ふりだし

検査をしていないから悪玉が何かわからないが
9月下旬からアレルギーに苦しみ
ようやくこのところ鼻が機能を取り戻した
季節は気温や風景だけじゃなく
体調でも感じることができる

夏の間全国を飛び回っていた音楽家は
この時期に最後のフェスの出演を迎えるそうだ
料理人は松茸の確保に追われる季節
洋服のデザイナーは来シーズンの生産のスケジュールを立て始める

冬の服はもう届くのを待つだけだ
ここで燃え尽き症候群にどっぷり浸かれば
やがて眠れない月末を6回過ごすことになる
だから必死に思い出す
今年何が良かったのか
何をやらなかったのか
もっと良くなるはずだったものはあるか
もう絶対に手をつけちゃダメなのはどれだ
展示会をしなくて良いとはいえども
そろそろ4月くらいまでの制作スケジュールを整えなきゃいけない
あいにくクライマックスシリーズに中日は出ない
ウォーキングデッドの新シーズンもマンネリだ
環境は整っている

merph2019だってさ
2020年は15周年だな
東京オリンピックが終わる頃
でかい祭りができるといい
そのためにも
さあ絵を描く時間だ

MR4122 clammbon mito x merph pullover parka

clammbon mito × merph 
クラムボンのグッズとして
大阪野音でのライブ限定先行発売のスペシャルPULLOVER PARKA
ミト氏にちなみ三十(ミト )着限定
¥18,000(税込)での発売です

今回使用した生地は
30/7 french terry
所謂”スウェット生地”ですが
その中でも伸縮性のある着心地の良いものを選びました
しかししっかりとした質量もあり
ある程度耐久性も備わっています
着心地と強さ
そのバランスの良い裏毛です

フードはmerphのシンボル ” Uネックフード “
ボリュームあるフードを後ろに倒させないためのUネック部分
首元にマフラー並みの防寒性を備えています

そして2つの最重要ポイントの一つ目のボタン
『クラムボン ミト オリジナルピック』
それも
今回この作品のために普段ミト氏が使用している素材ではなく
アメリカの軍用素材メーカー “デュポン”の ゴム素材
『 エラストマー』を使ったピックです
今回この作品のためにギターメーカー様に作っていただいた特注品
しっとりとした滑りにくいマットなゴム素材で
表面の素材感にも品があります
私が洋服の制作をするに至ったきっかけの一つが
このデュポンの素材でした
それがこんな形で手元にやってくるとは思いませんでした

そしてもう一つのポイントが
右袖口の『赤』
ミト氏の好きな色を演奏時一番動く右手首に持って来ました
優しいオフホワイトにひときは目立つ袖口の赤いリブ
以前からmeprhをご愛用いただいているミト氏との協業
彼自身がすでにmerphのツボを押さえていると感じます
実に満足のいく仕上がりとなりました
クラムボンのファンの皆様
そしてmerphの顧客様
双方に気に入っていただけると嬉しいです

野音での販売分以外に
ごくわずかですが、10月14日からcassowaryの店頭販売致します
cassowaryのお客様は少々お待ちください

MR4122 clammbon mito x merph pullover parka
10月13日(土)大阪城音楽堂限定先行発売
¥18,000(税込)
size:1(着丈64cm/バスト100cm/裄丈84cm)

size:2(着丈66cm/バスト104cm/裄丈85.5cm)

size:3(着丈68cm/バスト108cm/裄丈87cm)

 

風影

カーディナルレッドの衝撃波に少したじろいでいた今年の一番手
ここにきてジワジワと店頭で動き始めました

急に肌寒くなってきたせいでしょう
このくらいの羽織が今活躍します
よくこの時期
『何を着たらいいかわからない』
そういう発言をたくさん聞きます
そうなんです
皆様夏が終わり
なんとなく半袖をなびかせてるうちにコートが出番を迎えるので
薄手の秋らしい羽織を買わないんです
『何を着たらいいかわからない』のではなく
『この時期着るものを買っていない』のです
しかしこの時期に着れるものこそ
一年を通して一番着る期間が長いものなのです

そのポディションに一枚仕立てのジャケットやコートの仕立てで制作すると
やはり価格はしっかりコートの値段になります
だからコートとして軽いものを作るのではなく
シャツをややこしくしたものを作るのです
それがまさにこのMR2069anm2014
それにMR2070MR2015というわけです

これをコートと言われてしまうと
工賃は簡単に1,000円跳ね上がります
そこをあくまでパターン上ヨークがあり
袖付けも完全にシャツであることを主張し
工場に『シャツだ』と言わせるのです
そういう私と工場との戦いの末
これをこの価格でリリースできるわけです

昨夜
私もMR2069を着用し
久しぶりに友人との食事に出かけました
大好物のハモフライに深まる秋を感じ
ほろ酔いで二軒目の終着BARへ向かう道すがら
風になびく着丈124cmの影に酔いしれました

さあ
秋です

 

真の需要

六角通りを通る女性のほとんどが
このコートに何かを感じてくれている様です
『女優のコートやな』
そんなコメントが何度か聞こえてきました

anm1071 “sentry”
入荷してすぐに半分のanm1071のオーナーが決まり
店頭から消えてしまいました
嬉しい限りです

『こんな赤に染めて大丈夫か?』
生地屋さんからは本気で心配されましたが
やはりこの店をやり続けて感じてきた
世の中が先入観的に信じてる需要は全く間違っているという事実
今回も目の前で証明できました

洋服が好きだという人はたくさんいます
その意味はものすごく多様で
確たる定義があるわけではありません
だからさまざな洋服屋が存在すべきだと思います
そんな中で我がmerphの店は
メディアによる先行したブランドの価値の植え付けや
コレクションやエキシビジョンの大号令をシャットアウトします
しかし
この方法は
他力で物が売れなくなるという厳しい環境を
自ら作ることになるのです
だからスタッフには洋服の知識はもとより
一人の大人としての知性と魅力が必要だと考えています
現在cassowaryには将来ある二人の若者がいます
まだまだうまい食い物を私の10分の1も知らないでしょう
飲み屋のカウンターで隣の人を引き込む話のネタも持ってないでしょう
でも
色々な方々にお越しいただけるこの箱庭で働いて
どんどん武器を増やして欲しいと思っています

さあ10月です
台風がまたさらに夏の名残を連れて行ってくれた様です
店の前を通る女性たちの服装はも完全に秋
今日も開店して3時の珈琲を入れる前に
コートが2着売れました
数字の上だけでなく気配もいよいよ秋本番
これから『コート屋』の異名を持つ我々cassowaryの忙しい日々が続きます
そんな今週はいよいよ紳士用のcardinalのsentryが届きます

clammbon mito x merph

京都の街角で長年
看板を出さず
メディア露出も拒否し続けながら
ひたすらオリジナルのフォルムを追求してきた
我々クロージングレーベル”merph”  (メルフ)
デザイナーの坂井自身がかつて音楽家を目指した過去があり
作り出した作品は多くの音楽家に愛用されてきました

そんな愛用者の一人
あのクラムボンのベーシスト ミト氏と
merphデザイナー坂井との度重なる打ち合わせの末
ここにコラボ    レートアイテムが完成しました

プライベートでも親交の深い二人が
merph発足以来
14年間作り続けているアイコン的プルオーバーパーカ
その首元のボタンにミトオリジナルギターピックを使用した
clammbon mito x merph “arenaleader”を制作
10月13日(土)に大阪城音楽堂で開催されるライブの当日
会場で30着限定で先行発売いたします

MR4122 “arenaleader “
clammbon mito x merph
10月13日土曜日 大阪城音楽堂限定価格 ¥18,000(税込)

赤い破城槌

硬い天井に頭をぶつけてもなお
それを貫こうと知恵を絞り
机に向かい
生地の見本を舐めるように睨めつけ
幼少の頃から磨き上げた妄想力をフル活用し
脳内に思い描いた理想の衣を
何ヶ月もの細かい指示確認訂正を繰り返し
今までの自分のステイタスを更新する作品にトライする
それが私の仕事です

さてご報告
この度
デザイナーとしての新しいフロアへ上がる作品が仕上がったと
自信を持ってここにその作品を発表したいと思います

それが
こちらです

cardinal redのバルマカーン
京都の撮影技術では伝わりきらないのが悔やまれます
鮮やかな朱
滑らかなsuper120sメルトン
雨の京都の街角に舞い降りた赤い衝撃

洋服を作っていると
必ずこれまでの自分を超える作品が出て来ます
それは上がって来たとき
本当に自分が作った洋服なのかと
客観的な自分が疑いを持つのです
今日の昼下がりに届いたこの朱色の衣は
未だに私をにやつかせています

これから撮影し
オンラインショップにも載せますが
個人のSNSで公開したところ
ものすごい反響をいただいております
merph_animaの淑女用は10着しかございません
いつもながら脆弱な資金力を呪います
淑女用だけでも30着は売れると思います
メンズも20着もありません
本当に情けない
しかし
無理せず今はこのやり方で参ります

近くに来たら堺町六角の角を通ってください
おそらくこの赤はどこの洋服屋に行ってもかかっていないと思います
merphのcardinal
私の葉幅製作における次のステージへの破城槌
しかと見届けていただきたい

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