秘密じゃない基地

バーカウンターのある洋服店
酒を売っているわけではない
作りたかったから作っただけだ
自分が長く居る場所にキッチンがないのは耐えられなかった
しかし
あからさまなキッチンを作るわけにはいかない
なぜなら
ここは
洋服屋だからだ
ならば
せめて洋服屋にあってもおかしくない姿にする必要がある
必然
その姿はこうなった

カウンターの天板は正直に言おう
IKEAで買った
棚もモノタロウで買った
共に集成材だが気にいっている

グラスはいいのが並んでいる
ビールグラスはもちろんサッポロ様の北極星
そのほかイッタラのいろいろなグラス
中でもカウンタースツールと同じく
コンスタンティン・グルチッチがデザインした
スタッキンググラスはお気に入りだ
すでに生産中止になった幻の名作
暇があればネットで在庫を探すが一向に見つからない
どなたか見つけたらご一報いただきたい

照明はIQライト
これを作るのに3時間かかった
まさに頭を使わされる60ピースの立体パズル
もう二度と作りたくない

AV機器もいいのがある
ちょっとカラクリを使って格安で手に入れたプロジェクタ
3月からまた中日の試合を放映する

写真には写っていないが
今はここに二口のIHクッキングコンロと
電子レンジと二段トースターが備わった

そのほかにもギターやベース
最近じゃジャイロボードもやってきたし
子供がグズったらキネティックサンドでおもてなし
実はダーツボードも隠してあるけど
ちょっとアメリカンなダサさはご法度なので隠してある

これから手に入れたいのは
卓球台と木目のアップライトピアノ
それから大きな会議デスクだ
洋服を生み出しそれを展示し
酒やうまいモノを食いながら
いろんなおもちゃで遊べる町の真ん中の秘密じゃない基地
四十過ぎのおっさんがいい年こいて本気で遊んで申し訳ない
2015年ももうすぐ終わるけど
そこんとこ全く反省もせず
来年もこの調子でのらりくらりと
しかしながらまっすぐに進んでいこうと思う

漂う年末感

早い方ではもう25日が仕事納めになるそうなので
今日を入れても4日を残すのみ
そして年始は1月4日から仕事始めの方がほとんどだと思うので
今年は年始よりも年末の方が街は慌ただしいかもしれません

cassowaryは毎年
帰省のついでにご来店いただく方々も多いので
今年も31日まで営業しようかと思っています
きっちり決定したら
またここでアナウンスさせていただきますので
お時間が合えばぜひお越しいただければと思います

アンゴラビーバーの威力

merph_anima一番人気はこのトレンチ
今年使ったこのアンゴラビーバー
展示会で公開後に生地が20%値上がりするという災難に見舞われ
制作を中止するか迷った品番
売れなければ心が折れるところだったが
見事な結果になった
anima史上最高額となったこのトレンチコート
ご購入いただいた皆様に感謝

来年もまた新しいトレンチを創ってみる
満足は制作の大敵
売れなかった形は悔しからまた挑戦する
売れた形はもっと良いものに挑戦する
根性だけはそこそこデザイナーだと自覚している
あとは
結果を
ずっとそう言って11年
『来年こそ』
が年末の呪文
ダイエットと大成功は口だけではみっともない

次の春は2月から。

昨日でanm1046は完売となりませんでしたが
代わりにmen’sの2品番が無事に完売へとこぎ着けました
その1つはリバーシブル中綿ベストのアルパカ素材
これで中綿ベストが完全に店頭から消えました
ありがたいやありがたや
来秋冬上手くいけば
women’sでも中綿ベストのリリースが出来るかもしれないので
今回のmen’sをみて悔しがっていた方がいらっしゃれば
頭の片隅に入れていていただければと思います

また春服のスタートが2月予定と
いつもより少し遅めの納期スケジュールで進むので
これからの1番寒い時期もしっかり冬物を販売出来るように
例年よりも在庫を多くご用意して臨んでいます
皆様の体温と気分を上げられるように
今年最後の11日間もしっかり開けて参ります

氷点下と活気

昨日は京都市内でも氷点下を記録して
本当に寒い日となりました
そのお陰かどうかはわかりませんが
このところ毎日コートを見に来てくれる方にお越しいただくので
cassowaryは活気ある慌ただしい日が続いてます

ありがたいことに
私が生地を選んだこのコートもやっと各サイズ1着へ
辿り着きました
今日完売させるつもりで
しっかりと店番を全うして参ります
天気もいいのでお時間ございましたらぜひ
お越し下さい

やりたい事とやれる事

今期のanimaのなかで
仕上がりがもっとも納得しているのがこのanm1052
過去の品番を何度も再構築して仕上げてフィールドコート
こうやって何度もやり直していくことも
良い作品の誕生につながる
ありがたいことに店に通ってくれるお客さんたちにも
『何年前のあの形をもう一度』
などとリクエストをいただく
ちょうどもうすぐmerphを初めて4年に成る
数えていたら制作品番数は505品番もあった
自分で言うのもおこがましいが
どちらかというと
特徴的なデザインをあげる作家ではあると思う
しかし
特徴ばかりに固執して
完成度を損なう危険性もずっと感じている課題
ならば
ここは少し冷静に我が制作を見直すこともやってみようと
ここ二ヶ月で固まりつつある
そんな折
友人が二年か三年前のフィールドコートを着て店を覗いてくれて
忘れかけていたその品番が
今見てみるとなかなか良い面をしていた
そう
自身の制作も自身の偏見により左右する
10年やってきたわけだから
もう少し冷静な視点を持つ時期だと思った
やりたいことやれることをバランス良く
そして少しずる賢さを
サッカーでもそういうチームが強い
淡路島で勢い良く描き上げた特徴的な洋服に
もう少し経験を反映した仕上がりの良い服を加えてみようと思う
2016AWは大人になろうと決めた