日常の衣

私が作る服で
おそらく一番シンプルな作品
でも
デザインとしてシンプルでも
そこに理論が存在するものが好きなんです

今回も綺麗なウールのポンチを見つけたました
もちろんいつも通り裏には40/2コーマ天竺を添えました
ウールのカットソーは素肌に着るわけに行きません
チクチクとストレスを与えて来ます
だけど重ね着で下に何か着れば
設計のズレが主役の邪魔をします
だから
同じ設計図で裁断されたコットンを裏に添えるのです

ただ添えるだけじゃmerphの仕事じゃありません
印象的なコントラストを与えます
これは来ているときにちらりと見せるためと皆さん感じられ得るそうですが
作り手としては違う考えで行なっています
私がこういうコーディネートをするのは
洋服が着用時以外も作品として満足のいくものにしたいと考えているからなのです
パイピングや裏地の選び方においても
食事に行った店で預けたコートを店員さんなり
隣の席の人なりが思わず見てしまう
そんな価値をmerphの服にもたせたいのです
一生懸命働いて稼いで来たお金を使っていただくのですから
これを私は”こだわり”とはよびません
”当たり前”と言い続けます

もしうちのスタッフがどなたかに私の服作りに関し
何かしらを”merphのこだわり”と申し上げましたら
すぐに『merphお客様相談室室長 坂井』までご一報ください