オリエンタルな服が好きだ
でも
あからさまにその民族的な生地にするのは抵抗がある
天の邪鬼が人の形をしているのはわたくし
マイクロフリースファーで形を成してみた
フロントを閉じたその姿はまたしてもスターウォーズ
ぜひ何かしら刀をアクセサリーに腰に携えて頂きたい
開くと現れるショールカラーとドレープ
横に逃げる裾のR
前に現れるいくつものR
merphでも創れば良かったと思っている
何せ天の邪鬼
『これのメンズが欲しい』
『これのウィメンズが欲しい』
言われれば言われる程
創らない
なので
これを気に入ってくれた殿方よ
奥方様への手土産にぜひ
さて
ここ数日
新人千葉のトレーニングにお付き合い頂きましたお客様方
誠に有り難うございます
この業界での経験はあるのですが
そこは異端児とか変わり者と言われる我々有限会社Sanctum
洋服業界での経験こそが最も足枷と成り果てます
故に入って来る者皆混乱しながらスタートを切ります
千葉も暫くは混沌としますので
温かく見守って頂けましたら幸いです
その分
吉川には出来る限りの厳しい目を向けてください

秋が待ち遠しいから
2年前の素晴らしい夜の写真を載せてみた
懐かしい
友人の音楽家と書家が見た事無いパフォーマンスを見せてくれた
中休みに熱燗が振る舞われた
最近いろいろ忙しくて
そう言う良い時間を創ったり作ったりできていない
早く来い
さんざん夏の事を悪く言ったが
福松で食べたこの鮎の一夜干しは絶品だった
まるで西京漬の様なのに
味噌は一滴も使っていないそうだ
一皿で酒を5合は道連れにする大盗人
あれほど通っていた福松にもご無沙汰
北山に越したのも理由だが
ここんとこ
もの凄く忙しい
ただでさえ忙しい秋冬シーズンに
去年と違い店舗が2つ
それに加えて
己のレーベル以外の仕事も始めたり
毎年
自分の力量の向こう側で行動を起こすのが悪い癖
2012年も後4ヶ月を切った
12月29日
既に決まっている大忘年会に
腹の底から笑い
この世のそこまで酔っぱらうため
朝だろうが夜中だろうが
平日だろうが土日だろうが
とことんまで
ぶっ倒れるまで

我が家の嫡男
通称キノコ頭の副社長に着せている服を最近褒めて頂く
ボーダーやドットのシンプルなアイテム
所謂子供服とは少し違う
わたくしの様な洋服に携わる者が安心して選べる服を提供してくれるのは
わたくしの目の上の悪性腫瘍
京都に来てからとにかく“お世話”になりっぱなしの姐御の店
同じキノコ頭の息子を持つ先輩でもある
ズバズバと物を申すが頼れる目の上の悪性腫瘍
店は御所の南にある
我が家のキノコ頭は1歳半
ようやくいろんな物が着せられる様になって来た
生意気にお気に入りもあるようだ
子供服をやれと時々言われるが
僕にはあのポップセンスはない
背中に刀が隠せる服は創れるが
おもちゃが似合うポケットが付いた服は無理だ
だから
これからも御所の南で2時間かけて酒飲みながら洋服を選ぶ
どこの洋服屋に行っても退屈な京都で
わたくしが自信を持ってお勧めする数少ない洋服店
そしてその店主
皆様も機会があればぜひ
*注)決して脅されて書いた訳ではございません

animaの進撃にあわせて
cassowaryに新しくスタッフが入った
新人千葉
これからmerph_animaを中心に吉川の甘すぎる脇をしめてもらう
本日より勤務開始
皆様宜しくどうぞ
その千葉が着用しているのはanm4012
超微起毛されたふわふわの手触りに人目惚れした
animaのプルオーバーは袖付けがタンクトップ裁断
裁断線の関係性が少しmerphのラグランと変わる
加えてフードのボリュームも押さえ気味
ネック部分は短めで釦は一つ
単純にmerphのレディースサイズじゃない
微妙な差だけど重要だと考えている
備品を買いに行ったカナートの4階から見えた日の入り
完全に秋の面構え
日中まだ34〜5度をキープする京都だが
次第に次第に秋は支配を広げている
風 影 雲
どんどん進め夏の衰退
早くMR1021くらい着られる気候になる様に
心から祈っている

京都の北山ってどういうところか
東京の友人や他府県の卸さきさんからよく質問される
北山はこんなところ
事務所の裏に入れば畑が広がる
先週までここに丸々と太った加茂茄子が育っていたが
収穫が終わりこれから皆さんスグキの仕込みに入るそうだ
こんな環境で仕事が出来るなんて幸せだ
かつては中目黒だの恵比寿だの
そんな街で仕事をする事に充足感を感じていたが
最近は更に田舎で仕事が出来ないものかと考えている
泡の立たない奇麗な清流に
ミヤマやヒラタクワガタが気の蜜に集う環境で仕事がしたい
もはやそのとき洋服を創っているのかどうかわからないが
今もしそれが出来るなら
虫の鳴き声や川のせせらぎが聴こえるデスクで絵を描きたい
実際のところ
様々な理由でまったく無理だけど
妄想から現実に帰って報告を少々
merph_animaの入荷が加速中
merphでのリリースのリクエストも多かったフードコート
それにスウェットとパンツ
続々と店頭へ投入している
少しずつだけどanimaの方も前進をしている

携帯じゃこれが限界だった
昨夜は月を見ながら黒ラベル
炊きすぎた茄子とししとうがまだ鍋に半分残っている
今夜もそれとプラスMGスーパーのメンチカツで黒ラベル
今日はジャケットの話し
この業界に入ったきっかけはhisTUBEのベルベットのジャケットだった
グレーともグリーンとも言えないベースに黒の千鳥格子のベルベット
そのセットアップがどうしても欲しくて金貯めて
テレビ塔の東に有る小さな洋服屋へ飛んで行った
『ごめんな、坂井君、あれ、先週売れちゃった』
洋服が手に入らなくて絶望したのはあれが初めて
そしてあれ以来も無い
この感情を味わっていなかったら
今僕は洋服を創っていない
きっと中日ドラゴンズに入っていてそろそろ引退を考えている
仕方なく生地違いのストライプを購入した
しかしその後運命の出会いが待っていた
京都に戻り大学の友人と会って
そいつも洋服が好きで
4人のチームで京都中のパチンコ屋を廻り
スロットで月収80万を稼いぐ強者で
彼に狙っていたベルベットのスーツを買い損ねた話しをした
『それ 俺 持ってるで』
やけに太い眉毛が一段と力強く
そして初めて愛おしく見えた
『朋 頼む 譲ってくれ』
彼は快諾してくれた
大学の身内で廻って来た京都市地下鉄の看板掃除
1駅¥8,000助六寿司付きのバイトを政治の力で回してもらって
四条とか北大路などの大きな駅以外すべて廻った
小さい駅は看板が少なく1晩で2カ所廻るから1日¥16,000
ただし助六寿司は2つにはならない
当時ミュージシャンになる予定だった僕は
ギターが弾けなくなると困るという理由から
看板で手を切るといけないので
重たい看板をはずして磨く作業はすべて先輩と後輩にやらせて
ひたすらぞうきんをしぼった
その努力の末
遂に千鳥格子のベルベットは僕のクローゼットにやって来た
MR1019
あの時の感情とあれからの現実を盛り込んだジャケット
セットアップのパンツは2種類創った
このジャケットを突破口に
これからmerphでどんどんリリースして行きたい
時に正当派右腕
時に技巧派左腕
そして時にドミニカの暴れ馬の様な
僕の頭の中で生まれる物なら
すべて僕のmerphである