始まりの一枚

羽のように重なり合う後ろ身頃

着用している姿

狙い通りの佇まいを手に入れていました

前から見る清楚な雰囲気に

背中で裏切る

こういう服を創るのが元々僕の制作の始まりでした



偉そうなこと言っちゃいけませんが

ちょっと思うところは

いろんな洋服が世にあります

でも

わざわざ自分の会社して創るなら

自分だけの形ってのを創りたいと思うんです

これまで2社で洋服の制作を学んできました

その中で

しっかりとした洋服をバランスよく創るてことの重要性は理解しました

とことんまで使うものにこだわって

伝統のディテールを盛り込み

その上で現代のパターンにのせてしゃれた1着を創る

そりゃ出来上がるものは圧倒的な佇まいで

誰がみても

『いい服』

なんでしょうが

それに傾倒できなかったのが僕の現実でした

そんな中でであったのがイギリスのデザイナーたちが創る洋服

伝統的な洋服に盛り込まれたそのデザイナーの一目瞭然の目印

それが僕の脳みそに確信を与えてくれました

それが誰にも理解してもらえるものではないとわかっています

それでも

まず

自分がそうだと感じないと始まらない

そして創ったのがこの写真のシャツの原型となった最初のシャツです

その後パーカやマントを創り

中には恥ずかしい思い出の作品たちもありましたが

でもそれも大事な歴史です


長くなりましたが

このシャツは

そんな十年の歴史をくぐってもう一回創ってみた始まりの記憶という訳です

ちょっと

袖通してみてください