ニラレバの恨みは量子の隅まで

スカーレットのロング開襟シャツ

コート

と言いたくなるでしょうがシャツです

丈が長い以外

パターンにおいても

ディテールにおいても一切がシャツの要素で構成されています

だから

シャツです

鮮やかなこの朱雀の衣の出番は

もうすぐそこまで来ています

 しかしながらの

雨の3月3日

来客も少なく

今日はひたすら生産と秋冬の仕込みで電話とメールの雨霰

雨音が響く静かな店頭

おかげで集中できましたがカウンターは活躍できませんでした

それでも仕事をした充実感に包まれ

閉店後

吉川店長と久しぶりの栄養補給に王将へ

空腹に任せてビッグオーダー

吉川店長は

餃子2人前にライス大

それから焼きそば

わたくしは餃子は1人前に焼き飯

それとおかずにと油淋鶏と

吉川店長の風邪を気遣いニラレバ炒めをオーダー

しかし

オーダー後まさかの一言

『僕、レバーたべれません』

正直
わたくしもレバー苦手です

王将はスピード命

オーダー変更を申し出る間も無くニラレバ登場

続いて餃子に焼きそば焼き飯主力も登場

もう食べるしかありません

わたくしが

苦悶の社長を気にもせず

2人前の餃子と焼きそばと油淋鶏を

漫画のように盛られた白めしの上でワンクッションさせながら

黙々とマイペースに晩餐を楽しむ平社員見習い

気遣いを火傷で返すナチュラルボーンゆとりボーイ

土砂降りの雨の中

京都の五条の西の果てに置き去りにしてやりたい

本気でそう思いました

しかし

そんなやさしい復習はわたくしらしくありません

このうらみ

量子のずいまで震え上がる

センセーショナルなリベンジにて返してやります





効かない珈琲

秋冬の製作で問題を抱えて

夜静かになると不安がざわざわと眠気を飛ばし

やっと眠ったかと思うと

悪夢で目が覚める

外はまだ狭間の世界

しかしもう眠れない

朝食をと思ったが卵がきれていてやる気を無くした


夕刻

ちょうど今頃(17:17)

見失っていた眠気が襲ってくる

負けるわけにはいかないからパトリオットカフェインをぶち込むが

全く効かない

二発目(二杯目)をお見舞いするがまだ効かない

三発目

眠気はさらず吐き気が襲う


ここ一週間のルーティーン

それでも少しずつだが前進はしている

でも効率が悪すぎる

こうなるといつも思う

一人でやる仕事じゃないものを一人でやっているから悪い

だからそろそろ

もう一人雇って
社長 っぽくバカラのグラスでモルトを飲みながら午後を過ごそうか

僕はコート品番だけデザインして

あとは監査役としてデザインを見る立場になる

カットソー

シャツ

パンツ

淑女用

そして生産管理

これで今夜からよく眠れる

という

夢を見ていた17:26

眠たい

たすけて


オペレーター

オペレーター

と名付けたワークジャケットのようなスタンドカラーのシャツ

色は青みのさしたグリーン

これをmerphではいつもmalacite(マラカイト)と読んでいます

つまり

雲母

です

素材はサマーコーデュロイを選びました

どうしても秋冬のイメージが強いコーデュロイですが

起毛を押さえて春らしい軽い色にしています

着丈も前は短め

私は上出来だと思うのですが

MR2037




話は変わりますが

昨日また少し自慢のカウンターを少し修正してもらいました

微妙に天板が傾いていたのでそれを平行に

これで完璧です

今回の

というか

内の店の内装は過去4度すべて大学の後輩に頼んでいます

当時あだ名がペーターだった彼も

立派なデザイナーです

いつかどでかい仕事を頼めたら良いんですが

何もない空間を作るという弊社の内装コンセプトでは

儲からないですからね

しっかり洋服でもうけて

いつか居酒屋を

なんて話をしながら

出来上がったカウンターで珈琲を飲んでいました

このカウンターは誰と決まりなく

話をゆっくりするための呼び水です




悩みの種

久しぶりの新型パンツが好評です

着用してしまえば少しゆったりとしたただのイージーパンツですが

またしてもテレコとのレイヤードです

トランクスほどのモダールコットンのショーツが中にあり

その上からサラサラのトロピカルを被せています

着用した方みなさんから穿き心地を絶賛されてます

いいのが出来上がりました


パンツはいつも苦労します

今のご時世

シンプルなものでも良いものだと言い張って

自分たちのパンツに価値を見出してもらおうとしても

世の中にはものすごく安価で

素材もパターンも仕様も素晴らしいものがあふれています

それは生産数や効率による影響であり

我々が同じ値段でやれば原価を割ります

そんな中で生き残っていくには

やはり面白い独自性の強いものを作っていくしかないんです

コートやカットソーは比較的その差が出しやすのですが

シャツとパンツはなんとも難しいんです

近年

シャツはほぼコートやジャケットのポディションのものを創ることで

merphのシャツとして認めてもらえるようになりました

残すはパンツなんです

毎日毎日知恵を絞り考えてます

秋冬にまた一つ新しい形を出します

それがまたこのパンツのように気に入ってもらえると良いのですが

カウンターで飲んでばかりではないんです

しっかり悩み試し頭痛と戦っています

この社長にしてこの部下

マントが売れる店です

オリジナルもスウェーデン産も

残すところ

この赤とnavyの1着ずつ

お待ちしてます


このところ雨がずっと続いていますね

今日も少しぱらぱらとしてました

この雨を抜けると春の温もりが届くのでしょうか

2月の始まりとともに店頭から冬を消し去ったコンクリートの館は

震える通行人から苦笑いされるほどのド派手な赤青緑です

それでも毎日着々とジャケットが売れて行き

完売のラベルをそろそろめくる事になりそうです

その傍らで

秋冬の仕込んだ生地と描いたデザインのマッチング会議を行ってます

吉川店長の上から目線の提案にちょっと大人気なくイラっとしました

彼は相変わらず人との距離の撮り方がわからないようです

社長からの質問が聞き取れなかった時

『はい?』という若造にどう対処したらいいか

誰か教えてください

まあ

そんな彼の言うこと

こちらも右から来て真下に落ちますけどね

でも

時々いいことも言います

今日はなんとか紳士部門の生地のはめ込みが完成しました

急遽新しいパンツも描き上げました

まだパターン間に合うでしょうか

今回も順調に遅れています

あれだけ半年前に次こそ早くとスケジュール表を作ったのに

12月から見るのをやめてます

ダメな大人です

だから

『はい?』と答える部下しかつかないんでしょうね



四神

洋服が増えてきました

今年の春は華やかです

先に発表したショートムービーで

登場する4つのスポーツのプレーヤー

実は隠しテーマで四神になぞらえて

その着用している洋服の色が分かれています

フットボールプレーヤーは朱雀の赤

バスケットプレーヤーは白虎の白

ジョッパーは青龍の青

ベースボールプレーヤーは玄武の黒

そしてその力をまとって戦いに向かうテニスプレーヤーの青年は

新しい命の象徴の緑をまとっています

なので

今シーズンは鮮烈なスカーレットやコバルト

柔らかなテンダーリーフとピュアホワイトを多用しています

今のところメンズではコバルトとブラック

ウィメンズはスカーレットとテンダーリーフが好調です

アイテムで言うと

一番の好調品番はMR1074レイヤードジャケット

なんと卸からのオーダーたったの1着だった嫌われ者

ところが店頭では入荷後ほぼ毎日売れて行き

完売間近です

二番人気はMR1076

こちらも一社からしかオーダー頂けなかった落ちこぼれ

ところが店頭では好成績を残しております

最近

展示会オーダーがつかなくても

私の自信が揺るがないデザインは必ず生産しています

cassowaryには別の結果を出せる環境があるので

そうなると

何を創るのも自由です

さあ

今日も先ほどMR1074が売れたようです

まだまだ売れそうです

追加しましょうか

生地がないでしょうか

見込み違い

反省しましょう









Sakura

春節で中国からの来客が続きます

みなさんいい人です

本当に彼ら日本嫌いなんですかね

今夜一緒に飲みに行けるくらいいい人です

そんな中国の方

春節だからでしょうか

みなさんこの桜色を選んでいきます

友人に穴を開けてもらって作ったフェンダーピックボタンも報われます

工賃は高級焼き肉でした

秋冬も何か作らなくちゃいけませんね


中国の方々

若い世代は英語が堪能です

わたくしと同じ世代の方は同じような英語力ですが

二十歳くらいの英語力は全然違います

おかげで今月は英語の訓練ができています

わたくしも吉川君も一応大学まで英語は頑張りましたが

その学習は何の役にも立ちません

吉川君は時々親指立ててごまかしてます

間違えて中指立てないか心配しております


わたくしは片言ながら頑張っております

わたくしに使える英語を教えてくれたのは

ラモーンズとガンズアンドローゼズとハノイロックスです

バンドやっていてよかったよお母さん


日本の英語教育に軽い皮肉をかましながら

本日もここにいます

ある時はスタッフの食卓

またある時はおでん屋

またまたある時は秋田弁BAR

しかし今日はオフィスSanctum

秋冬の仕込みが店の改装

いや

改造で大幅に遅れてしまっております

仕込むはずだったオリジナル生地

危うい状況です

でも

今日は車じゃない

お酒が飲める

危うい状況です

落陽と初葉

merph_animaの春のトレンチ

今年は

鮮烈な落陽のスカーレット


柔らかな初葉のテンダーリーフ

この二色

ベーシックのなウォルナットやネイビーを

バーバリークロスで仕上げるバージョンも企画しましたが

直前でキャンセルし

勝負のこちらだけにしました


形として

大昔に製作した前が大きく割れるデザインを採用

もちろん10年の経験を反映させてはみました

フロントのボタンの止め方をアレンジし

表情をガラリと変えて楽しんでいただきたい


ここ数日

少し春の萌が香ってきましたが

まだまだ装いを完全に春にできるまではもう少しかかりそうです

その間にcassowaryに春物を揃えて

みなさんに楽しく選んでいただけるようにしております


同時に

秋冬の製作

急ぎます

営業日『秘密』

この週末もオープンしておりました

決まりのない居酒屋

『Sanctum食堂』

今週末は東京からの来客が二組

そのゆかりの人間がじわりじわりと集まって

営業終わったベトナム大将と福松まさきがやってきて

結局深夜二時を過ぎるまでの満員御礼
はやってきましたこの店

この日のアルバイトは昼間にCM製作の本業を終えた小川くん

merphのショートムービーの監督です

繁忙期で10件以上の案件を抱えている中の出勤

故郷の秋田弁で接客すると言っておきながら

最初の一言が

『どこから来はったん?』

まさかの京都弁

カウンターの中も外も酔っ払いの店です


通りがかりの人が皆中を覗き込んでいきます

途中

烏賊の西京漬を外で焼いていたら

近所にお住いのご夫婦に

『なに?飲み屋なの?』
と尋ねられましたが

『服屋です』

と堂々と答えました

僕なりの説明をしたところ

『ばっかじゃないの!?』

とちゃんとご理解いただいようなので

少し中に入って服を見ていただきました

また昼間に覗いてくれるそうです

そうなんです

こんな無茶苦茶やっても

僕らは身内だけののりでやってません

近所の人

遠くから来た旅人

“ある”理由でそこに一緒にいられる人みんなウエルカムです

逆に言えば

そう

尾崎豊が盗んだバイクで走り出した15の夜に

バイクを盗まれた誰かがいるように

近くに居ても僕らを目障りに思う人はいるもんです

そんな人にまで好かれるのは無理な相談ですよ

無茶はしてますが

僕らはみんな普通に笑顔で挨拶をできますからね

これでいいんじゃないでしょうか

それに知ってます
本当は彼らも仲間になりたいんです


楽しい店ですようちは

『楽しそうだな』

そう思ったらもう既に

あなたも居酒屋サンクタム食堂のお客さんです

お待ちしてます

いつ開いてるかは秘密です







キッチンが自慢の自慢の洋服店

doctor

そう名付けたロングシャツ

開襟にしてテーラードのように見せかけました

生地はドイツ軍スノーカモフラージュ

雪原で雪から草が飛び出しているように見えます

店頭にはすでにシャツも揃ってきています

そんな活発な店頭に

最近毎日居座っております

吉川店長は実に仕事がやりにくそうですが

わたくしがいなかったら仕事をしないので問題はないでしょう

ただ

こうやって店に出てくると思うのですが

やはり店頭にたつのは大事だと

ここ2年ほどほとんど店頭から姿を消しておりましたが

この改装を機に

毎日ここに来るようにしています

やはり楽しい場所です

時々嫌なこともありますし

店長にイラっとさせられますが

それも店が生きている証拠です


明日も店に出ます

戦力も揃い

毎日が非常に楽しいんです

おひまがあれば覗いてください

自慢のキッチンをご覧にいれます