尺八を嗜む

祖父の形見

幼少たしか3歳のとき

見よう見まねで吹いてみたら音がなり

祖父が大きな声をあげて驚いた記憶がある


幼い頃

毎日祖父と遊んでいた

ベージュのトヨタカリーナに乗って

パチンコに付き合い喫茶店でナポリタンを食べて

指導員だった元の職場の警察に遊びに行った

あの頃警察はお菓子をくれる同じ服を着たお姉さんのいるところで

大好きだったが今はお世話にならないように気をつけている

弟が生まれ

まだ手のかかる弟を巻いて二人でよく出かけた

次第に弟も勘が良くなり

僕らを玄関で待ち伏せするようになった

弟のあのずる賢さはこの頃の僕と祖父が培ったものだと思う

弟の関係者に謝りたい


さて

その祖父

警察の偉いさんでもあったが尺八の師範でもあった

尺八の師範名は”定風”

応接間に飾られた尺八を良く一緒に吹いて遊んだ

小学校の頃には『コンドルは飛んでいく』とか

『荒城の月』とか吹いていた

昨年

名古屋に帰った時に父に頼んで譲ってもらった

父は吹けない

久しぶりにやってみるとなかなか音が出ない


昔大きくて音が出せなかった長い方で試すと

出た

思わず吹いてみたのはなぜか

『もののけ姫』

鹿ケ谷(ししがたに)に住んでるのでなんとなく鹿神(ししがみ)つながりで

尺八はスタッカートを使わない

ワンフレーズ途切れなく音を出す

音階も少ない

だから独特のメロディーになる

ギターと尺八

仕事に行き詰まった時の娯楽がたくさんあった方がいい

ちょっと尺八でも拭きながら

洒落たレイヤードジャケットのデザインでも考えてみる