦労してきました
しかしその苦労の種は自ら巻いたものです
自分の服は価値がないのかと落ち込みました
しかし
実らなかった種ばかりではありませんでした
cassowaryという最大の収穫があったわけです
そういえばこの店はやたらと植物が育ちます
植物の専門家も驚くほどに
エバーフレッシュは小さな鉢で見事なまでに大きくなりました
きっと何かあるのでしょう
外へ外へと大きくなることに囚われて
ずっと見落としていました
cassowaryというこの街角の洋服店は
もうしっかりとした歴史と実力が備わってその力を持て余していました
毎日たくさんのお問い合わせありがとうございます
今年のコートのどの品番にも毎日のようにご連絡いただいてます
そしてそれだけではなく
地方でmerphを見れないかというご質問も何件もいただきます
特に東京の方からの東京出店の激励は後をたちません。
しかし今は我慢の時
京都で全力を出し切ります
できるだけ早くいいお知らせを届けられるように
ブランドの名前に頼ってしか服を売れない店が
自分たちがそうだということにも気づかないうちに
どんどん姿を消しています
ゾゾのせいにして
メーカーのせいにして
時代のせいにして
本当にそうでしょうか
生地がどうできているかも知らず
ただ単語をコピーしてペーストして羅列するだけの説明文で
仕事したつもりになっていたのは誰でしょう
だから
merphはそこをしっかりやろうと思いました
しかし簡単じゃなかった
cassowaryを除いて
これからまず
この理想の店を限界まで成長させてみます
美保神社で引いたおみくじに書いてありました
『今は積極的に進むよりも一歩下がって平安を守るとき』
実は神様より前に
ずっとうちに女性スタッフ陣に言われ続けていることです
彼女たちに言わせれば
10年前からそうですよって感じでしょう
『じっと我慢の子 何事も八分目』
我慢というのは苦しいことに対してするんじゃなく
欲を我慢することだったんだと四十半ばで理解しました
ただし
洋服作りは全力で参ります
逆にその遠慮はこの店には禁物
都合のいい店ではなく
むき出しの店です
さあそれでは春の仕込みに入ります
ご期待ください