翼を閉じたエンジェル

春のmerphには翼がある
この翼
僕はウイングベントと呼ぶ
機能としてしっかりベントの役割がある上に
美しいディテールとして洋服に華を添える
気に入っている

奇をてらう
これは好きではい
でも
優等生の模範解答のような仕上がりもつまらない
独自のアイデアでいて
理論派も納得させたい
それができるアイデアってのはそんなにポンポン出てはこない
しかし
納得がいくものが見つかれば
それはmerphの財産となる

これまでに自分の洋服を賞賛してもらった言葉の中で
一番嬉しかったのは
『アカデミックな服だ』と言われたこと
洋服に僕は芸術性を求めていない
学術的で建築的なものが創りたいと思っている
生地の柄や加工技術やプリント
そういうのは僕の仕事ではない
形を成す=merphと名付けた責任を全うしたい