井端


チノクロスで細く奇麗なスラックスを創った

パンツに関して

コートやカットソーと同じ感覚でデザインをするのは無理

そうしたくも無い

もちろん少し代わった物も時には創る

でも

それら全ては特定のコートやジャケットを思いながら製作している

このMR3018は遡れば前に勤めていたレーベルにルーツがある

それを僕なりに創り直し

何年もかけて少しずついじりながら

そうだな

彫刻みたいな作業

そして何年もかけて

このフォルムに成った

特にへんてこなところはない

ただいろいろ拘ってはいる

バックポケットの位置だったり

持ち出しの長さだったり

そして何より

この横からの面構え

腰から踝までの身体の隆起の頂点を直線で結んだストレート

奇麗に仕上ったと思う

来年も再来年も

きっとこれは創り続ける

大きくオーダーが付いたりはしないけど

大事な作品だ

今年はいつもより少し売れていて気分がいい

100着売れたコートだって

10本しか売れないパンツだって

同じ時間がかかっている

派手に大きなホームランは打たないが

ここぞという時にしっかり仕事をする

このパンツは言わば

merphの井端