拳銃と赤い薔薇

先日四十男四人集まって
閉店間際のビストロでNovember rainを大合唱した
『ガンズを聴いてこなかった同世代など信用できない』
そんな極論を叫びながら
スラッシュのギターソロを真似てエアギター

それからというもの
看板も出さず洒落こいた店は
レスポールギターを
マーシャルで鳴らすディストーションが鳴り響いている

高校の音楽の自由発表で
篠原と片桐と僕の三人でPatienceをやった
僕は12弦ギターでストロークを弾きながら
ボーカルと口笛を担当
篠原はダフマッケイガンのパート
片桐はスラッシュのソロ
完璧だった
いつも口うるさい”おんばば”(先生ごめんなさい)も絶賛
その発表の後
数日間
僕らはちょっとモテた

今思えば
この三人でバンド組めてたら
弟と同じく松蔭高校の同級生バンドでデビュー!
できていたかも。。。
いやそんなに甘くはないか。。。
僕らは一年の時は同じバンドだったけど
その後
あの夢のセリフ『方向性の違い』を吐き捨てて
僕は違うバンドを組む
微笑ましい若き日の思い出
篠原は今でも時々飲む
あのロッカーは今や二人の娘の父
片桐はどうしてるだろう

拳銃と赤い薔薇のCDジャケットを見ていたら
なんだか昔の仲間に会いたくなってきた昼下がり
今日も左腕の折れた役立たずは
倉庫の棚卸しができず店番
珈琲啜りながら
今からDon’t cry(original)を斉唱