8月生まれと9月生まれ

堺町六角在住11年
周りを見れば500年や150年なんて店ばかり
そんな重鎮たちと比べれば
まだ視界もはっきりしない赤子です
でも
洋服店の中ではこの通りで一番の古株になりました

お盆中
11周年を迎えた旨をお客さんに伝えると
みなさん同じように時間の流れの速さを感じられているようでした
同時に続けていることへの労いの言葉をいただきました

私が独立してこの会社を始めてから
お取引をしたり知人がオープンした洋服店は
次々と店をたたみ
大手を除けば型で数えられるほどしか残っていません
原因は確実に見えています
だから私の店はその原因に対しアクションを起こしました
よくファストファッションや大型通販サイトのせいにするよ服屋がいますが
それは原因ではなく状況にすぎません
時代が変われば取り巻く環境も変わります
当然です
そんな中で原因をちゃんと見つけられるかどうか
そこが重要だと思ったから
今のやり方になったわけです
でも
まだ完璧ではありません
これを関わる人間にも理解してもらわないと
そこが今抱えているmerphの課題です

8月に11周年を迎えた京都の次は
9月に広島が2周年を迎えます
今年は諸事情で9月9日ではないのですが
月末の9月29日に恒例となりつつある音楽祭を開催します
広島の皆様
またthe 3rd heimの2周年と
カープの三連覇を乾杯しましょう

秋の光線

季節が秋に向かい始めると
この光線がcassowaryの床を貫きます
暦が進むにつれて
はっきりくっきりと
そして次第に長くなって行きます

八月という月は洋服製作会社としては眠れぬ日々が続くひと月です
お盆という工場の動かない一週間
前後の混雑も配慮すると
ほぼひと月納品がピタリと止まります
今年はそんな中
カットソーを盆明けすぐに投入していただけたり
極小レーベルに対し愛のある工場様に救われております

一時期の酷暑は過ぎ去ったものの
やはり怨念の街京都
風吹けど雨降れど地獄の底から熱気が染み出して来ます
昨日までの涼やかな風も
本日9時をもって初期化されました

されど
確実に秋へのアップデートは進むのです
気を抜いちゃダメなんです
涼しくなったなあ
なんて呟く頃には
私は半袖を企画する日々を送らなきゃいけないので

日常の衣

私が作る服で
おそらく一番シンプルな作品
でも
デザインとしてシンプルでも
そこに理論が存在するものが好きなんです

今回も綺麗なウールのポンチを見つけたました
もちろんいつも通り裏には40/2コーマ天竺を添えました
ウールのカットソーは素肌に着るわけに行きません
チクチクとストレスを与えて来ます
だけど重ね着で下に何か着れば
設計のズレが主役の邪魔をします
だから
同じ設計図で裁断されたコットンを裏に添えるのです

ただ添えるだけじゃmerphの仕事じゃありません
印象的なコントラストを与えます
これは来ているときにちらりと見せるためと皆さん感じられ得るそうですが
作り手としては違う考えで行なっています
私がこういうコーディネートをするのは
洋服が着用時以外も作品として満足のいくものにしたいと考えているからなのです
パイピングや裏地の選び方においても
食事に行った店で預けたコートを店員さんなり
隣の席の人なりが思わず見てしまう
そんな価値をmerphの服にもたせたいのです
一生懸命働いて稼いで来たお金を使っていただくのですから
これを私は”こだわり”とはよびません
”当たり前”と言い続けます

もしうちのスタッフがどなたかに私の服作りに関し
何かしらを”merphのこだわり”と申し上げましたら
すぐに『merphお客様相談室室長 坂井』までご一報ください

online store引越ます

ご遠方の方やご多忙の方に
merph並びにcassowaryで扱う作品をご購入いただくため
こっそり運営してまいりましたonline storeを新しい運営会社のサービスに変更致しました
これに伴い現在のwebshop KAMMERは8月31日をもって閉店いたします
ブックマーク等いただいております皆様には
今後はmerph online store KAMMERへブックマークを変更お願いいたします

弊社実店舗で利用している決済システムがそのまま使えますので
よりスムーズなお会計が可能となります
そのほかにも一つの作品に関して掲載できる詳細写真が
これまでのように枚数制限がないので
準備が整い次第アップデートしてまいります

カテゴリーもmerph/merph_anima/othersと分けて簡潔にしました
ほかにも今後洋服以外の作品もカテゴリーを増やし
実店舗とはまた違う楽しみ方をお提供できるように工夫してまいります

それでは
新しく生まれ変わるonline store KAMMERを
宜しくお願い致します

大原ヘブンリー三千院

幾分涼しかったとはいえど
30度はしっかり超えた京都市八月十七日の昼下がり
大学時代の親友が京都へやって来たので
まずは25年ぶりに荒神口のうどん屋で名物のカレーうどんをぶち込んで
サンクタム号を大原へ走らせました

街中を出発しておよそ30分
道中の温度計は一つ見つけるごとに気温表示が1度ずつ低くなっていきました
目的地は大原三千院
最後に見た温度計は25度
風も心地よく
持って来たハンドタオルの出番はありませんでした

今年に入って2度目の三千院
あいにく来訪者も多く
加えてせっかちな親友が一緒だったので一服できませんでしが
庭を眺め風が揺らす木々の音は
日頃の不安や焦りをしばらくの間忘れさせてくれました

苔と木々の緑が美しいこの庭も
これから冬への準備に向かいます
次は紅葉のを楽しみに行く予定です
merphの最盛期を優雅に過ごせていると良いのですが

恵の小雨

連日の猛暑
普段なら憎っくき雨も
ありがたく感じます
このくらいの小雨なら
客足に影響もなく
逆に唸るような暑さが和らぎ
夕方まで人気のひく六角通りに途切れることなく方向者が行き交います

成長著しいトネリコたちも日焼けした葉に雫を浴びて
生き生きとして見えます
明日は五山の送り火ですが
どうやらこの雨は明日も続くようです

さてさて
広島が小出しにしてくれておりますが
いよいよ今年のmerphの外套たちが仕上がりつつあります
現状まだ縫製チェックのサンプル段階ですが
ここからは一気に進行します
暦が夜長月を迎えます頃
そのほか
カットソー工場でも新作が複数進行中
ご期待ください

今年はいつも以上に厳しい暑さが続いていますが
その分なんだか秋の雰囲気は早々と近づいているような気がします

京都の東山にある我が家の周りでは
ひぐらしが
鳴き始めました

もうすぐ
秋です