肉の焼き方

先日
妻の誕生日に神戸の友人の精肉店『ゆさか精肉店』に
ステーキセットをお願いして夕食にいただきました

まずはゆさか精肉店のご紹介を
神戸市北区にある三代続く神戸牛の精肉店
その三代目と交友がありまして
もう何年も事あるごとに美味しいお肉を手配してもらっています

店舗での販売以外にも
全国の名だたる名物シェフから信頼される研究熱心な肉の虫です
少しでも興味がわけばとにかく本人に会いに行き
自慢の肉をまず味あわせて販路を開拓する姿は
尊敬に値します

ゆさか精肉店
〒651-1213 兵庫県神戸市北区広陵町6丁目174−1

さて
そんな肉のプロの湯阪くんに
『家庭でも美味しく肉を焼く方法』なんていうこっぱずかしい質問をしてみました
なんたって今回すごくうまそうなこんな肉を手配したものですから
その答えは
『肉屋として最大限の仕事をしているから誰が焼いたってうまいよ』
しびれます
最大の敵は水分だそうです
脱水する処理が完璧にしてあるとのこと
専門用語で『肉を枯らす』と言うそうな
その上でさらに美味しくする方法として教えてくれた内容は
これまでの常識を覆すというか、全く逆の方法でした

みなさんステーキを美味しく焼く方法としてこんなことを聞いたことないですか?
『常温に戻す』
『熱したフライパンでまず表面をカリッと焼く』
『その後アルミホイル巻いたり余熱で中に火を通す』
はいこれら全部NGだそうです
ではどうするか
私はこの肉を言われた通りに調理して冒頭の火入れに成功しました

まずフライパンを火をつけずにコンロに乗せ
そこに冷蔵庫から出したての冷たいまま肉を乗せて
そこで初めて火をつけます
それも強火で
これは私の見解ですが
そうすることで冷たい肉が一緒に熱くなり
表面の焼き目と中の火入れが整うのかと
根菜を自ら炊くのと同じ原理?

冒頭の写真
一度ひっくり返して焼いて
すぐに切って皿に盛り付けたものです
なんとこれだけレアなのに血が滴らない
これですね、枯らしてある肉

これまで幾度となく『こんなはずじゃなかった』ステーキを食べてきましたが
もう肉を悲しませない
さあかかってこい近江牛米沢牛松坂牛
私が完璧な火入れで成仏させてあげましょう

前年度比300%

長年無用の長物だった弊社のオンラインストア”KAMMER
新型コロナウイルスという思わぬきっかけにより
改善を図り
非対面で作品をご提供できる場所を作らなければと
必死にテコ入れをして来た甲斐もあり
昨年2019年度の売り上げに対し300%の急成長をいたしました

しかし
わかっています
まだまだ不便で分かりにくいオンラインストアであります
もっと根気よく撮影と迅速かつ頻繁な商品掲載を望まれていると思います
300%になったといえどまだ全体の売り上げの10%にも満たない数字です
JCBが使えないとかそもそもの問題もあります
でも逆にこの程度のテコ入れでもここまでの効果が出るのですから
真剣に整えていけばまだまだ成長が望めます
店頭売り上げの一部をネットに移行するのではなく
ご来店が難しい状況の顧客様にもじっくり作品を選んでいただけるように構築し
新しい販路として確立したいと思っています

大きく環境が変わった2020年
嘆いてばかり入られません
順応と継続
生き残るためにがむしゃらに小さな脳みそをフル回転で日々を過ごしています
merphなりに
決して開き直りではなく
オンラインストアであろうとも
我々の意思が行き届いたオンラインストアを目指します

もちろん赤味噌

関西に住まうようになり
鯖の味噌煮を食べなくなった
定食屋に行っても合わせかこうじ味噌か
私が食べたいのは赤味噌ドロドロのやつ

最初に名古屋から大学進学で京都へ来た時も同じことを思った
我が母校の生徒たちにとって鯖といえば今井食堂
しかし今井食堂は鯖の煮付け
味噌煮ではない
だからあの時も味噌煮が食べたくて色々な食堂や惣菜屋をのぞいたが
どこも赤味噌じゃない
たどり着いた結論は
『作るしかない』
そしてマスターしたはずだった
その記憶を信じ
少し調べながら
作ってみた
まろやかでコクのある素晴らしい出来に仕上がった

 

『これでいいか』の向こう側

オリジナルで作ればいい
確かにそうかもしれない
でもその行動によって価格が無意味に上がってしまってはいけない
生地屋が提案してくれるものがその時点で優秀なら
それをわざわざ素人がテコ入れする必要もない
せいぜいやっても色を好きなように染めるくらいだ
皆さんもよく洋服店で『これはオリジナルの生地です』
そう言われたことがあると思う
しかしそんなこと言われてもだからどうしたと感じるでしょう

とことん生地屋の手持ちのものを全て見せてもらう
面倒臭いと思われてもしつこく電話する
たとえ大量生産の生地にだって素晴らしいものはある
一口に『ネイビー』と言ってもどれだけでも可能性はある
『これでいいか』の向こう側に理想の待ち人がいたりする
そうやって探し出した生地で仕上げた作品は
確実に売れていく

新年早々
今そんな状況の真っ只中
緊急事態宣言が明ける頃
皆様を新作とともにお出迎え出るように

今年の冬の話

気が早いですが
今年の冬の作品について

冒頭の写真のコート
これは個人的にも今年の冬楽しみにしていた新作
スーパー100のメルトン
ココアブラウンというこれまでに使ったことのない色も
ダブル前のハーフ丈も
merphとして新しい挑戦だらけの期待と不安の塊
今年もう一度チャレンジしようと思います

そしてもう一つ悔しい思いをして今年に回したのがこのジャケット
イタリアからやってきたインパクトの強いグレンチェック
オレンジ×ライトブルー×ブラウン×アイボリー
そうは出会えないコンビネーション
一目惚れで購入を決めたんですが
コレクションベースで動く生地生産は昨年の冬の時点では
リアルタイムで作品を作る我々merphに必要な3反の在庫がなく
泣く泣く2021年に回すことになりました

店の片隅にかけていたこの作品を見他お客さんから
すでに何件もご予約をいただておりますので
今年こそはしっかり生地を確保しようと思っています
生産の段取りに入る5月くらいまでは店頭にこのサンプルがありますので
ご興味あればご試着ください

新年早々
またしても不穏な雰囲気が漂う日本ですが
雪が降ろうと猛暑日が続こうと
新しいウイルスがオーバーシュートしようと
merphはとにかくコートを作るしか考えていません
2021年もまた新しい作品を
皆様にご覧いただく所存です
よろしくどうぞ

恭賀新年

2021年
あけましておめでとうございます

2020年
思い出したくもない1年でしたが
逆に
忘れることのない出来事がたくさんありました

まず
わたくしごとですが
娘が誕生し家族が増えました
一足先に年始に弟夫婦にも娘が生まれ
一昨年の2月に他界した父からの代わりに2人も大切な家族が増えました

有限会社Sanctumとしては
15周年の節目の年
2月29日にみなさんと共に
音楽と美味しい食事で盛大に迎えようと企画したmerphoniaは
2日前の2月27日に中止をお伝えすることになりました
ご来場予定だった皆様や
出演者出店者関係者に多大な迷惑をおかけしたにもかかわらず
キャンセル料を請求するどころか
当日発売する予定だったグッズの販売にまで協力していただき
損失を最小限に留めてくれました
その後4月7日に緊急事態宣言が発動されましたが
その間も以前より私の服をご愛用していただいている皆様のご好意により
リリースした新作をご購入いただき
しっかりと運営を維持することができました

そして迎えられた新年2021年
2020年新型コロナウイルスに奪われたものを
すこしずつ取り戻して
洋服や音楽やうまいものを全開で楽しめる世界をもう一度
そう願います

本年もよろしくお願いします

 

『ここは知らないけど、知っている場所』

幻の15周年祭”merphonia”
そのメインヴィジュアルを描いてくれた近藤康平君の初の画集
『ここは知らないけど、知っている場所』が発売されました
弊社元スタッフの情報によると
岡崎の蔦屋でも入り口にドン!と積まれているそうです

彼との出会いは2年前の美保神社でのワンショットと竹原ピストルのライブ
その前夜祭の”calyboo”のライブでした
あらきゆうこと近藤康平そしてカナミネケイタロウの

ライブドローイングユニット”calyboo”のライブは
あらきゆうことカナミネケイタロウの演奏に合わせ
近藤康平がその曲からイメージした情景を描きあげて
それをプロジェクタで映し出していきます
瞬く間に絵が描き上がり
曲の展開に合わせてどんどん絵が変わっていきます
初めてみたそのライブでどっぷりと彼の絵にハマり
その日描き上がったがった絵を一枚買い上げてしまいました

今回発売された画集は
ライブドローイングではなく
これまでの彼個人の作品集です
変化していく即興の絵も面白いですが
じっくり描きこまれた作品の数々
魅入ってしまいます
中を紹介したいところですが
ぜひ手にとってご覧いただきたいので

Amazonなどでも購入できます
『ここは知らないけど、知っている場所』 近藤康平
で検索してみてくだい
素晴らしい一冊です

冬仕様完了

MR1154の追加生産が本日届きました
各サイズしっかりと補充完了です

オンラインストアにも格納しました
お時間あるときにのぞいてください

merph online store KAMMER

こちらの女性品番anm1090も好調です
こちらは初回でしっかりとストックしております

11月末からすっかり人通りが減ってしまい
当店も例外なく閑古鳥が鳴いて降りますが
ありがたいことにお電話でご注文いただいたり
ネットでご注文いただいたりで売上が上がって降ります

冬のコートはこれにて完納
現在春先用のポンチパーカを縫製中
少量ですが12月下旬に上がってきます
春のコートとシャツのサンプルも進んでいます
今回も慎重な生産にはなりますが
あくまで新作のリリースにこだわっていきます

まだまだ苦しい時間が続きますが
頑張りましょう

生地買い占めました

この非常事態に好成績を上げてくれているこちらの品番
MR1154
勇気をだして
ありったけの生地を買い占めまして
追加生産をしております

今週ようやくエクセラファスナーが届いたので
きっと縫製が始まっていると思います
size3がもうそこをつきそうだったので
できる限り急いでもらっております

重厚な見た目に反して
着用感は驚くほど軽く仕上げることができました
継続は裏切らない
そう思える仕事ができました

超軽量のこちらも好調です
MR1149
イタリアLIMONTAの撥水生地と中綿キルティングの裏地で
おそらくmeprh史上最軽量のコートかと思います

まだまだ本格的には寒くならないようですが
冬は必ずやってきます

去年の今頃

2019年の11月
売上も好調で新作の仕込みも順調で
恒例の撮影をビルの屋上で震えながら行なったり
打ち上げでしこたま肉を食らったり
そんな楽しい写真がたくさん残っていました

あれから一年
想像もしなかった未来は
未だ洋服を作る我々を苦しめています
いつ終わるかもしれないウイルスパニック
ある学者の推測によれば
2024年まで続くとか
そんな絶望的な可能性も視野に入れつつ
なんとかmerphという活動を続けていく努力と忍耐を
また来年もすることになるんでしょうね

しかし不思議なもので
そんな絶望的な一年に
なぜか今までになかったお仕事のご依頼をいただき
今年はたくさんのユニフォームデザインをさせていただきました
そして今もまた新たな案件が進行中です
嬉しいのはそのお話の全てが
私の服をご愛用いただくお客様の中からのご依頼であったことです
『運がいい』その一言で片付けられるような話ではないんです
PRも広告も営業もかけないmerphにとって
このようなお話をいただくのはこういう形しかないんです
だから全力でお応えしております

もうすぐ今年の11月も終わります
苦しい一年もだった2020年もあと12月ひと月となります
どうなることかと思った我が社も
なんとかこの苦境を乗り越えました
まだ終わってはいませんが
なんとかもう少しがんばれそうです
外出が制限される世の中にコートなんてと言われるかもしれません
それでも買ってくれる人がいる限り
続けます
創り続けます
春も新作をリリースします