終い鱧に初松茸

京都の夏の終わり
といえば
松茸と鱧の土瓶蒸し

夏の京都
ありとあらゆる料理屋で二枚にさばかれた挙句
骨まで細かく刻まれて
傷口に梅をぬられたり
山椒醤油塗り込まれてあぶられて
文字通り好き勝手に料理されてきた鱧
実はこれから脂も乗りまくって一番旨くなるってのに
お払い箱
突然山から現れた土臭いキノコ野郎に主役の座を奪われるんです
悔しいだろう
やりきれないだろう
でも鱧はその最後を
歯を食いしばって
憎っくき松茸と一緒に
一つの土瓶で蒸されて散るんです
骨の髄まで旨味を搾り取られて
土瓶の中で花と散るんです

鱧はフライが一番好きですが
土瓶蒸しだけは別です
踏みにじられて散るもまた一興
金沢から帰ったら
いただきに上がります

さて
写真はmerphの初物と終いの土瓶蒸し
夏の最後の納品のショートパンツと
秋の最初の納品のツートンシャツ
こんなセットアップも
いかがでしょう