家族で夜の散歩に出かけた
『お〜』
息子が雄叫びを上げながら空を指した
見上げてみるとなんとか青雲みたいな雲の合間に大きな月
息子の名前蒼麻はインドの月の神様から頂いた
太陽より月が好きだから月の神様から名前をお借りした
全力でただ燃え上がる太陽に
あまり知性や品位を感じない
その体力馬鹿を上手く利用して
肉眼にも美しい光を跳ね返し
30日をかけて満ち欠けする月の立ち位置は
魅力的だ
だから
月の様に賢く品よく育ってほしいと願い
SOMA
と名付けた
しかし
今のところどちらかというと
太陽に寄っている
色白なところだけは月っぽいが
アスペロコットンという綿がある
この綿を僕は非常に気に入っている
主に秋冬に使用するのだが
どこか綿よりウールに近い風合いを有し
ウールと混ぜて使用すると
見た目はほぼ全体がウールの質感を手に入れるが
肌触りでは綿の付き合いやすさを表して来る
昨シーズンに製作した2つのパターンパーツで設計したチノーズに
この生地を差し込んでみた
チノクロスの時は比べ物にならない上品な上がり
グレーとベージュともに
少し白く抜けた柔らかい色合い
そこも気に入っている
北山の事務所は秋冬の新作の納品待ちと
cassowaryから帰って来た春夏の在庫と
2013年の新しい企画の欠片で埋め尽くされている
やる事がどんどん増えて
日々仕事が手につかない
一つ悩んでいるところに別の連絡が入ったり
新しい資料が届いたり
気の多い僕にはもう地獄の様な環境である
明日と明後日は北山もしっかり店舗営業をしなくてはいけないし
獣は嫌いだから猫の手は借りたくないが
イグアナの手でも借りたい状況だ