京都の引力

東京から新幹線で岡山へ向かう音楽家に
京都駅で途中下車してもらい
名古屋からギターメーカーさんにも参加してもらって
京都駅ビルの11階で昼食を取りながらの製作会議
初めてお会いしたギターメーカーのY氏は
偶然にも私の高校の先輩でした

京都という街は
わざわざこちらから出向かなくても
皆さんが来てくださるんです
それが狙いでここに腰をすえたわけではないですが
先人たちの作り上げたこの由緒ある街に助けられています

洋服を創る者として
やはり海外に進出というのは夢の一つになります
しかし
ここ京都で毎日たくさんの外国人の方にお買い上げいただいてるうちに
その意味さえなくなって来ました
海外のコレクションに出たところで
それほど洋服は出回るわけじゃありません。
私の力不足も認めますが
過去に勤めたレーベルでその苦労と不毛感は存分に味わいました
海外の卸売なんて博打ですから
中間に入った業者が金持って逃げるなんて
中日ドラゴンズの勝率よりはるかに上です

cassowaryには
宣伝もしてないのに
海外の方が続々いらっしゃいます
大金使ってパリだのフィレンツェだの行くよりも
この街でじっくりと洋服を創り続けていた方が
結果的に私の創るmerphは海を渡って行くんです

9.9→9.29

the 3rd heimはもうすぐ2周年を迎えます
毎年その晴れの日9月9日に行ってきたイベントを
今年は
どうしてもお呼びしたかったアーティスト様のスケジュールとの中で
ご参加いただける9の付く日が29日でしたので、
9月29日に開催することにいたしまいた

一昨年のthe 3rd heimオープニングレセプション
そして去年の1周年記念のイベントも たくさんの方に
素晴らしい記念日を迎える事ができました

今年はこれまでの経験を生かし
よりしっかりとしたおもてなしと
音楽をゆったりと楽しんでいただきたくために 
100名様に限定させていただきました
アーティスト様の事務所との打ち合わせも終え
ただいまイベントの最終調整中に入っています  

洋服屋主催の3回目の周年音楽イベント
『the sound heim (volume3)』
今年も僕たちにとって一年で
最も気持ちよく酔える日になりそうです

先鋒

こちらも女性用を製作しました
薙刀でも構えさせたくなる仕上がりです
男性用とデザインは何ら変わらないのですが
ちょっと着丈の比率を変えています

色だけでなく
起毛のかかったしっとりした肌触りも気に入っています

男性用のMR2070とともに
今年秋の先鋒好調です
外套製作を得意とするmerph
いよいよざわついてまいりましたよ

女流小説家

夏がこれから本番を迎えようとする中
店頭に届いた”novelist”
春の前モデル”bookman”があまりにも女性に人気があったため
今回はしっかりと女性のサイズを製作いたしました

merphの公式instagramでも素早い反応をいただき
猛暑と台風に襲われる中
毎日売れております

先日過去のスワッチを眺めていたのですが
1シーズンに震えるほど多くの型数を製作していました
しかし
今見ると型数を作り込むことに追われて
ちょっと詰めの甘い作品が紛れ込んでいると感じました
あの頃はあれが精一杯だったんで
決して手を抜いたり妥協していたわけではないのですが
細かいところに気がつけなかったんだと思います
あれから環境を自ら変えて
直営店でのみ販売するようになったmerphの作品は
型数こそ半分以下になりましたが
作品としては大きく成長したのではないかと思います

今年の冬もご期待ください
みなさんを満足させる作品を必ずお届けします

選択と決断

今年のセリーグも5球団の潰し合いで
カープの三連覇が見えてきました
思い起こせば2年前
下山と車で京都へ向かい
merphデザイナー坂井と京都cassowaryの科田との
会議で決めたオープン日
9月10日にカープが
25年ぶりの優勝をするという奇跡を体験して以来
the 3rd heimの周年とカープの優勝はセットになっております
あの歓喜の日から
これまでとは全く違う洋服の世界に飛び込んだ私は
そこそこやれるだろうという自信を
一瞬で打ち砕かれ
恥ずかしく思うほど無知でありました
現実を京都の魔神に見せつけられ
世の中の洋服屋で『こだわり』と
説明される全てを 『当たり前』と蹴散らす頑固者と対峙し
必死で洋服の勉強をしてきました
その自負を持って春にある提案を
坂井にぶつけてみました

『僕に二周年の記念作品を企画させてくれ』
坂井からの答えは
『いいよ』
あまりにもあっさりと承認されて
“馬が人参鉄砲”を食らった顔になってしまいました

いざ制作に入ると
生地を選ぶのに悩み
発注するタイミングが遅れ生地がなくなってしまう
自分の決断力の無さで招いたトラブル
しかし、ピンチはチャンスと
もう一度考える時間ができ
妥協することなく生地を選びました

1つの作品を仕上げるために
無数の選択の嵐
どんどん押し寄せてくる決断の波
坂井が妥協せず毎シーズンこなしている
工程を身をもって体験でき
あらためて自分の販売している
レーベルに誇りをもてました

そして
最後まで悩んだカラー名は
坂井に相談すると
「すこし待ってて」と
撮影コーディネートを考えていたものの5分で
「決まったよ」とあっさりと解決

ibizaとdublin
この名前で街の風景をご覧ください

ibizaは納品完了し
dublinはカープのリーグ優勝が
決まる頃には仕上がる予定
再び優勝日と同日という奇跡が起こるかもしれません

馬越

理論上シャツ

春にリリースした”bookman”というデザインのロングシャツを
さらに着丈を伸ばし(120cm)
袖口のオーソドックスなシャツのディテールを削除しました
目指したのはバスローブの雰囲気

しかし仕上がりは私のイメージをしのぎ
立派なコートとなりました
気軽に作っても仰々しい
これはもうmerphの個性です

これまでこれをシャツと言い切る私の態度に
文句を言いながらも縫い続けてきた工場も
さすがに今回は生地の厚さと縫いあがりの迫力から
『これはもうシャツ工賃ではぬわんよ』と怒っていました

工場の皆様
おかげさまでMR2069好評です
来シーズンはまた生地を薄くしますので
なんとかまたお願いします

1 2 34 5 6 7 8