highlander
スコットランドのハイランド地方の住民という名を冠させたのは
最初にこの形を製作した時
裏地をブラックウォッチやタータンチェックにしたからでした
あれから二度のリリースを経て
寸法や細部の修正を施し
今回ついにもう手の出しどころがないものが仕上がりました
これでしばらくは新しいバルマカーンを創らなくなると思います
まずは身生地から説明します
私の大好物は
ウールの油分が飛んだ乾いたメランジ調の中肉生地です
これは見事にそのど真ん中
特殊な加工ではなく
長く倉庫で寝かせて
油分が失われていったヴィンテージ生地のような仕上がりを
愛知県尾州の機屋さんが精魂込めて表現した逸品です
その糸はネガウールと名付けられました
からりとした触り心地と見栄えに対し
反比例するしなやかさと軽さに
思わず貴重な在庫を全て独り占めしました
とは言えその数量は100mほど
メンズにまわせたのはおよそ70m
縫い上がった枚数は29着でした
裏地の話
このところは気に入っているのは
こういったトラディショナルな生地に
定石のキュプラを使うのではなく
スポーツウェアで使用される高機能素材を使うこと
その機能を大声でアナウンスするのではなく
私がクローズアップしたのはポリエステルの鮮やかな発色
マットなのに鮮やかなのはポリエステルならではです
写真のMR1120は縫製と仕様のチェックのために先上げで上がってきたもので
まだプレスが終わっていません
プレスなんてシワ伸ばすだけだろと思われる方もいらっしゃるでしょう
しかし
その腕前で仕上がりはガラリと変わります
特に袖
せっかくパターンナーさんが綺麗に引いてくれた美しい前振りも
プレス次第ではぺったんこになってしまいます
この工場はその点において
圧倒的に美しく上がります
皆さんも体験してください
そしてこの先上げサンプルから数箇所さらに修正をかけています
とことんやりました
お付き合いいただいたパターンナー様と工場様に感謝します
さあ
あとは皆様に袖を通していただくだけです
先ほど工場様に最後のわがままを言いました
本日京都と広島へ別々の便で出立します
明日9月16日土曜日午後には到着するでしょう
広島カープの二連覇に
間に合いました
merphの今年最初の冬の大玉です
とくとお楽しみください