毎朝
娘と妻を送迎してから会社に向かいます
その道のり8.6km
途中加茂街道を通り
比叡山と大文字の山を眺めつつ
穏やかにまず保育所を目指すのですが
加茂街道を右折したあたりから
幾人かの名物人物に出会します
最初に現れるのは名付けて『キープセントラル』
歩行補助カートを押しながら毎朝散歩するお爺さん
そのスピードは20cm/秒
そして車が近づくとちゃんと止まってくれるのですが
なぜかいつも道路の真ん中付近で立ち止まるため
対向車が来たらひとまず譲ってから
大きく避けないと前に進めないのです
抜け道で通る車が多く皆飛ばすので
事故に遭わないか心配しています
その『キープセントラル』を静かに交わして
寺町通で左折するタイミングくらいで現れるのが
『譲れないクーパー』
40km/hの道路でいつもいきがって飛ばす黄色いMINI
自分の側に止まっている車がいたり障害物があっても
絶対に譲らない
二車線が一車線になる箇所で
アプローチが自分が遅くても
絶対に譲らない
交差点で自分が右折でも
左折は愚か
直進車両にも
絶対に譲らない
きっと職場で誰からも認められないのだろうと
そう思って毎日応援しています
さて、ここでます娘を保育所におろします
しかしまだ会社までの1/3
気を抜けません
その次の難所に現れるのが
『小路から飛び出す青春たち』
今出川通から新町を左折すると
直ぐに左右から無数の自転車軍団が飛び出します
左からは
電動自転車という危険な道具を手に入れて
走力にブースターのかかったおばさまが
青春を取り戻したかのように
高速で主線道路へ飛び出してきます
あらかじめ予測してゆっくり進んでいるので
日々轢き殺さずに済んでおりますが
安心するのも束の間
その斜め右前から今度は『本物の青春たち』
遅刻しそうな学生たちが飛び出してくる小路があります
彼らは右しか確認しないのです
左には興味がない
普通に加速したら危ないのですが
私はまず左からの高速スライダーおばさまに対処しているので
この青春たちを交わすのは容易なのです
危険運転をするあの高速スライダーおばさまは
きっとお告げなのだと思うようにしています
青春の流れ弾を回避すると
新町通を突進してくる一人の女性が現れます
あまりにも堂々と
そして近づいても避けもしないので
『もしかして車両?』と呼んでいます
歩道もちゃんとあり
その横に自転車のレーンがありますが
歩道はもちろん自転車レーンも逸脱し
完全なる車道
完全なる中央を
真っ直ぐに突き進んできます
その威圧感に
『もしかして私にだけ人に見えるのではないか?』
と不安になります
4つの危険を回避し
ようやく妻を職場に下ろし
あとは会社へ向かうだけ
あと少しです
最後のこの道のりで最初に現れるのは
『命知らずのママチャリ軍団』
とは言っても乗っているのは外国人労働者の若者たち
彼らはものすごいスピードで交差点を突っ走って
南へと向かっていきます
そして横に三人並び
後ろに3列ほどで突っ込んできます
先頭がいけたら後続のかなり遅れている数名も
全て突っ込んできます
国で家族が待っているだろう
もっと命を大切にしてほしい
このあと
烏丸通に復帰し
その後タイミングの良いところで
東洞院通に入り駐車場へ向かいます
この東洞院通は通勤の方が多く通るのですが
皆ヘッドフォンしたりスマフォを触りながら
ダイナミックにななめにスペースへ侵入してきます
そう『不意打ちのダイヤゴナル』
皆日本代表のフォワードを目指しているのでしょうか
その動きは古橋享悟のごとく
迂闊に進めば
サッカーならファールで済みますが
車なら大事故です
慎重に東洞院を進み
錦通で左折すると
大丸があります
最近は出勤する時間帯が
9時前なのでまだここは人通りが少ないのですが
そのさきに錦市場の入り口があり
そこにかかった若冲の鶏の大きな垂れ幕の前に
たくさんの人が群がり
写真を撮っています
道路の真ん中に若冲をバックに笑顔でたち
それをお連れさんが大きく股を開いて何枚も写真を撮るのです
『気軽に若冲』と名付けた彼らに
最後の最後の左折は邪魔されます
ようやく駐車場に車を止めたのは
自宅を出発して55分後
最短で向かえば20分の道のりを
ボス(娘)と中ボス(妻)の送迎による遠回りで
普通にいけば合わなくて良い危険に毎日自ら遭遇し
おかげさまでいつしか運転が慎重になってまいりました
結局何が言いたかというと
いくらこちらが交通ルールを守り
安全運転をしても
この世にはその理の外側の存在が無数に存在し
私たちの平和な日々を脅かすということです
常にYOUTUBEなどで危険な事故の映像を見て
明日は我が身と心に刻み
日々ハンドルを握りましょう