創造の中心

MR1082

今季のラインナップのなかで

最もデザイナー側のエゴを出し切った作品

おそらく

そんなに受け入れてくれる人はいないのでないか

創っておいてそう思った

ところが

オーダーも結構ついたし

cassowaryでの反響もフラットショットが帰ってきた

ラペルレスのチェスター(そう言っていいかどうか)を外すと

中からコンパクトなキルティングベストが登場

8月好評だったMR1085とMR1091とは全く別のパターンで製作したベスト

要するにこのコート

3ways

我ながら惚れ惚れする仕上がり


私が憧れるデザイナーは

人と違うものを

しっかりとした仕上げで作ることができる人

だから自分もそこを目指したい

ワンシーズン全てがそれになっては優秀ではないが

その自分のエゴを出し切ったデザインが

中心にあり

そこからしっかりとした関係性をもって

全てのデザインが存在するレーベルを目指している

今シーズンの中心は間違いなくこのMR1082

どうぞみなさま

お見知り置きを


8/28

ここに店を構えてもう8年になりましたが
women’sを本格的に開始したのは4年前
最初は少なかった女性のご新規様も
今は男性よりむしろ多くなってきました
新しい店に飛び込む好奇心
それは女性の方が強いのかなと感じています
なので本当は女性のスタッフも居れば良いのですが
今もcassowaryは男所帯
そん中でも毎シーズン通っていただける方も多いのは
ありがたい事だと思います
秋冬シーズンはまだスタートしたばかり
その中で写真のワンピースは特に良い反応をいただいております
僕らがいけると感じた作品を
同じように評価いただけるってのはとても嬉しいです
そしてそれがまた次のシーズンへの活力となるのです

男性の無意識人格の女性的側面

merph anima

merph の women’s line

anima

この言葉は単純に英語の『魂』という意味からではなく

カール・グスタフ・ユングが提唱した心理学的性質

『男性の無意識人格の女性的側面』

まさに我が製作の定義そのままの言葉

そこからいただいた

会社を始めた時

女性の洋服を創るつもりは全くなかった

これも

店をやってきたおかげで始まった

お客さんのお連れの女性たちからのリクエスト

女性から迫られると弱い


ところが

いざ始めてみると

まあ難しい

単純に女性の寸法にして売れるもんだと思ったが

大間違い

売れない

女性のお客さんたちはメンズサイズを買っていく

そこで手抜きをやめた

完全に別で製作を開始

そこに運よく素晴らしいパターンナーとの出会いもあり

一気に状況が変わった

その服を女性たちに褒められてさらに図に乗る

いつの間にかメンズと同じくらい毎シーズンデザインを描いている

女は男のことをよくわかっている

男は女のことは何にもわかっていない

脳も男性の脳より女性の脳の方が機能としては進化しているって聞いた

『女の勘』

あれがそれだ

男はバカ

でも

その自覚を得た男は少しだけ賢くなる









形を成すパーカ

merphと言えばコート
そして
パーカをまず思い浮かべる方も多いかもしれません
まずはプルーバータイプのご紹介です

顔のまわりでしっかり立ち上がる大きなフードに
Fender社のピックをボタンに加工した物を2つ配置しました
ボタンの止めた時とそうでない時に
首元に少し変化を出す事ができます

今回は縫製の処理を出来るだけ3本針を使いました
キレイに縫い上がっているのはもちろんですが
今回のスウェットの雰囲気とも合っていると感じます

裏毛の糸もコットンで起毛はさせていないので
着る時期をほとんど選ばないかと思います
merph=形を成す
そこを探求する洋服創りに置いて
パーカは1つ完成したカタチになった作品であると
思っています
そのシルウェットと洋服のもつ佇まいを
ぜひ店頭にてお確かめ下さい

8/26

嵐とともに涼しい大気も連れて行かれたよう
この寒暖差のせいでしょうか
体は鉛を詰め込まれた様にズンと重たい
夏の最後の一撃が堪えます
しかし
今日も朝から店頭には新しいコートが到着しました
それはそれは今シーズン1番のエレガンス

確認も含めてまず最初に自分で試してみるのですが

素晴らしい上がりです

なのでへばっている暇は有りません
早速写真を撮り進めていきます
[お知らせ]

8/27と8/28の2日間

神戸のammonは定休日とさせていただきます

ご来店予定の皆様にはご迷惑をおかけ致しますが

何卒ご理解下さいますよう宜しくお願い申し上げます

なおcassowaryは通常通り営業しておりますので

ぜひお越し下さい

黒ラベルを呑み続ける理由

自分の創る服をどれだけ客観的に見ることができるか

その上で

自分の主張をどこまでその服に出すことを許すか

言葉で説得せずとも

自ずと伝わる視覚的な特徴を

ポケットの形を歪にしたり

明らかにわざとらしい裁断を入れるのではなく

数式を紐解くような

今までそこにあることに気づかなかった

見つけてみれば実に美しく調和する

そんな線を探していつも絵を描いている


最近

自分の洋服を説明することを要求されている

以前と違い

いろいろな人の協力でmerphの拡大が始まっているからだ

そうなると

関わる人たちに自分の意図を説明しなくてはいけない

参考にいろいろなブランドがどうやっているか覗いてみると

実に情報統制されているではないか

きっとしっかりとした資料があるのだろう

でも

どうだろう

確かに品質に関わる物理的な情報は当然共有するべきだが

merphをどう感じているかはバイヤーたちの自由ではないか

そこを

某隣国の政治のように思想を押しつける必要はあるだろうか

私はないと思う

merphの取引先のバイヤー達は実に表現力があると思う

こちらが逆に参考にしたくなるくらいに

ブログで書き上げられた物理的なこと以外のmerphに対する表現は

読んでいて楽しい

ただの商品説明だけでなく

私という人間が創っていることを説明してくれている

照れくさいこともあるが

非常に嬉しい

だから私は

ただ洋服を創ってりゃいいわけじゃない

しっかりと日々を真剣に生きて(遊んで)なきゃいけない

そうでなくては彼らの文章を楽しめない


そういうわけで

ギターを弾いて料理を作り

宇宙の研究をしながら

黒ラベルを呑み続けている