八重の桜

昨年のちょうど今頃

事務所の移転祝いに頂いた数多の酒を飲むために

友人達と何かつまみを持ち寄り事務所で宴会をした

その時

どうせなら花見にしようと通販で桜の盆栽を買った

ところが花に興味がない僕が選んだのは八重桜

4月末から5月頭に咲く桜
花見はその枝を見つめるだけのものとなった

ただ

その咲き頃ならば展示会が終わってから楽しめる

田和にしっかり面倒を頼んで2週間の展示会に出かけた

話が違った

これが出発前夜4月7日にとった写真

僕の受けて来た教育が間違っていなかったのなら

4月7日は4月上旬だ

田和の愛情が十分過ぎたのか

日当りの良い事務所の気温に体内時計が狂ったのか

1週目の展示会が終わった週末

田和から『満開』の知らせが入った


東京から戻った僕の目の前にあった八重ちゃんは

立派な桜餅に成れる大きな緑の葉っぱをつけていた

その葉を見ながら

来年こそは

そうつぶやき毎日霧吹きで水をやり

時々肥料も与えて

僕なりの愛情を注ぎ込んだのだが

乾いた細い枝に生気を感じない

ここから奇跡の大挽回はあるのか

のぞみは薄い

中日 吉川 八重桜

どれか一つでもどんでん返しを見せてほしい